66 つよつよミミックの下僕3(アルカ視点)
アタシ達はキシンカイとかいうヤバいヤツらの建物の中に入ったんだけどぉ、ここマジで最悪だったぁ!
まず変な臭いがひどい、ハコザキが言うにはこれはタバコの臭いってやつだって言ってたけど、よくこんな変な臭いの中にいれるのね、ニンゲンってやっぱり変!
それで、ここにいると危険だからアタシとハコザキはデジカメでコイツらを撮ってからさっさとご主人様のとこに戻ったのぉ。
でもそしたらこのキシンカイとかいうヤツらもダンジョンの中に入ってきちゃった!!
アタシとハコザキは、戦えないから透明化スキルで姿を消し、ご主人様の後ろに隠れた。
そしたらご主人様とキシンカイの戦いが始まっちゃったぁ。
でもやはりご主人様はめちゃくちゃ強かった。
キシンカイの奴らが何十人といる中、ご主人様はたった一人で戦っていた。
そして強そうなのを次々と返り討ちにしちゃったぁ!
中にはバズーカホウとかいう魔法道具を使うやつもいたけど、ご主人様は驚いてひっくり返っただけで無傷だった。
その後バズーカホウを持っていた敵の頭を潰すと、そいつの持っていたバズーカホウが爆発して辺りの敵全部やっつけちゃった!!
その後は残ってたイスズとかいうやつをご主人様が捕まえ、アタシが言ってたようにギリギリギリバツーンとねじ切っちゃったぁ……。
アタシ、結構軽い感じで言ってたけど、本当にやるとあんなにエグいんだぁ。
ご主人様は倒したキシンカイを全部食べちゃった。
これでいったん終わったのかなーと思ってたら、どうやらあのイケメンボウケンカとかいうのがものすごい勢いでダンジョンを走ってきた。
一体何でそんなに急いでるんだろぉ?
イケメンボウケンカはどこかの部屋に逃げ込んだみたいね。
アタシが不思議に感じていると、ハコザキがアタシに話しかけてきた。
「アルカちゃん、今って透明化のスキル使える?」
「出来るけど、何をするの?」
ハコザキのヤツ、何がしたいんだろ?
アタシは透明化のスキルで姿を隠した。
するとハコザキはイケメンボウケンカの逃げ込んだ部屋に入った。
アタシが触れていないと透明化は出来ないから…アタシもその部屋に入る事になったんだけどね。
「どうすんだよ!? 五十鈴のヤツ、オレ達に一体何を押し付けやがったんだ!? 江藤のとこ行くどころじゃないぞ、何だよあの黒服どもは??」
「おれだってわからないよ。わからないからスキルの使えるここにしか逃げれなかったんだろ」
「田部井。オレとお前は一蓮托生だ。二人でどうにかここを乗り切ろう、とにかく使える魔獣でここを守ってくれ!!」
どうやらイケメンボウケンカとこの魔獣使いは誰かに追いかけられてるみたいね。
「イタゾ、ソコダ!!」
「アノハコノナカミハ、ゼッタイニキズツケルナヨ。ボスノゴメイレイダ!」
黒服の男達がイケメンボウケンカを追い詰めた。
魔獣使いは黒服を返り討ちにするために魔獣を出しているけどこの黒服、キシンカイなんかよりよほど強いの。
魔獣使いの魔獣は次々と黒服達に薙ぎ倒されていた。
「アルカちゃん、どうやらイケメン冒険家村田はこの箱の中身のために追いかけられているみたいだね。アルカちゃんのスキルであの大きな箱を透明化出来る?」
「アタシがスキル使ってる状態で触れたら出来るわよぉ」
アタシとハコザキはイケメン冒険家の持っていた大きな箱に触れ、スキルで透明化させた。
どうやらイケメン冒険家と魔獣使いは黒服と戦っていて箱の事に気が付いていないみたいね。
アタシとハコザキは透明化させた大きな箱を部屋から持ち出し、その場を離れた。
「オイ、ハコがミアタラナイゾ!!」
「キサマラ、ハコヲドコニカクシタ?」
「え!? 知らない、知らないってぇ!!」
「マアイイ、ツレテイッテゴウモンシテハカセレバイイ。テッタイスルゾ。フタリトモツレテイケ」
「「助けてぇぇ!」」
魔獣を全部倒されたイケメン冒険家と魔獣使いは、黒服の男達にどこかに連れて行かれたようね。
でもこの大きな箱、何が入っているのかしら?
アタシとハコザキは、その場所に誰もいなくなった後に透明化のスキルを解除してこの大きな箱を開けてみた。
すると、箱の中には綺麗な女の子が寝息を立ててグッスリと寝ていた……。