55 つよつよミミックの洗浄
ホテルに戻ったオレ様達はピザを食いながらダンジョンでの疲れを癒していた。
どうやらこの部屋には大きな風呂とやらがあるらしく、アルカがオレ様を風呂で洗うそうだ。
「ハコザキ、見たら殺すわよぉ!」
「だから見ないってば、こっちは今調べものでそれどころじゃないんだよ」
「ひどーいぃ! アタシってそんなに魅力無いのぉ??」
アルカは一体何を言いたいのだ?
見るなと言っておきながら、相手にされないと怒り出す。
コレが妖精族の性格なのかアルカの性格なのかはわからんが、理解出来ん。
だがオレ様をブラシで洗うアルカは鼻歌交じりにオレ様を洗っている。
アルカはこの風呂とかシャワーってのが好きみたいだだからな。
ダンジョンにいる間は風呂もシャワーも出来ないので戻ってきた途端風呂に入ると言い出した。
そのついでにオレ様を洗おうというのだ。
まあオレ様は外見なぞ気にせんのだが、アルカがやりたいならやらせてやるか。
別にやられて困る者でも何でもないが……。
しかし何度見てもアルカは子供にしか見えないな。
あのブイアバターと言われているオレ様の作ったイミテーションの魔法で作ったミミッカはアルカよりは少し年齢を上に見せている。
まあ中身が彼女なので外見よりも幼く見えるのが受けている理由かもしれんな。
ハコザキが言うにはどうもパソゴンとやらでドーガを見ている奴らはそういうのが好きな奴らが多いらしい。
アルカにブラシで洗われたオレ様は自然に乾くまで少しエアコンとやらの前に置かれて乾燥された。
オレ様が乾燥を終える頃、ハコザキが何か調べた物について俺様とアルカに伝えてきた。
「ボックス様、ボクは少し出かけてきます、下村とコンタクトが取れました。どうやらあの下村……ボクの小学校の時の担任だったようです、苗字代ってたから気が付かなかったけど、アイツか……!」
どうやらハコザキは次のエサと接触するらしいな。
だがそいつはどうやらハコザキの知っている相手のようだ。
ハコザキの言い方からすると、どうも良い感情を持つ相手ではないようだな。
まあいい、それなら安心して食える。
最近どうもオレ様も丸くなってきたのか、ハコザキやアルカの身内だという奴がいたら食おうという気にはなれないかもしれないのだ……
だが、あのハコザキの態度を見る限りではその心配はなさそうだ。
さて、それじゃあ次のエサに備えるとするか。
「ハコザキ、オレ様とアルカはどうすれば良いのだ?」
「そうですね、それでは先にダンジョンの中でまた待っていてもらえますか? 今日の夜の分のピザは頼んでおきますので」
ふう、やはりピザと聞くと落ち着く。
最近ダンジョンで色々なモンスターを食ったがレベルアップのために倒す必要はあるが、アイツら程度のスキルはオレ様の持っているスキルの下位スキルでしかない。
だから本当は食わなくても良いのだが、まあ倒した相手を食わないのはオレ様の流儀に反する。
せめて命を奪ったからには食ってやるのが礼儀というところだ。
だが……アンデッドだけは不味すぎて食う気になれないので魔法で焼いてしまうがな。
オレ様とアルカはハコザキの頼んだピザを食べ、その後フードを被り人間の子供の姿に変装したアルカに台車で運ばれながら東京ダンジョンの中に入った。
ダンジョンの中ではゴブリンやコボルト、ウルフといったモンスターが襲ってきたが、レベル10になったアルカにオレ様が具現化したマジックソードを装備させるとハッキリ言って相手にならなかった。
ハコザキのヤツ、一体何をやっているんだろうか。
「アナタって何時までもグズなのね。良い儲け話があるって聞かなきゃアンタみたいな負け犬とは一生会う気も無かったわよ。小学校の時からアナタってグズで劣等生だったわよね。悔しかったら何か言って見なさいよ」
「はい……すみません、先生」
どうやらハコザキがエサを連れてきたようだな。、