68 つよつよミミックの部屋移動(アルカ視点)
アタシ達は今、エスペランサって変なニンゲンの娘に振り回されているのぉ。
この娘、アタシの知っているイヤなニンゲンとは違うんだけど、それでもやはりあまり好きになれない。
エスペランサの方はアタシに人懐っこくというか、馴れ馴れしく察してくるけどそれが尚更に調子が狂って何かイヤな感じ……。
それにこの娘、自覚があるのかわからないけど、ものすごく恐ろしい何かを感じるのお。
そう、ご主人様の恐ろしさとも、ハコザキの中に感じるドス黒い感情でもなく……もっと違った何か。
でもそれが何かはわからない。
だけど、ご主人様はエスペランサをアタシ達と同じ下僕にしたみたいで、今のこの娘は一応アタシ達の仲間って事になるのかなぁ。
エスペランサは何かの黒い札を持っていた。
どうやらコレがあるとご主人様のピザとか、アタシ達のいる部屋のお金になるみたい。
アタシはハコザキのおかげでこの世界がお金で物を買う変な世界だとわかっている。
アタシの大好きなゲームキもお金がないと買えないんだって。
アタシ達の村ではあのキラキラ光る石が多いとたくさん食べる事ができたけどぉ、そのキラキラ光る石の代わりがお金かなぁ?
この世界はまだアタシのよくわからない事ばかりね。
でもどうやらあの黒い札はお金代わりにならなかった。
それでエスペランサがキラキラ光る石のついた首飾りでお金の替わりにしようとしたみたいだけど、断られちゃったみたいね、もったいない。
あれだけキラキラ光る石がついた首飾りなら十分お金の代わりになるのにぃ……。
首飾りが使えなかったみたいで、ハコザキが何か考えていた。
そしてアタシ達はハコザキと一緒にご主人様を部屋に残して外に出かけたの。
ハコザキ、一体どこに行くつもりなのかなぁ?
アタシとエスペランサはハコザキについていく形でどこかのお店に入った。
えっと、一応アタシは賢いからこの世界の字も覚えた、
ここには、えびすやって書いてる。
ハコザキ、ここで何をするのかしら?
アタシ達は椅子に座って待たさせた。
その間に出してもらった色のついた水、これ冷たくて美味しい!
アタシ達が冷たい色付きの水を飲んでいる間に、エスペランサの首飾りを、えびすやのニンゲンが調べていた。
どうやら結局あのキラキラ光る石の首飾りはお金に出来なかったみたい。
まああの冷たい色付きの水飲めたからアタシは良かったけど。
その後ハコザキは他の所にも行ったけど、全部ダメだったみたい。
ハコザキはそれでもあきらめずにあの首飾りをお金にできる所を探していて、どうにか見つけたみたいね。
アタシとハコザキとエスペランサは何やら暗い建物の中に入ったの。
その中は薄暗い階段があって、そこを上がると中には小さな部屋があった。
部屋の中にはスタイルの良い女の人がいて、変な服を着て大きな透明の丸い石の前に座っていた。
「アラ、お兄サン。どうしたノ? そう、その二人のどちらと付き合えばいいかの恋の相談ネ。ウチは高いけド、確実に当たるヨ。1時間一万円だけど払えル?」
「いいえ、ボクは……箱の中身を占って欲しくてここにきました」
なんでアタシがハコザキと付き合うのよ!?
アタシとこんなのが一緒になるなんてぶっちゃけあり得ないからぁ!
……と思ってたら、ハコザキは何か不思議な話し方をしていた。
だからってアタシとの相性を見てもらう事を最初から完全に否定って、それもなんだか傷つくわよぉ……。
「貴方、それをどこで聞いたのかしラ? ウチは信用できる相手としか取引をしないんだけド。それを知った上でここに来たのかしラ?」
「ハイ、ここの事は他の人には教えません。かならず約束します。
「そウ。わかったワ。それでは箱の中身を見せてもらえるかしラ?」
あら、ココはどうやら占いのために来たのではなく、あの首飾りのために来たって事なのかなぁ。




