表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/116

65 つよつよミミックの見逃し

 ミノタウロスを失った魔獣使いには打てる手がなさそうだった。


「ひえええぇー! 強すぎるー!」


 フン、オレ様が強いのでは無い、お前の呼ぶモンスターが弱すぎるんだ。


 オレ様は久々のA級モンスター、ミノタウロスを食べ尽くした。

 これで当分は腹一杯だ。


「オイ、キサマ。オレ様と会話できるか!?」

「は、はい。な、何でしょうか?」


 おやおや、さっきまでの偉そうな態度とはまるで違うな。


「お前にいい事を教えてやろう。お前がアニキとか呼んでいたあのイケメンボウケンカってヤツ、お前の事をバカにしていたぞ」

「そ、そんな、アニキはおれの事をきちんと評価してくれていたんじゃ……」

「アイツの本音を教えてやろうか。アイツはお前に食い残しの不味いモノを渡していたんだよ。


 オレの言葉を聞いた魔獣使いが何か狼狽えているな。

 どうやら事実を叩きつけてやったのが堪えたようだ。


「そんな、それじゃあおれに毎回女をやるとか言ってたのは……」

「所詮食い残しを後始末させるためだったんだろうな」


 オレ様の言う事はどうやら当てはまっていたらしく、魔獣使いのヤツは敵意をオレ様では無くイケメンボウケンカの方に向けたようだ。


「悔しいか? そう思うなら見逃してやる。お前がアイツを倒せるならだが……」

「ボックス様、それでは話が違……」

「黙れ、食われたいのか?」


 多分今のハコザキにオレ様の考えを言っても伝わらないだろう。


 あの逃げたイケメンボウケンカとやらはキジンカイとやらのイスズとかいう奴を連れてくるだろう。

 そうすればわざわざハコザキが誘き寄せなくてもエサが向こうから来るというわけだ。


 まあ透明化のスキルの使えるアルカに様子を調べさせての話だがな。


「さあ行け、それで恨みをはらせばいい」


 だがそれはコイツには無理な事だろう、なぜならオレ様はハコザキに聞いたが、コイツら人間のスキルはこの異世界に繋がっているダンジョン限定だ。

 もしこのダンジョンの外に出れば魔獣使いなんてなんの役にも立たない。


 だからアイツがもし恨みをはらすとするならこのダンジョンに戻ってきて魔獣を使うしか無い。


 ——つまりは、アイツはイケメンボウケンカをここに連れて戻って来れないと力を使えないわけだ。——


 わざと逃したイケメンボウケンカがイスズだのキシンカイだのを連れてくる。

 そしてこの魔獣使いはソイツに復讐するためにここにイケメンボウケンカを呼び寄せるだろう。


 これで二重に策を立てる事で確実にイケメンボウケンカとキシンカイをまとめて食う事ができるわけだ。


 とりあえずこのメスどもは解放してやろう。

 本音一匹くらいはつまみ食いしたいところだが、それをやると二度とハコザキがピザを用意してくれなくなるかもしれん。


 いくらオレ様でも、たかだかメス一匹とピザを天秤にかけるなら間違いなくピザを取る。


「さあ、さっさと消えろ、残っているとオレ様の口に入るぞ!」


 オレ様がメスどもを脅すとコイツらは全員走って入り口目指して逃げ出した。


「ボックス様、ひょっとしてイケメン冒険者村田と魔獣使いを逃した理由って……」

「アルカ、ハコザキ。お前ら、透明スキルを使ってアイツらを追いかけろ。オレ様はここで適当なヤツを倒しながら待っているからな!」

「ボックス様、ボクがいないからって勝手に人間を食べないでくださいよ」

「わかってる、何をしている、さっさと行ってこい!」

「わかりましたっ!」


 ハコザキとアルカは逃げたイケメン冒険者と魔獣使いを追いかけてダンジョンの外に出た。

 どうやら人間はこのダンジョンの中でしか能力が使えないが、アルカやオレ様はダンジョンの外でもスキルが使える。


 だからアルカの透明化スキルがあれば問題ないだろう。

 さあ、さっさとキシンカイとやらを連れてこい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星★★★★★よろしくお願いします! していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません! ぜひよろしくお願いします!

ゆーたん(たけのこ派)

別作品です、こちらもどうぞよろしくお願いします。
双子が姉妹の令嬢として再度生まれて人生を入れ替えてやり直す話です

運命のゆりかご・生き別れの双子令嬢は猫に導かれ互いの人生をやり直す



魔族の男がポンコツ女達に振り回されるギャグです

魔王軍最強触手幹部 左遷先の不毛の地で困窮する食糧事情を解決、なし崩しに出来たハーレムで本土に逆襲大作戦!!

元ゲームクリエイターが転生して救世主になるファンタジーです

『転生クリエイターのマップチェンジャー』圧倒的な魔力でチート能力を使い一瞬で天変地異を巻き起こす元ゲームクリエイターの転生者はハズレスキルの地面作成(マップチェンジ)を使いこなし救世主となる!

改心したワガママ令嬢が人生をやり直す話です。

ワガママ令嬢は挫けない 〜傾国の悪妃として処刑されましたが、今度こそ誰もに愛されるよう努力します〜

ロボアニメの悪役に転生してしまう話です。

子供の頃見ていた合体巨大ロボアニメの超絶不人気外道悪役に転生してしまったエンジニアの俺が生き延びる為に!? 残り四十三話で死亡フラグを叩き折れ! とにかく非人道計画は絶対回避で全力アピールすべし!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ