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74 つよつよミミックの留守番(エスペランサ視点)

 あらあらー、わたくし、言われるがままにアルバイトという事で駅に来たのですが、何かあまりセンスのよろしくないスポーツカーに乗った、これまた何か勘違いしたような男の人に車に乗るように言われてしまいましたわー。


 わたくしが助手席に乗ると、男の人が車を乱暴に運転して、どこかに向かいましたわ。

 着いた場所はこれまたなんともセンスのない音楽をがなり立てる男女が狂ったように踊る場所で、ここで何かするのでしょうか?


 わたくしはvip席に座らされ、そこでこのよくわからない踊りを見させられる事になりましたわ。

 正直いって退屈ですが、これもボックス様やハコザキ様に頼まれた事なので文句も言ってられませんわね。


「そういえばよー、最近女の調達減ったと思わねえか?」

「それがよ、村田も戸塚も今音信不通なんだってよ」

「バカじゃねえの? 逃げても捕まるのに。今まで散々美味しい思いさせてやったのに恩を仇で返しやがって! 全員ぶっ殺してやる!!」


 あらあらー、村田様は今頃お母様の私設軍隊に始末されてるでしょうし、戸塚ってイケメンさんはボックス様にぶっ殺された事をこの方々はご存じないのでしょうかね。


「あのー、その……村田様、とか、戸塚様とは、どういった方なのでしょうか?」

「お嬢さん、世の中知らない方が幸せな事もあるんですよ。貴女はここに来れる立場の人間なのですから、あまりこういう話に首を突っ込まない方が良いですよ。さあ、どうぞここにあるドリンクをお飲みください」


 わたくしは何か綺麗な色のお飲み物をいただきましたので、飲んでみました。

 あら、甘くて美味しいですわ……でもコレってお酒……。

 わたくしは、気を失って……しまい……まし……た。


「へっ、偉そうに第三者気取っても、コイツも高級娼婦扱いで政治屋のお偉方に提供される側、まあせいぜい金を稼いでくる事だな。画像を残しておけばコイツは一緒オレ達の金づるだからな!」


 ——五月蠅い、頭が痛えじゃねえかよ……!


「コイツ、何であの薬で起きてられるんだ!? 酒もかなり強いのを誤魔化して飲ませたスペシャルカクテルなのに!?」


 あー、そうかい。

 この頭の痛いのは酒とテメェらのせいか。


「オイ、テメェら……オレに何を飲ませた?」

「何だとこのアマッ」


 ガスッ!!


 オレはそこにあった分厚いガラスの灰皿を男に叩きつけてやった。

 真っ赤な血があたりに飛び散り、コイツの白っぽいスーツが血まみれになった。


「キャァァァァア!!」

「何だ、いったい何が起きたんだ!?」


 オレの周りに黒服でサングラスの連中が集まってきた。

 テメェらどうみてもカタギじゃねえな。それなら遠慮なく殴り飛ばせるってもんだろ!


 オレは黒服を一人思いっきり殴り飛ばした。


 バギィィッ!


 へっ?? 何だよこの力。

 オレ、ゴリラにでもなった気分だったぜ。

 なんせこの細い腕で殴ったはずの相手が壁まで吹き飛んで壁にヒビが入ったんだからよ。


 まあいい。これならいくらでもケンカを楽しめるぜ!


「さア。ケンカを楽しもうぜ!!」

「うわァァァ!」


 黒服の連中が一気にオレに襲いかかってきた。

 でもまるで相手になりゃしねぇ!!


 オレはコイツらをあっという間に片付けた。


「クソっ、サオリのヤツ。なんてとんでもないモノ持ってきやがった! コレじゃ大損じゃねえか!!」


 サオリ? ソイツがこのクソ連中のボスか。


「オイテメェ。そのサオリってのはダレだよ!?」

「ひっ、ひいっ、いいます、言いますから殴らないでください!!」


 何だこの黒服のヘタレは。

 まあいい、どうやらそのサオリってのがコイツらをに指示していたヤツみたいだな。


 さて。コイツをどうやって口を割らせよう。

 骨の何本で全部吐くか試してやるよ。


 さて、一本、二本、いつまで続くかな?


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