11 つよつよミミックの初配信(ハコザキ視点)
ボクの人生はミミック様のおかげで大きく変わった。
その前のボクは学生の時にいじめられていた大高に会社の面接で合ってしまった事で、実家を知られた上奴隷のような生活をさせられる事になってしまった。
その後は出会い系のサクラに出し子といった捕まる可能性の高い犯罪行為を強制された。
幸い逮捕される事はなかったが、その後は更に別の仕事を押し付けられるようになった。
それは、世界中に突如異世界に繋がるダンジョンが出現したらからだ。
ボク達の住むあたりに出現したダンジョンは東京ダンジョンと言われた。
ダンジョンからのモンスターを外に出さない為に、国はモンスターを退治し、その証拠を映像で提出して申請用紙に申し込むと国から助成金が出るようになった。
その話に真っ先に飛びついたのが大高だったわけだ。
それ以外ボクは強制的にローンでカメラとパソコンを買わされ、配信技術と国へのモンスター退治の申請のやり方を覚えさせられた。
つまり面倒臭い事は全部ボクに押し付けられたわけだ……。
だが大高のヤツは取り巻きと一緒にダンジョンの上の階層にいるわけのないようなA級、またはS級モンスターのミミックに食われてしまった。
——このままではボクもアイツに食われてしまう!——
そう思った時、ボクの中に溜まりに溜まっていた黒い感情が表に出てきた。
悪魔のような考えが思いついたのだ!!
どうせ食われるなら、悪魔に魂を売ってでも生き延びてやる!
そしてボクは目の前にいる最強モンスター、ミミックに話しかけた。
どうやら幸い、コイツにはボクの言葉が通じるようだ。
ボクには何の力も無い、神様がボクのことを嫌いなのか知らないけど、ボクはオール1の呪いのせいで……とてもダンジョン配信者としてやっていく事は出来ない。
それならボクの目の前にいるモンスターの虎の威を借る狐になってやれ、ボクはそう考えた。
このミミック、あまり頭は良くなさそうだ。
隣にいる女の子のモンスターも正直言ってあまり強そうじゃ無い。
でもこの女の子のモンスターがミミックに食べられていないとすれば、ボクも助かる可能性がある。
そう考えたボクはこのミミックにエサを定期的に持ってくる事で生き延びられないかと考えた……。
幸いこのミミック、ボクの事を食べないでくれた。
その代わりボクはコイツにエサを連れてくる事になった。
そういえば大高が以前つるんでた高島ってボクサーくずれのヤツ、ボクが大高の飲み会に強制参加させられた時にボクに大高のとこをやめて動画配信手伝えとか言ってたな……。
その飲み会の後、ボクは大高に散々ボコボコにされ——いいか、やめようとか逃げようと考えるなよ。お前の家は把握してるからな!——
と言われて脅された。
だがもう大高がミミックに食われてアイツの支配下で無くなったなら、高島のとこに行ける。
所詮アイツも犯罪者だ。
だったらアイツが食べられて喜ぶヤツはいても悲しむヤツなんているワケがない。
そしてボクは以前もらった名刺を頼りに高島の事務所に行った。
アイツは最初こそニコニコしていたが、こちらが契約書を書いて社員になると言った途端態度を変えやがった!
つまり身内になった途端にボクの事をお客様から奴隷に変更したんだ。
そこの事務所で高島といちゃついていた女、コイツも見覚えがある。
確かあっちゃんとか言われてる悪名高いサークルクラッシャーの女だ!
コイツはオタク系グループに入り込んでは中の人間関係をメチャクチャに破壊した上、人事権や予算を全て私物化し、そのグループの備品を売り払ってホストクラブに注ぎ込むドクズだ。
こんなヤツら生きている価値無いからミミックに食べてもらおう。
そうだ、これが世直しになるんだ!
ボクはそう考え、人間の部下である事をやめ、あえてモンスターの強者であるミミックの部下になる事を選んだ。