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51 つよつよミミックのボス戦 2

 一階のボスオークリーダーはオレ様によって瞬殺された。


「ボックス様、やはり強いですね……」

「当たり前だ! オレ様があんな雑魚に負けるワケがない!」


 ボスを倒した事で下の階に降りたオレ様達はさらに二階三階へと降って行った。


 所詮この階層のモンスターも今のオレ様にとっては雑魚でしかない。


 むしろアルカに連れ出してもらった時のラスダンの上の階層に残っていた連中の方がよほど強かったな。

 あそこにいたのはこのダンジョンだと二十階より下のモンスター達だ。


 まあ他人に聞いた話ではあるが、このダンジョン、一階から六階はD級モンスター、七階から十二階はC級モンスター、十三階から二十階がB級モンスター、二十一階から下は到達者無しという事らしい。


 まあどう考えても二十一階から先はA級モンスター、S級モンスターの巣だろうな。


 なお、今のオレ様の力はB級モンスターとA級モンスターの間だと言えるだろう。


 だから人間のザコくらいなら相手にもならないが、もしあのヒーローだのグンタイだなって連中にすればあのテレビに出てきた怪人くらいの強さが今のオレ様だ。


 ——この強さではまだ負ける相手がいる!——


 だからオレ様は二十階より下を目指さなくてはいけない。


 オレ様、足を使った移動は無理だが、拠点転送というワープとやらの能力は以前倒した敵から手に入れる事は出来ている。


 つまりパーティの仲間が一度立ち寄った場所ならそこに行く事のできる魔法だ。

 ここで一度でも二十階より下に行く事が出来れば、ダンジョンの入り口からそこまで一瞬でハコザキやアルカを連れて移動する事が出来るようになる。


 そうなればレベルアップも楽に出来るようになるし、戻るのはオレ様さえいれば何の問題もないわけだ。


 ハコザキとアルカはもうすでにこの三階程度のモンスターにへばっている。

 本当に弱いなコイツら……。


 まあいい、オレ様はお前らには戦力としては何の期待もしていない。

 むしろお前らが逃げられないように一緒にいるのと、オレ様が単品では動けないから運んでもらう必要があるというだけだ。


 三階のボスはマッドオーガーだった。

 まあ普通の奴らにしたら数人がかりで倒すような相手かもしれないが、万全で無いオレ様でもこの程度なら舌だけで倒せる。


 まあ牙を使わず舌だけで倒してやろう。


「グウオオアアアアッッ!!」


 マッドオーガーがオレ様達に襲いかかってきた。


「アルカ、ハコザキと二人で透明化して隠れてろ」

「わかったわよぉ。インビジブルゥ!」


 マッドオーガーは姿を消したアルカとハコザキに驚いている。

 どうやら臭いは嗅げても目で見えない相手は探せないようだ。

 所詮はB級モンスターといったところか。


 マッドオーガーは唯一残ったと思っているオレ様目掛けて巨大なハンマーを振るってきた。

 普通ならこのハンマーを喰らえばバラバラになる攻撃力だが、オレ様はそのハンマーを舌で奪い取り、反対に投げつけてやった。


「グゲエェエエ!」


 マッドオーガーが痛そうにうめいている。

 安心しろ、痛みを感じる事ももう無くなる。


 オレ様は怒り狂って飛びかかってきたオーガーのこめかみめがけて鋭く尖らせた舌を突き刺した!


「ガッ……。アァアア……」


 マッドオーガーの巨体が地面に倒れた。

 そしてこめかみから血を流しながら生き絶えた。


 マッドオーガーが消え、下の階層に向かう扉が開いた。

 どうやらハコザキはその様子を動画にとっていたらしい。


「ねぇ、もう姿見せてもいいかしらぁ?」

「好きにしろ、下に向かうぞ」


 オレ様はアルカに抱えてもらいながら下の階層に降りた。


 ここからは四階、初心者にはキツいモンスターが増えてくる。

 オレ様達はリザードマン、ゾンビ、デビルベビー、マイコニド、ハチドリグサといったC級モンスターを蹴散らしながら先へ進んだ。

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