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16 つよつよミミックの宅配ピザ

 ハコザキが帰ってきたのはその少し後だった。


「ビックリしましたよ! 助成金ってあんなに入ってたんですね!! おかげで色々と買い物出来ました!」


 ハコザキが嬉しそうに大量の袋を抱えて帰ってきた。

 その中には何やら美味そうな臭いがしている物もある。


「遅いわよぉ。待ちくたびれたじゃないっ」


 ハコザキに強めに怒鳴っているアルカはかなり腹が減っているようだ。

 まあ気持ちはわかる、腹が減るとイライラするもんだ。


「ごめんよ、美味しい物たくさん買ってきたからみんなで食べよう」


 そう言ってハコザキは袋の中身を色々と取り出した。

 中からは今までにオレ様が食ったことのないような物が色々とあった。

 まあその中にはアルカのオレ様に渡したパンとチーズのような物もあった。


 以前食ったアレは量少なかったが美味かったな。

 しかしそれと同じような物がこのハコザキの世界にもあるとはな……。


「ダンジョンのモンスター討伐助成金が百万近く入ってたから、かなり奮発したんですよ! コレだけ食べれるのはみんなが協力してくれたからだから、コレはそのお礼です」


 ハコザキはそう言うと、美味そうな臭いがするパンとチーズを挟んだ物を包み紙から取り出した。

 アルカが目をキラキラと光らせてそれを見ている。


「ねえ、ハコザキ、コレ……アタシの分よねぇ?」

「うん、そうだよ。まだまだあるからどんどん食べてね」

「わーい、久々のパンとチーズだぁ。最近ハコザキの変な四角い小さいヤツばかりだったから、アレ……美味しくなかったんだよぉ」


 アルカはハンバガとかいうのを食べていたが、あんな小さい食べ物、食べたと言えるのか?


 ここ数日、このハコザキの家に着くまで、アルカとハコザキのエサは何か小さな四角い食い物だったらしい。

 まあ何も食えないよりはマシだったかもしれないが、正直美味くなさそうなのはアルカの顔からも伝わってきていた。


 オレ様はそんな物食わないが、不味そうに食べているのを見て微妙な気分ではあった……。


 食べ物を見ながらハコザキは何かを考えているようだが、何を考えているかまではわからない。

 それよりはオレ様にも何か食わせろ。

 そろそろ腹が減ってきた。


「オイ、ハコザキ。オレ様にも何か食わせろ。そこにあるやつでいい」


 オレ様は何かいい匂いのする食べ物が気になったのでハコザキにそれを食べさせろと言った。


「はい、どうぞ。コレはミミック様のために買ってきた物ですから」


 オレ様は舌を伸ばして十人分のピザとか言われる食い物を食った、


 ——美味い!! なんだこの美味さは!?——


 オレ様はハコザキの用意したピザを平らげ、じっくりと咀嚼した。


 この赤い色、上に載った大量のチーズ、そして適度に載った焼いた色々な肉、これはオレ様の腹を満足させる味だ!!


「ハコザキ、コレは美味いな!! もっと無いのか!?」

「え、ええ。他にも牛丼とか焼きそばとかラーメンとかもありますけど……ピザが良いですか?」

「そのギュードンとか、ラメーンというのも食う、その上でさらに先ほどのヤツも用意しろ!」


 こんな美味い物がこの世界にあるとはな。

 だがコレはたまに食べる事にしよう、一度毎日コレを食べてしまうともう他の物が食べられなくなってしまう。

 こういうのはたまに食べる時の楽しみにするから美味く感じる物だ。


 どうせハコザキはこの家に魔法生物のエサを与える為に定期的に戻ってくる事になるだろう。

 それならその時にはこのピザという食物を食えばいい。


 ハコザキが何か魔法道具で遠くにいるヤツに先ほどのピザを持ってくるように言ったようだ。


 そして、それから少ししてオレ様の待ち望んだピザが山盛りで持って来られた。


 まあ少しぐらいはハコザキとアルカにも食わせてやろう。

 コレを用意したご褒美だ。


 だが、アルカとハコザキはピザ三枚目になるともう顔を青くしてリタイヤしていた。

 なんだ、だらしないな。


 オレ様は残ったピザを根こそぎ平らげた。

 なお、ギュードンやラメーンはオレ様のあまり好きな味ではなかったので今後は必要無いと思った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハコザキさんはチートか… てっきり会話系のチートかと思ったのに [気になる点] いや誰から見ても警戒されないっていうのは ある意味チートなのでは? [一言] あとミミックさんは好き ミ…
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