61 つよつよミミックの余裕(アルカ視点)
アタシはゴロゴロしながらスターゲイザーのゲームを攻略してた。
確かにこれ糞ゲーって言われるくらい難しいけどこれをクリアできなきゃゲーマーとは言えないわよねぇ!
とりあえず、ますたーIDかーどは手に入れたけど、これでせんとらるたーみなるって場所に行けば良いのよねぇ。
ハコザキに教えてもらったゲーム攻略掲示板で、#ミミッカとつけるとみんながどんどん情報をくれるようになった。
中にはエンディングドーガを貼るのもいたけどみんなに空気読めとボロクソに叩かれていたのはちょっと可哀想だったかも。
って、アタシ最近人間に甘くなってるかも!
まあ、ハコザキはイヤなとこはあるけど悪いヤツじゃないし、アタシが美味しいもの食べたいとかゲーム欲しいといえば買ってくれるから、嫌いじゃないかなぁ。
でもいきなり頼み事をされるのはちょっと抵抗があるなぁ。
確かにアタシのスキルってとっても便利だと思う。
この透明化を使えばこの人間の世界でも好きに出来るから。だからハコザキのいうデジカメを使った撮影ってのもやろうと思えば出来る。
下手すりゃアタシの方がハコザキよりもこういうの使えるようになったら使いこなせるんじゃないかなぁ。
この世界の魔法具は雷の魔法を蓄える事でつかえるんだとアタシはハコザキに教えてもらった。
アイツ、面倒見はいいのよねぇ。
だからどうしてもアイツのこと嫌いになれない……。
って! ニンゲンはお父さんをいじめたヤツで、アタシの村を燃やした敵なのよ、何で馴れ馴れしくしなきゃいけないのぉ!!
ダメよダメ! アイツらに気を許したら、いつかアタシも酷い目にあってしまうからぁ……。
でもアタシのことを可愛がってくれるのもニンゲンなのよね。
ミミッカとしてのアタシはニンゲン達にものすごく優しくしてもらえてる。
わからないことがあったらすぐに教えてくれるし、アタシのことをみんな可愛い声だとか言ってくれてる。
しかしそれってアタシ、アルカではなくミミッカとしてニンゲンの仲間だと思われてるから可愛がってもらえてるのかなぁ。
もしアタシがこの世界の生き物ではない、妖精……レプラコーンだと知っても仲良くしてくれるニンゲンなんてどれくらいいるのだろう……。
なんかそんなモヤモヤしている中で、ハコザキがアタシにお願いをしてきた。
どうやら、アイツ勝手にアタシの名前と見た目を使ってアカウントってのを作ったらしい。
それで出かけるそうなのよね。
アタシはついつい新しいゲームとやらに釣られてハコザキのいう通りにファミレスってとこについて行ったのぉ。
それでアタシはハコザキと椅子に座って何か食べる事にしたけど.この店って、可愛い料理が多いのぉ。
アタシがデラックスパフェを食べているとハコザキが今回の目的をアタシに伝えてきた。
どうやらアタシにデジカメであのイケメンボウケンカとかいうヤツのことをデジカメに撮ってくれって話みたい。
アタシがつい驚いて大声を出すと、そいつがアタシの席のとこに来てハコザキを押し除けて強引にアタシを自分達の席のとこに連れていっちゃった!
——どうしよう、逃げ出したくても逃げ出せない……。
ここで透明化の魔法を使ったらアタシがニンゲンでないってバレちゃうし……どうすればいいのよぉ!?
そしてハコザキと離れ離れにされちゃったアタシは他の女の子達とダンジョンに連れて行かれた。
そこでイケメンボウケンカが態度を変えた!
いきなりアタシ達を部屋に閉じ込めちゃったの!!
それに入り口にはとても強そうな魔獣がいて逃げれそうにない……。
アタシ達どうなるの? お願い、助けてぇ……。
アイツ、こうやって女の子を騙してここに監禁してたのね。
だからハコザキがアタシにデジカメを渡してそれを取るように頼んだわけか。
それなら、アタシのこのスキルで!
アタシはインビジブルアイテムのスキルでデジカメを透明化した。
このスキルは持ち物を透明化することが出来る。
これでアイツらの悪事を撮ってやるわぁ!!