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39 つよつよミミックの名前

 あー、よく寝た。

 アレは夢だったのか、それともあの魔族の魔法使いボックスの記憶だったのか……。

 オレ様は自分が何者なのかを思い出していた。


 ――ラーニングミミック――


 確かあのボックスという奴はオレ様の事をそう言っていたな。

 食べた相手の能力を学習できる究極のモンスター。

 確かにそう言われればそうだ。


 オレ様が最初に食べたのは、魔王軍四天王一の魔法使いと呼ばれたボックスだった。

 最初にボックスを食べて手に入れたのが彼の持っていた圧倒的な魔力だった。

 それ故にオレ様は魔王城の中央部に配置された時言われたのが、マジックミミックだったな。


 魔王軍四天王すら上回る最強の魔法を使うミミック、それがオレ様だった。

 その後魔王城の中央の魔王の間の前の部屋に置かれ、魔王に立ち向かう為の武器か魔法が入っていると思った奴がオレ様の蓋を開いた。


 あの時はマジで入れ食い状態だったな。


 待っていれば常に強くて美味いエサが来る。

 そのエサを食えば強くなり、さらに別のハイレベルのエサを食えるようになる。


 オレ様はそうやって最初魔力のみに特化した能力をどんどん増やしていった。

 剣士を食べて剣術を手に入れ。

 銃士や射手を食べて遠距離攻撃を手に入れ。

 ビーストマスターを食べてモンスターを操る能力も身につけた。


 ――そしていつの間にやらついたあだ名が、魔王城の裏ボス――


 オレ様はあまりにも有名になりすぎてしまい、その後ハイレベルの冒険者が誰も怖がって開けようとししなかった。

 仕方なく魔王はオレ様を別の場所に移動させる事になった。

 その際に間違ってオレ様が他のモンスター等を食わないように、まず動かす前に名前を呼ぶようにしたんだったな。


 ――ボックス――


 そう、かつて魔王軍四天王の魔法使いだった男の名前だ。

 オレ様は魔王軍にボックスと呼ばれ、――ボックス様、場所を移動させてよろしいですか?――と尋ねられてから移動する事になった。

 そんな事を繰り返し、まさかここにミミックがと思わない冒険者の人間達は魔王城の中でオレ様に遭遇し、食われるようになったのだ。


 だが、魔王が討たれ、人間達がかつての魔王城を荒らすようになった。

 残った魔族達は人間の略奪を恐れ、魔王の財産を隠し部屋に全部しまい込んだのだ。

 それが魔王城の最奥部の隠し部屋、かつてアルカに出会う前のオレ様が居た場所だ。


 それからは盗掘者がたまに現れるようになったが、どこからか噂されるようになったのだろう。


 ――魔王城の最奥部には決して開いてはいけない箱がある――


 それ以降オレ様は数百年……ほとんど何も食べられないままその場に居続ける事になった。

 魔王城だったダンジョンは多くの者達に荒らされ、オレ様の居た最奥部の宝物庫も根こそぎ奪われ、そこに残ったのはオレ様だけとなったのだ……。


「ミミック様、起きましたか?」

「ン、何だハコザキか。どうした??」

「いや、何か考え事でもしているのかなと思いまして」

「何、昔の事を考えていたんだ……オレ様が何者だったのかをな」


 そしてオレ様はハコザキとアルカに魔王軍四天王のボックスの話をした。

 すると二人共驚きはしたが、オレ様の強さに納得した様子だった。


「つまり、ミミック様はそのボックスという魔王軍四天王の魔法使いによって作られたというわけですね」

「そうだな、オレ様を最初に作ったのがボックスという事になるな」

「それならミミック様はボックス様という事になるのでは?」


 え? そういう事になるのか??


「ご主人様の名前はボックス様、わかりやすくていいと思いますぅ。これからはご主人様の事をボックス様とお呼びしますわぁ」

「そうだね、ボクもボックス様と呼ぶようにします」


 オイオイ、ボックスはあくまでもオレ様が最初に食った魔王軍四天王の魔法使いの名前だぞ……。


 まあ、その後ハコザキとアルカにはオレ様はボックス様と呼ばれるようになってしまった……。

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― 新着の感想 ―
[一言] >つよつよミミックの名前 まあ、欧米とかでは父と子が同じ名前を名乗って、 「ジョン・シニア」とか「ジョン・ジュニア」とか、 はたまた「ジョン・ザ・サード」とか名乗る例も珍しく無いんで、 ミ…
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