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76 つよつよミミックの待ち伏せ(アルカ視点)

前話からしばらく時間が空いてしまいました。

創元社のSF賞用の作品を書いていたらなかなか時間が取れませんでした。


そろそろ再開します。

「ウギャアアアアッ! 何よコイツ、キャァァアア!」

「助けて、食べないで。ほら、コイツらならいくらでもくれてやるからさ」

「何よこのブス、アンタこそ食われなさいよ! アタシを誰だと思ってるのよ!」


 うるさい人間達ね、黙ってなさいよぉ。


 バリバリゴリゴリむしゃむしゃムシャ……。


 ご主人様が人間達の女を食べると流石にうるさか った奴らも黙った。

 まあ、生きたまま食べられている間もうるさかったけど、さすがに足や胴体だけになったら喋られないわよねぇ。

 まあ悲惨だなとは思うけど、同情する気は無いわ。

 だって、アタシの仲間達は人間達にもっとひどい目にあわされて殺されたんだから。


 ご主人様は何でも食べるというワケではないみたいで、あのさっき食べられた人間達、服や装飾品はその辺りに転がっている。

 結構綺麗なキラキラした宝石もあるからコイツらって結構いいレベルの冒険者だったのかな?

 でもそれにしたら弱すぎたわね。

 この程度ならアタシでも姿を隠したまま戦ったら勝てていたかも……。


 まああのハコザキだったら負けてたかもしれないけど。

 彼弱すぎでしょ、まあご主人様の下僕という事なのでケンカする気は無いけどね。


 ハコザキは何かあの銀色の箱、パソコンとかいうのを見ながら視聴数200万突破したとか言ってるけど、それってそんなすごい数字なのかなぁ?

 まあハコザキが喜んでるから、アタシがVアバターとかいうのでハイシンしているミミッカちゃんやゲーム実況より多いのかもね。


 アタシと一緒にご主人様のエサになった人間の残した物を拾っていたハコザキが何か叫んだ。


「うわぁ、これ都内の名門お嬢様学校の生徒手帳だぞ、コイツ、そんなとこの奴だったのかよ」


 ハコザキのヤツ、何をそんなに驚いているんだろ? 以前いったガッコウとかコウコウってとこの事かなぁ?

 まあいいや、アタシはアタシでバラバラになったお宝を拾い集めるだけのこと。

 でもアタシはその中に変な物を見つけた。

 何か小さな丸い粒だ、カラフルな色をしていてお菓子みたいにも見える。

 

「ねえ? コレって何ぃ?」

「これは、違法薬物だね。これは持っているだけでこの世界では捕まるよ。だから匿名でボクが警察に届けておくね。ボックス様、配信用の映像、撮り終わったので依頼者にコレを見せてきます」


 イホウヤクブツ? 何かしらそれ。


 まあこの世界の事はアタシは詳しく知らないからハコザキに任せておいた方が良いかな。

 アイツ何気にこの世界に事には異様に詳しいみたいだったし。


 アタシとハコザキ、そしてご主人様は辺りに散らばったお宝を拾い集め、ダンジョンを脱出した。

 ダンジョンの中から出るのにアタシのスキル透明化があれば楽に出れたからこれらの物をあのシャンツーとかいうおっぱいオバケに見せるみたいね。


 ダンジョンを出たアタシ達は家に戻り、シャワーを浴びることにしたの。

 ――シャワーがあるってだけでもこの世界は素晴らしいわ。――

 お風呂とシャワーでさっぱりしたアタシはベッドの上に転がり、ゲームを遊んだ。


 ご主人様はテレビを見ていて、ハコザキの奴は何かパソコンで作業中みたいね。

 エスペランサは疲れたのかずっと寝たまま起きようとしない。

 まあアタシは今日はこの後シャンツーが来る事も無いだろうからゆっくりゲーム三昧かなー。


 ッと思ってたのに、あのおっぱいオバケが姿を見せた。


「こんばんワ、ちょっと大変な事になってるみたいネ」

「シャンツーさん、こんばんわ。何でこんな夜中に?」

「チョット急ぎデ伝えたいこトがあったからネ、アンタ達、フジムラ・ミサキって知ってルかしラ?」

「藤村美紗妃? 一体どうしたんですか?」

「それがネ、彼女の父親ってのガ、娘を殺されタ、殺したヤツを見つけ出セってブチ切れて懸賞金ヲ出したっテ話なのヨ……」


 このおっぱいオバケ、何かややこしい話をし始めたわ……。

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