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【40万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
2章 ギルド連携魔物討伐体験

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自分のためか、他人のためか

 冒険者ギルド連携魔物討伐体験。


「「「「‥‥‥」」」」


 アイト、ギルバート、クラリッサ、ポーラの討伐班は。


「‥‥‥あれ、さっきどっちから来た?」


「‥‥‥あっちじゃねえのか?」


「‥‥‥こっちでしょ」


「‥‥‥そ、そっちだと思います」


 全員が、違う方向を指さす。森の中に入ってしまい、方角が全く分からなくなっていた。


「ーーーグォォォォォォッ!!!!」


 すると突然、凄まじい雄叫びが近くから発される。


「うお!? もしかして、獲物か!?」


「ちょっとギル! 突っ走るなぁ!!!」


 ギルバートとクラリッサが、声が聞こえた方へと向かってしまう。


「ちょ、ちょっと待って2人とも!」


「待ってください〜!」


 アイトとポーラも後を追う。すぐに2人は見つけることができた。


「先走るなっ、2人とも!!」


 ただし‥‥‥筋肉隆々としたオーガと共に。




「くっ! コイツ硬ってえ!!」


 ギルバートの大剣でもオーガの身体は切れなかった。


「ギル! 幻影魔法効かないわよ!!」


「クソッ!! もうごり押すしかねえ!!」


「あ!? もう、バカっ!!」


 ギルバートが正面から突っ込み、クラリッサがオーガの背後に回り込む。


「「はああっっっ!!!!!」」


 そして挟み撃ちにした2人が声を上げながら、大剣と杖を振り下ろす。


「グアアアアアッ!!!!!」


 だがオーガはおぞましい雄叫びと共に、その場で回転し始める。


 目で追えないほどの回転をするオーガの体に武器をぶつけてしまう。2人は武器ごと別々の方向へ吹き飛んでいき木に激突した。


「ガッ!?」


「きゃっ!!」


「ギルバート! クラリッサ!」


 強く体を打ったことで、彼らはしばらく動けない。アイトは唇を噛みながら悩んでいた。


(ここで魔法を使うしかないのか!? いや、聖銀の剣を使えば‥‥‥ダメだ! 【異空間】から取り出すところを、3人に見られるわけにはいかない!)


 自分のためか、他人のためか。アイトは2択を迫られる。


(ひとまず、2人を連れて逃げるしか‥‥‥でもポーラはもちろん、俺でもギルバートを担いで早く移動できるとは思えない。どうする!?)


 そして、アイトは更に決断を悩むことになる。


「‥‥‥!! アイトくん、離れてください!」


 すると、普段聞かない大声を出して指示するポーラ。その目には何かの覚悟が表れている。


「! わ、わかった!」


 アイトは頷きながら、後方に跳躍して距離を取る。ギルバートとポーラは離れた木に背中を預けて座り込んでいる。

 つまり、オーガと対峙したのはポーラのみ。


「‥‥‥兄さん、力を貸して」


 ポーラがそう呟くと、懐から小さな魔結晶を取り出す。握りしめて、片手を前に突き出す。


(! 相当な魔力の気配っ‥‥‥!!)


 アイトは目を見開いて困惑していた。

 ポーラの身体から、凄まじい魔力が溢れ出しているからだ。オーガも無意識に、彼女の異変に驚いている。



      「やああああああっっっ!!!」



 ポーラが大声と共に放ったのは‥‥‥光魔力の集合体。それは、まさに光線。


「グォァァァァァッ!!!?」


 オーガに当たった途端‥‥‥大爆発を起こした。周囲に土の粉塵が巻き起こる。


「ガ、ァ‥‥‥」


 断末魔の声が響くと共に粉塵が晴れると‥‥‥オーガがうつ伏せに倒れていた。


(今のは、ポーラの魔法なのか‥‥‥?)


 アイトは困惑を強めながら、動けないギルバートたちに駆け寄ってた。




「すげえじゃねえか!! なんで隠してたんだ!?」


「そ、それは、その‥‥‥」


 動けるようになったギルバートが、興奮気味に質問する。その圧に、ポーラが少し震えている。


「‥‥‥あれって、【フォトン・ブラスト】よね? ポーラ、あの魔法使えたんだ」


 クラリッサがそう口にした。すると、ギルバートが更に目を輝かせて身を乗り出す。


「おいおい! 【フォトン・ブラスト】っていえば『高威力魔法ハイパワーマジック』に認定された魔法じゃねえか!! お前マジですげえな!!!」


 『高威力魔法ハイパワーマジック』。

 『破滅魔法ルインマジック』には及ばないが、むやみな使用は危険だと判断されている、魔道大国レーグガントに認定された価値のある魔法。


「‥‥‥」


 そしてアイトは、その魔法をポーラが放ったことに疑問を抱いていた。


(【フォトン・ブラスト】はポーラの兄で王国警備隊の分隊長、レンクス・ベルが使う魔法だったはず)


 そう、彼女の兄の魔法。


(ポーラが使えるとは聞いてない。そもそも、そんな魔法を使えるならDクラスにはいないはず)


 放った魔法が凄いからこそ、同じクラスにいる事に違和感を感じる。


(それに‥‥‥魔法を放つ前に魔結晶を使っていた。ポーラ、何かを隠しているのか?)


 こうやってアイトは無意識に考え込んでいた。

 すると、ギルバートが興味津々と言った様子で口を開く。


「なんでこんな魔法を使えるって言わなかったんだ?」


「そ、それは‥‥‥」


「言えなかったんじゃないか?」


 アイトは少し声を張りながら、2人の間に割って入った。


「? どういうことだ?」


「あんな強力な魔法を使えるって言ったら、毎回戦術に組み込まれるかもしれない。そもそも、俺たちが連携をとる必要がなくなるかも」


「まあ、そりゃ確かに」


 アイトの言葉に、ギルバートが同意する。アイトはそのまま話を続ける。


「そうなることを危惧してたんじゃないか? あんな魔法を毎回打つのは、当然だけど負担が大きい。ポーラの性格的に、俺たちに頼まれたら断れない」


「アイトくん‥‥‥」


 ポーラの反応は、まさに図星といった様子だった。


「アイト‥‥‥そういうことか。そうだよな。ポーラ、すまん!!」


 眉を下げたギルバートが、勢いよく頭を下げて彼女に謝る。


「そ、そんなっ! ギルバートくんが謝ることはないですから!!


「いやっ、謝らせてくれ!! それと、さっきの質問は聞かなかったことにしてくれ!!」


 ギルバートが頭を上げて、両手を合わせて深く謝罪する。


「だから‥‥‥お前が話したくなった時でいい。その時が来たら、オレたちに教えてくれないか?」


「ギルバートくん‥‥‥うん。わかりました」


 ポーラが安心した様子で微笑む。クラリッサも納得した様子を見せる。


「よっしゃ! この森をさっさと抜けるか!」


 こうして、アイトたちは移動を再開した。


 ◆◇◆◇


 アイトたちが迷っている森の‥‥‥はるか上空。


「おいーーー見たか、あの魔法」


「ああ。噂に聞く『高威力魔法ハイパワーマジック』級。あの小娘、後に我々の脅威になる可能性がある。それにあの大剣使いと杖使いも中々のもの」


「こいつらは今、冒険者ギルドや他の生徒たちと離れている」


「なら、消すか」


 偶然空を通りかかった2匹の魔族が、アイトたちに目を付けたのだった。

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