60 つよつよミミックの疑問2
オレ様があのケバいメスを食べる様子をハコザキがあの魔道具のデジカメとかいうので見ていた。
ようやくオレ様にも分かってきた事だが、どうやらあのデジカメとかいう魔道具越しにオレ様を見ると、オレ様の姿が映るらしいな。
なるほど、それでオレ様の捕食をドーガとやらにしてジョセイキンで、ジュウマンエンを手に入れてたワケか。
そしてそのジュウマンエンを使うとピザが手に入る。
オレ様にもようやくこの世界の仕組みが見えてきた。
こうなるとますますハコザキを食うわけにはいかんな。
アイツにはもっとジュウマンエンでピザをオレ様に食わせてもらわんと。
どうやら今回のイライとやらは成功したようだな。
これで当分はピザが食えるみたいだ。
だが、どうもハコザキのやつがまた何か考えているみたいだな。
また、あのパソゴンとかいう魔道具の前で何か考えているようだ。
アルカのやつはゲームキとやらで遊んでいる。
ちょっと前まで走るだの運動するだの言っていたが、食べるものを少し控えたら痩せたからもういいやっ……って、すぐにやめたようだ。
痩せるとか太るとか言われてもオレ様にはまるで意味がわからん。
それにハコザキとかアルカは定期的にトイレってとこに入っているが、そこには一体何があるんだ?
わからん、オレ様にもまるでわからん。
まあとにかく今はまたホテルってとこに戻ってきてハコザキはドーガとやらを作っているようだ。
それで何やらまたハコザキが新しいエサの候補を見つけたようだな。
――ジャスティス様、初めまして。私は女子高生を持つ母親です。お願いです、イケメン冒険家こと、村田を退治してください。アイツは私の娘を騙し、ダンジョンに連れて行ったっきり娘を返してくれないのです。私がこのことに気が付いたのは、帰ってこない娘の部屋のパソコンを調べたから分かった事です。村田は私の娘にオフ会を利用して会い、そのままダンジョン探索に連れて行ったまま返してくれません。娘が今どのような目に遭っているか想像するだけで身の毛がよだつ思いです。下手すればもう娘は生きていないかもしれません。あの子がいないと私は生きていけません……ぜひ娘を助けてください。もし、死んでいた場合は、別料金をお支払しますので、村田を殺して下さい、何卒宜しくお願い致します。――
どうやらこの手紙に書かれているやつが次のエサというわけだな。
「ハコザキ、次のエサはそいつか?」
「はい、イケメン冒険者こと村田吾郎、コイツは女の子をダンジョンに連れ込んでは拉致監禁している監禁王子とか言われているやつみたいです。そしてコイツの仲間か手下かは分かりませんが、魔獣使いがいるみたいで、そいつが監禁しているダンジョンの部屋の前にのさばっていて誰も手出しが出来ないそうなんです」
ほう、魔獣か、そこそこなレベルのヤツならオレ様のレベルの足しになるかもな。
「面白そうだな! 魔獣ということはキメラぐらいは使いこなしてるのだろうからな、久々に食い甲斐のある相手だな」
「はい、人気の配信者みたいですからレベルもそこそこでしょうし、動画の視聴者数を相手から奪う事もできそうです。アイツの悪事をバラすのもかなり効果ありそうですし」
ハコザキも楽しめそうな感じだし、これは面白くなってきた。
「ねえ.アルカちゃん、お願いがあるんだけど良いかな?」
「何よハコザキ、アタシに何をしろってのぉ?」
「アルカの透明化スキルでボクを一緒に連れて行ってほしいところがあるんだ。お願いできるかな?」
「えー、イヤよ、なんでアタシがアンタと」
「来てくれたら新しいゲーム買ってあげるんだけどなー」
ハコザキはアルカの扱い方を分かってるようだな。
「わかったわよぉ! やれば良いんでしょ、やればぁ」
ハコザキとアルカはオレ様を部屋に置いたまま外に出かけて行った。
さて、ピザでも食うか。