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62 つよつよミミックの思惑

 ヒポグリフ程度でオレ様に勝てると思ってるのか!

 百年早いわ!


 まあ、このヒポグリフ、鳥と馬の味が合わさっていて味は悪く無い。


「な、何だ!? 何故おれの魔獣が……」

「田部井! どうなってんだよ、魔獣に何かあったのか!?」


 どうやらアレはハコザキのいうスマホとかいう魔道具のようだな。

 アレがあれば雷の微弱な魔法を使って離れた相手と会話が出来るらしい。


「それが、ミミックに食われた!」

「はぁ? 馬鹿も休み休み言え、箱も開けていないのにミミックが出るわけないだろうが! それにそんな浅い階層にミミックが出るわけがない」

「それがよ、アニキ。本当にミミックがいるんだよ、台車に乗せられて仮面をつけた奴が押してるんだ……」


 どうやら魔獣使いは自慢のヒポグリフが瞬殺されて狼狽えているようだな。

 あんな態度で威張るのも馬鹿みたいだが。


 ヒポグリフは所詮B級に近いC級モンスター。

 空を飛べるだけが利点の魔法攻撃もできない雑魚だ。

 オレ様は久々にキマイラを食えると思って期待していたのに、全く期待外れだ!


「仮面をつけた奴だと!? それってまさか……最近噂のジャスティスか! マズい! ズラかるぞっ」

「ア、アニキ。監禁してる女はどうするんだよっ」

「そんなの放っておけ! 鍵閉めておけば勝手にくたばるだろ、さっさと金目の持って逃げろ! オレもさっさと逃げるからよ」


 コイツら、逃げるつもりか。

 まあ魔獣の使えない魔獣使いなんて雑魚そのものだからな。

 それよりイケメンボウケンカとやらはどこにいるのやら。


 オレ様達がドアの前につくと、あの魔獣使いは何かのモンスターの背中に乗って逃げ出したようだ。

 まああんな雑魚食っても不味そうだし見逃してやる。

 それにオレ様はヒポグリフを食った事で今はそこそこ腹がいっぱいだ。


 オレ様は食わない相手まで殺すほど暇でないしそんな性格でも無い。

 さあさっさと何処へなりと消えろ。今はな……。


「ボックス様、アイツを見逃すんですか?」

「フン、腹一杯だというのにわざわざ食わない相手まで殺す意味は無いからな!」


 仮面越しににもハコザキがオレ様に不満を持っているのは伝わってくる。

 だがそんな事どうでもいい、どうせオレ様の考えなんてわかるワケがないからな。

 オレ様は下僕のアルカを他のヤツに取られたのが気に入らなかっただけだ。


 アルカが戻ってくるなら今のところは特に問題はない。


 どうやらここがアルカの捕まっている部屋のようだな、オレ様は舌を使って鋼鉄のドアを思いっきり叩きつけた。


 べキャッ!


 鈍い音を立ててドアの留め金が外れた。

 歪んだドアは斜めに傾き、後はオレ様の舌による打撃で簡単に外れて地面に落ちた。


「みんな、無事か?」

「ハコザキ! 来るのが遅いわよぉ!」

「ゴメンよ、アルカちゃん。でも……お願いだから外でボクの名前は言わないでくれるかな」


 アイツらの会話はオレ様だから聞き取れたのだろう。

 今は我先にと扉の外に飛び出そうとするメスどもの声で辺りは凄まじい大音響になっている。


 だかこのメスども、このままここから帰れるヤツがいるとは思えんな。

 一度コイツら全員眠らせてやるか。


「スリープクラウド」


 オレ様の魔法の一つだ。

 眠気を誘う雲で相手を眠らせて捕食するために結構便利な魔法だと言える。

 だが今はコイツらを食おうという気にはならないのでとりあえず眠らせた。


 今起きているのはオレ様とハコザキとアルカだけだ。

 どうやらレベルが10になったので初歩魔法は効かなかったのかもしれんな。


「オイ、アルカ。コイツらを全員透明化する事は出来るか?」

「え……とぉ、多分、アタシに触れた形で魔力を送れたなら可能かなぁ」

「そうか、それではコイツらにそれを使え」

「ボックス様? 何を考えてるんですか?」


 フン、あの魔獣使いとイケメンボウケンカとやら、今は見逃してやっただけだ。

 このメスどもを使ってアイツを誘き寄せてやる。


 オレ様のモノに手を出した事はしっかりと後悔させてやるからな!

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