57 つよつよミミックの火遊び
オレ様のいる部屋に入り込んできたエサどもはかなり生きのいいヤツらみたいだな。
そこそこレベルが高いやつもいるみたいで、さぞ喰い甲斐がありそうだ。
「待て、ザコはどこだ!」
「先生に逆らうクズを殺してしまえ。アイツが生きてたらオレたちの邪魔になる」
「負け組の分際で人生勝ち組様の手を煩わすなよ。ぶっ殺してやる!」
「アイツ、おれが虐め抜いて自殺させたやつに顔が似てたな。ムカつくから死ぬまで虐めて遊んでやる」
さあ来い、俺様の部屋に来た時がお前らの最後だ。
ハコザキはオレ様が治療魔法を使ってやり、今はアルカが透明化スキルで姿を隠しているので視覚に頼り切った人間に見つけられるわけがない。
エサとその取り巻きがハコザキを探してオレ様のいる部屋に入ってきた。
「お、宝箱だぜ。何か入ってるかもよ」
「開けてみようぜ。あの雑魚が入ってたらコレを棺桶にしてやるんだ」
「そういえばおれ、葬式ごっこで箱に苛めてたやつを閉じ込めて火をつけたら本当に死んでしまったからな。先生が教頭だったからそいつが自分で遊んでてやらかした事にしてくれたけどな。所詮知的障害のお荷物だったからおれはそれを片付けて世間に貢献したんだよ」
ほう。オレ様の箱に火をつけようってのか。
面白い、イミテーションで遊んでからキサマらを食ってやろう。
キサマらのいう勝者の遊びを見せてやるよ。
このバカども、オレ様の箱に火をつけやがった。
オレ様はその火を一瞬で消し、代わりにイミテーションのスキルで燃えているように見せる炎をオレ様自身に放った。
実際には何も燃えていない、だが見た目は炎に包まれた状態だ。
『ハコザキ、アルカ。コレは幻の火だからこっちに来るなよ』
『でも、本当に大丈夫ですか?』
『問題ない。まあ見ていろ』
オレ様は幻の火を使い、箱を燃やしているように見せかけた。
「コレだけ燃やせばもう問題ないだろ、先生も喜んでくれるだろうな」
「負け組のバーベキュー一丁上がりだな」
「やはり弱いものいじめは勝ち組の娯楽だよな。コレで明日からの仕事をまた頑張れるぜ。まあ仕事場にも使えない奴いるからまたいじめてやるけどな」
さて。ぬか喜びはここまでだ。
それじゃあ本当の恐怖を見せてやろう。
オレ様はこのイミテーションの炎の中で本物の火炎魔法をエサの一人に放ってやった。
「ギャァ、熱い! あついいいぃぃぃ!!」
「どうなってんだよ、箱はまだ燃え尽きないのに、こっちに火が回ってきた!?」
「こっちに来んな! お前一人だけ死んどけや!」
どうやらエサ共は仲間割れを始めたようだ。
安心しろ、全員同じように燃やしてやるから。
オレ様はこの連中に火を放ち、火だるまになったエサが苦しんでいた。
そこに、姿を見せたのは変な仮面を被ったハコザキの姿だった。
「ジャスティスのお仕置き配信へようこそ。見てください、いじめで何人も殺したり自殺に追い詰めた自称勝ち組の一流企業や官僚の勝ち組気取りの連中が全員火だるまになっています。間抜けなことにコイツらは自分達で放った火が燃え移ってこうなっています」
「何イッテンダ、バヤク、ダズゲ……ロ……」
「わるがった、だからら。火を消して……ぐだざ……い」
ハコザキはこのエサ共が燃えるのをあのデジカメとかいう魔道具で覗いているようだ。
どうやら最近わかってきたがあのデジカメという魔道具で覗くとドーガとやらがとれるみたいだな。
火だるまのエサ共がついに立ってられずに全員倒れた。
さあ、それでは食わせてもらおうか。
オレ様は動かなくなったエサに舌を伸ばし、全部一気に平らげた。
うむ、火が通った餌も悪くは無いな。
オレ様の魔力もレベルアップと共に戻ってきたので今は火炎耐性があるからアレくらい火がついたままでもそのまま食える。
オレ様はエサの取り巻きを全部前菜代わりに平らげた。
残ったのはメス一匹か。