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4 つよつよミミックの選択

 ザコとか言われていた人間は、オレ様に話しかけてきた。


「流石はミミック様、とても強いですね」


 まあお前は感知するまでもない雑魚でよわよわだけどな、まあザコという名前も間違っていないだろう。


 しかしオレ様のエサになりに来たとしては随分と変な態度だ。

 怯えて食べないでくれと言っていた奴は五万と見たが、こんなヤツは初めてだ。ある意味面白い。


「ミミック様、もっと……食事が欲しいとは思いませんか?」


 何だコイツ、オレ様に食事を提供する代わりに食わないでほしいと言っているのか?

 まあ今は満腹なのでわざわざ不味そうなこんな雑魚をデザートにしても意味がなさそうだ。

 話くらい聞いてやるか……。


「どういう事だ? お前はオレ様にエサを持って来られると言うのか?」

「はい、最高の餌を用意させてもらいたいのです。コレをご覧ください!」


 そう言うとザコと言われていた男はオレ様に銀の薄い箱を開き、その中の物を見せた。

 そこに映っていたのはオレ様が食事をする風景だった。


「いかがですか! これで三万再生行ってるんです。普段は数千少しなのに、それくらいコイツらは人の恨みを買っていたって事ですよ。悪人を喰らうミミック、これは伸びます!!」


 コイツ、一体何を言っているんだ??


「意味が分からんぞ。お前は何を言いたいんだザコ」

「ボクはザコじゃないです、箱崎(はこざき)(みつぐ)といいます」

 エサの名前なんてどうでも良い。

 まあコイツ、エサにするには貧弱で不味そうだから食わないで話を聞いてやろうか。


「それでどうすると言うのだ? ハコザキ」

「はい、ボクはダンジョン配信をやっています。それで、ミミック様の所に餌を連れてきますので、それを食べていただきたいのです!」


 ――まあ、エサを連れて来てくれるなら下僕としてコイツを使った方が良いかもしれないな。

 だが、コイツはそんな事をして何の意味があるんだ?


「うむ、エサを連れてくると言うならお前は食わないでおいてやろう。だが、それでお前は何をしたいんだ??」

「はい、社会のゴミ掃除です!」


 ゴミ掃除? 意味がますます分からん。


「それがお前のやりたいことなのか? それとオレ様のエサを連れて来るのに何の関係がある?」

「はい、ボクはこの腐った社会に蔓延るクソ共を全部ミミック様に食べてもらいたいのです。そうすれば世界はもっと平和になるのです」


 ほう、平和ね……そういえばラスダンにいた頃オレ様が食った奴らもそんな事を言っていた奴が多数いたかもしれんな。


「ちょっと、何よアンタァ。ご主人様の部下はアタシなのよぉ。人間のくせに出しゃばらないでよぉ!」


 アルカが出てきてハコザキにケンカ腰に話を始めた。


「あれ? キミは?」

「アタシはアルカ、ご主人様の忠実な部下よぉ。人間なんて大嫌いよぉ! さっさとご主人様に食われちゃいなさいよぉ。ギリギリギリバツーンとねじ切られて食べられちゃいなさいよ」


 いや、こんな不味そうなヤツわざわざお腹いっぱいの今食いたいとは思わないんだがな……。


「お前ら、少し黙れ。オレ様にも考えさせろ」


 オレ様はこのハコザキとかいう人間の言う事を考えてみた。

 確かにラスダンの時は向うからいくらでも人間がやって来たので食事に困る事は無かった。

 だが一旦魔王が倒されてあのラスダンが廃墟になると、人どころかモンスターすらいなくなり、オレ様は餓死寸前にまでなってしまった。


 そしてようやくレプラコーンのアルカがオレ様をこのダンジョンに連れて来てくれたおかげでオレ様は満足に腹いっぱいになるまで食事できたというわけだ。


 ――つまり、このアルカを食ってしまうとここから動けなくなる。

 そうなるとまたあのラスダンの時のようにココが無人になった場合あの餓死寸前までの苦しみを体験する事になる。


 ――また、ハコザキが言うようにエサを調達してもらえるならわざわざオレ様がここで待ち続けなくてもハコザキがいる限りは新鮮なエサを調達してもらい続ける事が出来るワケだ。


「ハコザキ、お前はオレ様の為に常にエサを用意できるというのだな?」

「はい、ボクがその社会のゴミ達の下僕になり、ここにおびき寄せます。そしてミミック様はそいつ等を食べて頂ければと思います」


 まあ、オレ様の為にエサ用意してもらえるなら……コイツの話を聞いてやる価値はあるな。

 オレ様はこのハコザキを下僕にする事に決めた。

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