52 つよつよミミックのレベルアップ
C級モンスターも所詮俺様の敵ではない。
ウロウロする連中に動物型から亜人型が増えてきた。
本来はアルカもこのレベルのモンスターと言えるだろう。
よわよわで攻撃手段を持たないアルカだが、実は魔力は結構高い。
そしてハコザキと違いアルカはきちんとレベルが上がるはずだ。
ハコザキのステータスオール1、これの正体がオレ様にはなんとなくわかってきた……。
コイツは最弱の呪いを受けている代わりに不死身に近いのかもしれん。
つまりは、0にならない=死なないというわけだ。
実は何度かC級モンスターの攻撃をハコザキが受けてしまった。
だが痛みを感じてもハコザキはいつも死にかけているようなものなので普段と何ら変わらない状態だった。
これで確信した。
ハコザキはレベルアップもしないし能力も上がらない、だが決して死なない。
それがアイツのこの異世界で与えられたスキルなのだろう。
これは使い方によっては最強だとも言える。
だがステータス1で何も出来ないハコザキには所詮使いこなせない。
だから脅威になる事も無いだろう。
もし仮にオレ様に逆らってもアイツは死なないだけで痛みは感じるし、苦しみも感じる。
下手に逆らえば死なない間いつまでもそれが続くだけだ。
「オイ、お前ら。大丈夫か?」
「ハイ、問題ないです」
「こっちも大丈夫よぉ」
そろそろアルカにも何かやらせてレベルアップしてもらわないと、ここより地下に降りた時に死にかねない。
まあハコザキは死なないと分かったので放っておいても問題は無いがな。
「アルカ、お前は他のモンスターと戦った事はあるか?」
「いいえ、そんな事ないわよぉ。でも何それぇ? ダジャレェ?」
いや、そんなつもりはなかったんだが……。
「いや、ただの偶然だ。気にするな」
「そうなのねェ。まあアタシみたいな可愛いだけの妖精が他のモンスターと戦うなんて野蛮な事するわけないじゃないぃ」
「ボクもモンスターを倒した事ないです」
いや、お前には最初から聞いていない。
当てにする気もないがな。
「だがそれではこの下の階層で、いつか死ぬぞ。オレ様が守りながら戦うとしてもそれから漏れて一度でも攻撃を喰らうと即死だ」
「何よそれぇ。怖いぃ!」
」だからこの辺のモンスター倒してレベルアップしろってんだよ。ハコザキ、お前もだ」
とりあえずハコザキのヤツ、HPまでも1というわけではなさそうなのでレベルアップでHP程度は上げてもらわないとこちらも困る。
まあこの程度の雑魚、オレ様が瀕死のHP一桁にするのは簡単な事だ。
牙を使わず舌で殴れば手加減になるだろう。
オレ様はリザードマンやゾンビ、ポイズンフロッグにスラッグモンスターといった連中を次々と舌で殴り飛ばして瀕死にしてやった。
そこまで瀕死にしていればナイフで刺した程度でも倒せるだろう。
ハコザキとアルカはオレ様の薙ぎ倒して瀕死にしたモンスターを次々と倒し、ドーガとやらにしたらしい。
「ボックス様、おかげで助成金を自力で申請出来そうです! ありがとうございます!!」
まあ頑張れ。
そのジョセイキンとやらがあればジュウマンエンが手に入ってピザを手に入れれるんだろう。
「わぁ、可愛い宝石見つけたぁ。コレ、アタシの中だからねぇ」
どうやらアルカが倒したモンスターからキラキラ光る石を手に入れたようだ。
しかしあんな物何の役に立つんだ?
食っても硬いだけで味も無いからオレ様はまるで興味ないんだが、アルカはあの石がお気に入りのようだ。
まあ好きにしろ。
オレ様は食っても不味い物には興味無いんだ。
そして、三階四階のモンスターを倒し続けたオレ様達は少しずつレベルが上がった。
オレ様、レベル40
アルカ レベル7
ハコザキ レベル7
アルカは少しはモンスター相手にダメージを与えられるようになったが、相変わらずハコザキはミスこそ無いもののモンスターに与えるダメージもずっと1のままのようだな。




