58 つよつよミミックの咀嚼
エサの取り巻きの連中は全部程よくこんがり焼けた。
なんかブランドの服がナンタラだのほざいてたようだが焼けてしまえばなんて事は無い。
食えばどれもエサには変わりない。
まあ、不味くは無いが美味くも感じない。
モンスターよりマシってとこか。
オレ様は完全に焼けたエサ共を咀嚼して飲み込んだ。
そこにやって来たのはあのケバいメスだった。
ハコザキが言うにはコイツは苦しめるだけ苦しめてから食べてくれとの事だ。
ハコザキのヤツ、コイツに相当恨みがあるようだな。
「さてと、いったん音声をオフにしておこう。ここは聞かれたく無いからな」
オレ様はハコザキに頼まれたようにこのケバイメスの片足を舌で叩いて歩けなくしてやった。
「ギャア、痛い。痛いわ! 何なのよ、どうなってるのよ!?」
オレ様の舌の一撃は普通の人間なら簡単に骨が折れるレベルになっている。
このメスの足はもう中で骨が砕けてまともに歩く事も出来ない。
「どうですか、それが貴女にいじめ、いびられた人達の恨みですよ」
「その声、ハコザキ! アンタ何で生きてるのよ? それより、わたしの可愛い生徒達はどこよ、あのイケメンの勝ち組はどこにいるのよ」
「鳩元先生、全員その中ですよ」
ハコザキはオレ様を指差した。
それを見たメスが驚いている。
「どういう事よ……そこにあるのはただの箱じゃ無いの!?」
「全員仲良く丸焼きでその中に食べられましたよ。あなた、葬式ごっこまで隠蔽していたんだね、あれニュースで見たけど……アンタの学校だったんだ」
「何よ、アンタ……まさか、わたしを嵌めるためにここによんだの!?」
ハコザキが面白い顔で笑っている。
「おやおや、ようやく気が付きましたか。山下君もボクが退治したんですよ。アンタの今のお気に入りのえこひいきしてたヤツ」
「何、アンタ人間のくせにモンスターと組んで復讐代行でもやってたって言うの!? この人間のクズ!」
「クズはどっちだ! 鳩元、いや……今は下村か。まああなたの可愛いえこひいきしてたやつは全員その中ですから、あなたの来るのを待ってますよ」
おい、そろそろ食っていいのか?
「イ、イヤ。わたしは教育委員会からそのまま議員になってわたしの手下の勝ち組に囲まれて幸せに暮らすはずなのに……」
「残念だけどもうおしまいだよ。それじゃああなたの最後をしっかり配信させてもらいますよ」
そう言うとハコザキは再び変な仮面を被り、デジカメでオレ様とエサを覗き始めた。
「皆さん、ちょっと音声の不都合で途切れてしまいましたが、ここからは大丈夫です。この女は下村聡子、旧姓は鳩元聡子。生徒をえこひいきし、勝ち組だけを自分の手下にしていじめを楽しんで隠蔽していたクズです」
ハコザキがコイツの事をボロクソ言っているがれよほど恨みがあったんだな。
まあいい、オレ様はコイツを苦しめてから食ってくれたいわれてるので、次は顔面を舌で何度も殴りつけた。
「いだい……い……だい、どうじで……ごんなこと……できるのよぉ……」
「その言葉、そっくりお前に返してやるよ。この冷血女」
「ごめん……なざい……ゆる……じで……」
あれだけ偉そうだったあのケバいメスが泣きじゃくって命乞いをしている。
まあ、エサに同情する気はかけらも無いがな!
オレ様は舌を絡めて腕を引きちぎった。
あまり美味くない指輪とやらは吐き出したけどな。
指輪が地面に転がる。
多分アルカが後で喜んで拾うだろう。
まあ好きにすればいい。
「ア……ナンデ、こんナ、ひどいごど……」
「いじめの被害者になった人達もみんなそう思ってただろうよ。自分の時だけ被害者面かよ」
「ごべんなざい……ごべん……」
「もう謝っても意味ないけどね。足ももう使えないし顔も二度と元に戻らないから、もうアンタはオシマイだよ。
ケバいメスは転がるだけでもう動けなかった。
そしてオレ様はソイツを舌で絡め取り、バリバリと噛み砕いて咀嚼した。