5 つよつよミミックのチーム結成(ハコザキ視点)
ボクってなんでこんなに何も出来ないのだろうか……。
挙句にようやく人生逆転できると思って入ったダンジョン。
このダンジョン、ボク達の世界の人間が入るとモンスターを倒してもらいたい異界の神様が何かのギフト、スキルをくれるのだ。
ただし能力はダンジョン限定、現実世界に戻るとその力は使えない。
それでもダンジョン配信でバズった人は多く、異世界限定の能力はこのダンジョンの中でスーパーヒーローになれるような力だ。
ボクもダンジョンの中に入ってみた。
ダンジョンに初めて入った人間には神様がスキルを与えてくれる。
だが、ボクのスキルは……呪いとも言えるような最低最悪のスキルだった。
それは……ステータスオール1!!
――ステータスオール1――
HP以外の全部のステータスが1から成長しなくなる能力……いや、能力というよりも呪いだ。
こんな最低最悪のスキル……ボクには何も出来ないと烙印を押されたようなものだった。
だが運の悪かったボクは更に苦しめられる事になった。
ダンジョン攻略で成功する夢を打ち砕かれたボクは仕方なく無料のフリー求人ペーパーで仕事の面接に行った。
するとそこに居たのはボクを学生の時に徹底的にいじめた大高のヤツだった……。
それからのボクの生活は地獄だった。
アイツはボクにパソコンで出会い系サイトのサクラをやらせたり、出し子の仕事などを押し付けてきた。
そしてダンジョンに行くと言ったアイツはボクを動画係にして大学時代の友人とやらと女型モンスターを襲って殺す動画を撮るようになった。
大高とその取り巻きのスキルが何だったのかは結局わからない。
でもアイツらは女の子型のモンスターを見つけては数人がかりで襲った挙句、殺す動画を配信していた。
まあ何かしらのスキルを異世界の神に貰ったのだろう。
ボクはオール1の呪いだっていうのに、世の中は不公平だ。。
ボクは仕方なく、大高のいうがままに仕事をさせられた。
動画はボクにローンで組ませて買わせたデジカメとパソコンで作業させられている。
それにアイツらはいつも遊んでばかりでモンスターを倒した助成金申請は全部ボクがやらされることになっている。
だからボクはいくらどの口座に入るかも分かっている、金額はかなりのもので百万単位だ。
まあ実際大高が降りている三階から五階くらいは亜人型モンスターが出てくるエリアだ。
そこでアイツらは女性型モンスターを探しては襲って殺している。
ダンジョンの中では日本の法律も適応されないし、女性型モンスターはあくまでも害獣扱いなので動物愛護法も人権保護法も適応されない。
あいつ等に捕まった女性型モンスターの末路は悲惨だ。
ボクはその襲う場面に参加した事は一度も無い。
アイツにカメラを回し続けるように言われているからだ。
いつまでこんな生活が続くのだろうか……。
ボクは面接に来た際にあの大高のヤツに履歴書を渡してしまっているので、緊急連絡先としての実家も把握されている。
もしボクが仕事を辞めたり、何かをリークしようとすれば……アイツはボクの家に何か酷い事をやりかねない。
だから仕事も辞められなければ、家に帰る事も出来ない。
このアリ地獄のような生活がいつまでも続くのだ……。
日々に何の希望も持てず、大高の言うままに動画を撮らされ、助成金申請をやらされ、日々荷物持ちでこき使われた挙句家にも帰れない……。
こんな生活が数か月続き、ボクももう疲労とストレスで我慢の限界だった。
そんなボクに運命の転換が訪れたっ!!
いつものように大高の女性型モンスター暴行動画を撮らされる為に入った東京ダンジョン。
そこで大高達は妖精の子供くらいの大きさの女性型モンスターを見つけ、追いかけた。
そこで……ボクは自分の人生を変える最大の出会いを体験した!!