15 つよつよミミックの拠点転送魔法
オレ様達はハコザキの家に向かった。
なんかデンシャとかいわれるモノに乗る事になったが、アルカは人間の子供に、オレ様は台車に載せた荷物として移動した。
あちこちから美味そうな臭いがするが、ハコザキがこんなとこで暴れたら今後エサが食べられなくなると言ったので仕方なく我慢した。
その代わりにハコザキはオレ様には今まで食べた事のないような美味いエサを用意すると言っていた。
まあ何を食わせてくれるかわからないが、とりあえずは期待してみるか。
デンシャで結構な時間をかけてハコザキの家に着いた。
だが、アルカの村に向かった時よりは時間はかからなかった。
コレがこの世界なのか。
ハコザキの家はなんだか白い石で作られた外側に、内側が木で出来ているようだった。
ハッキリ言って、狭い!
まあ、アルカくらいなら寝れるかもしらないがな、彼女は最初オレ様の中で寝ようとしていたくらいだ。、
「アルカちゃん、もう脱いでもいいよ。ここにはボク達以外誰もいないから」
「バカァ! 女の子に服を脱げって、どういうつもりよぉっ! このヘンタイィ! スケベッ!!」
アルカがハコザキの顔面を引っ掻いた。
こんなよわよわな妖精にすら負けるなんて、ハコザキはマジで弱いな。
「誤解だよ、上着だけ脱いだらって話だったんだけど……」
「バ、バカッ、それならそうと言いなさいよっ! アンタの言い方が悪いのよぉ!!」
アルカが顔を真っ赤にしてそのあたりにあった物を投げていた。
しかし、ハコザキのヤツ、あんなによわよわならいつ死んでもおかしくないな。
もし死んだら誰にも渡さずオレ様がエサにしてやろう。
しかし、なぜかアイツあのガタイのいいのに殴られても他のやつに殴られても死にそうで死ななかったな……。
ハコザキは銀色の箱の尻尾を何かの尻尾のついた生き物の鼻の穴に差し込んでいる。
あれであの魔法生物のエサになるのか??
ハコザキは同じ動きを何回も繰り返していたので、多分アレがあの魔法生物のエサで間違い無いようだ。
「これでよし、それじゃあ後1日で充電が終わるから、ミミック様とアルカちゃんはここでゆっくり休んでてください。ボクは銀行に行って申請分の通帳記入をして来ますから」
そう言ってハコザキはオレ様達を置いて出かけてしまった。
まあコレだけの荷物を置いて逃げるわけはなさそうなので、今回は単独行動を許してやろう。
それにコレだけMPが復活してきたなら、以前ラーニングした拠点転送の魔法が使える。
この魔法はパーティーがバラバラになってしまった際にダンジョン内等で、強制的にリーダーの元に仲間を呼び寄せる魔法だ。
今まで仲間のいなかったオレ様には無用の長物の魔法だったが、今ならアルカとハコザキをオレ様の仲間と認識すればいくら別の場所に離れてもオレ様の意思で瞬時に呼び寄せる事ができるのだ。
だから今後はオレ様から逃げようとしてもコイツらはもう逃げ出せなくなる。
この魔法、思ったより便利かもしれないな。
だがネックと言えるのは、コレは移動魔法ではなく召喚魔法の一種なのでオレ様自身が動けるようになる魔法というわけではなさそうだ。
まあ、アイツらが逃げた時に使えばいいだけなので、今後は安心して単独行動させる事も出来る。
この魔法と仲間に魔力で話す魔法を合わせればアイツらがどこかに行っても直接話しかける事が出来るのだ。
しかしハコザキのヤツ、少し帰りが遅いな。
魔法で話しかけてみるか。
『オイ、今どこにいる? 帰りが遅くないか?』
『あ、ミミック様、今スーパーとコンビニとファーストフード店寄ってますから、終わったらすぐ帰ります。しかし凄いですね! 離れてても会話出来るんだ!』
どうやらハコザキはこの世界で何か色々と買い物をしているようだ。
それならもう少し待ってやるとするか……。




