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【40万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
2章 ギルド連携魔物討伐体験

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ギルド連携魔物討伐体験、当日

 ギルド連携魔物討伐体験までの4日間。


(平穏な学園生活って最高だぁ‥‥‥!!)


 アイト、ギルバート、クラリッサ、ポーラの4人は談笑していた。

 そして、もうすぐ始まる討伐体験について話し合う。役割をどうするか、得意魔法は何かなど色々話し合った。その過程で、アイトたちは打ち解けていった。

 それぞれの得意魔法を、アイトは頭の中で整理した。


「俺は振動魔法だな!! 大剣に纏わせてぶっ飛ばす!!」


 ギルバート・カルス。得意なのは振動魔法。快活に笑い、白い歯を見せる。


「私は幻影魔法ね。得意とは言っても、他の属性に比べたらだけど」


 クラリッサ・リーセル。得意なのは幻影魔法。少し気恥ずかしそうに視線を逸らしている。


「わ、私は‥‥‥強いて言うなら、音魔法ですかね‥‥‥」


 ポーラ・ベル。得意なのは音魔法。少し自信が無さそうに視線を下げて呟いていた。


(貴族たちが、あまり使わないような魔法が多いな。まあ、俺は個性派集団との付き合いも慣れてるし‥‥‥)


 火や水、雷など‥‥‥一般的な基本属性魔法を使う人はいなかった。かなり偏った討伐班となったが、アイトは別に気にしていなかった。

 アイトの言う『個性派集団』との付き合いというのは、もはや誰たちか言うまでもない。


「そういえばよ、アイト。お前の得意魔法って何だ?」


「え‥‥‥得意、魔法?」


 すると、アイトの身体が硬直した。

 得意魔法という概念が、自分の中には無かったのである。


(いつも属性同士を混ぜ合わせて、魔法を使ってるからなぁ‥‥‥)


 顎に手を置いて自分の分析を行いつつ、やがて結論を出す。


「‥‥‥分からない。いや、無いかも」


「「「え?」」」


 3人の声が重なり、アイトは苦笑いして誤魔化した。


(‥‥‥バットコミュニケーションっ!!)


 自分の失敗を悟った。




 そして‥‥‥ギルド連携魔物討伐体験、当日。


(初めての大規模な学園行事‥‥‥!! これは完全に平穏な学園生活だよなっ‥‥‥!!!)


 アイトたち1年生は教員と共に、王都から少し北に移動していた。

 冒険者ギルド本部『ジャバウォック』付近へと。


(立派な本部だなぁ‥‥‥)


 アイトが月並みな感想を抱く間、引率の教員と冒険者ギルドの代表が握手を交わす。


「今日はよろしくお願いします」


「おう! こちらこそ頼むぜ! 将来冒険者になってくれるやつが増えると考えれば大歓迎だ! 王国からの報酬も多いしな!」


「ははっ、それはこちらとしても嬉しい限りです」


「それではさっそく移動しよう! 手本を見せる!!」


(いよいよ、行事が始まる!!)


 アイトは完全に、ただの学生として前向きに参加していた。


 ◆◇◆◇


「とまあ、こんな具合だな」


 付近の魔物がいるエリア。1年生は冒険者たちの実戦の様子を見学する。


「それじゃあ、予め決めていた討伐班に分かれてくれ!」


 1年生が各自、自分たちの班で集まり出す。当然、アイトたち4人はすぐに集まった。


「近くでワシらが見ておるから、自由に討伐してくれ!」


 冒険者の声が響き渡ると、1年生が一斉に動き出す。


「おいアイト! ここだと今いる魔物は一瞬でなくなっちまう! 遠くへ移動しようぜ!!」


「え、でも冒険者の人たちが見える場所じゃないとーーーってギルバート!?」


「ギル待ちなさい!!」


 アイトはクラリッサと同時に大声を出して驚く。突然、ギルバートが走り出してしまったからだ。


「はあ、仕方ない。クラリッサ、ポーラ、行こう」


「はあ、全くあのバカ!!」


「は、はい!」


 こうしてアイトたちは、開始地点から離れた場所まで移動してしまった。





「ッラァァァ!!!」


 ギルバートの声と共に振り下ろされた大剣が、ゴブリンを一刀両断する。


「アイト! そっち行ったぞ!!」


「ああ!」


 アイトは愛剣である『聖銀の剣』を使うわけにはいかず、一般的な鉄の剣を使用。難なく、ゴブリンたちを切り刻む。


「クラリス、ポーラ! もっと魔法かけろ!」


「わかってるわよ! ポーラ、まだいける?」


「はい! まだ大丈夫です!」


 気合いを入れたクラリッサとポーラが、ゴブリンに対して幻影魔法と音魔法で足止めしていた。


 アイトは大剣使いギルバートと共に前衛。クラリッサとポーラが後衛。2人が前、2人が後ろ。


「!? クラリッサさんっ、後ろ!!」


 だが、アイトは予期せぬ事態に大声を出す。

 クラリッサの背後に、息を潜めたゴブリンが回り込んでいたのだ。


「きゃっ! クラリッサさんっ!!」


 ポーラが悲鳴を上げた直後、ゴブリンが勢いよく棍棒を振り下ろす。



           ガンッ!!!



「‥‥‥え?」


 アイトは次に、困惑しながら声を漏らす。予想外の光景に、目が離せない。


「背後に回り込むとか、最低ね」


 クラリッサが後ろ手で背中に杖を回し、ゴブリンの攻撃を受け止めていた。そして手首で杖を回転させ、棍棒を弾き飛ばす。


「はぁ!!」


 振り向いたクラリッサが、目にも止まらぬ杖の連撃を繰り出す。一撃が当たるたびに、ゴブリンの身体から鈍い音が鳴り響く。


「死ね」


 そしてクラリッサが、逆手に持った杖を‥‥‥ゴブリンの心臓に突き刺した。




 アイトたちは、近くの川付近で休憩中していた。


「クラリッサさん、すごいです!!!」


「いや、べ、別にそんなことないわよ?」


 ポーラが目を輝かせて身を寄せる。クラリッサは少し恥ずかしそうに腕を組んだ。


「確かにすごかった。杖をあんな風に使うなんて」


「アイトまで‥‥‥」


 そして、アイトは素直に称賛していた。

 明らかに長年の鍛錬が垣間見える、彼女の杖捌き。

 褒められたクラリッサが、むず痒そうに視線を逸らす。


「クラリスの戦闘スタイルは、杖でボコボコに殴ることだからな。前衛にしたかったんだが、2人にバレたくないって言ってたからよ」


「ちょっ、ギル!!」


「オレからすれば、なんで典型的な杖使いアピールしてたのかよくわからねぇ」


「ちょっとそのこと言わないでよ!! ‥‥‥ほんと口が軽いんだから」


 クラリッサが顔を真っ赤にして息を吐く。もう諦めの表情が見て取れる。


「いや、これはクラリッサさんの大きな武器だ。確かに杖使いが物理攻撃を行うなんて、普通なら考えない。なるべく他の人に見せない方がいいかも」


 だが、アイトは称賛を続ける。クラリッサの杖捌きが、それほどまでに見事だったのだ。


「アイトに言われなくても、誰にも見せる気なんてないわよ! これ、すっごく恥ずかしいんだから!!」


 耐えられなかったのか、クラリッサが更に顔を赤らめてキッと睨む。


「ポーラ、アイト、特にギル!! 絶対秘密ね!!」


「特にって何だよっ!!」


「そうですよね。人に言えない秘密って誰にでもありますよね」


「‥‥‥ああ、そうだな」


 アイトは即座に同意する。ポーラが呟いた言葉が、妙に心に刺さっていたのは言うまでもない。

 その事で、アイトはふと思い出す。


(‥‥‥あれ。そういえばアクアたちって、どこにいるんだ‥‥‥?)


 それは、冒険者ギルドに潜入している‥‥‥組織エルジュの構成員たちを。


 ◆◇◆◇


「今のところ大丈夫そうですね」


「あいつが低級の魔物如きに遅れを取るわけがねぇ」


「どうでもいいけど早く寝たいー」


「アクア!? まだ寝ないでくださいぃぃ!!!」


 オリバー、カイル、アクア、ミスト。

 彼ら4人は、木の上から1箇所を眺めていた。


「‥‥‥楽しそうです」


 それは‥‥‥今も休憩しているアイトたち。

 【血液凝固】で強化した眼で見ているため、距離はかなり遠い。


「ふう‥‥‥誰かおねがいします」


「んじゃ、俺がやるぜ」


 【血液凝固】は長時間使うと疲れるため、1人ずつ順番に監視していた。オリバーの次は、カイルが監視を行う。


「エリスも過保護なんだって。なんで俺が子守みたいな事をしなきゃならねえんだ」


 【血液凝固】を両眼に施したカイルが、呆れながら息を吐く。面倒くさそうな反応を見せる。


「ーーーカイルさん? 次、エリスさんを悪く言えば‥‥‥これ、ぶっ放しますよ?」


 すると突然‥‥‥オリバーが躊躇なく銃を向ける。

 監視を続けていたカイルへと。

 カイルが両手を上げて、降参と言わんばかりに口を開く。


「‥‥‥ああ悪かった。だからそれを戻してくれよ」


「わかればいいです」


 オリバーが素直に銃を懐に戻し、笑顔で話した。カイルが苦笑いを浮かべる。


「ねー寝ていい?」


「ダメですぅぅっっ!!」


 全く別の話をしているアクアとミスト。あまりにも、4人の協調性が見て取れない。




「ーーーよし、そろそろ行こうぜ」


 そして、アイトたちは移動を再開した。

 カイルの監視を‥‥‥無意識に()()()()()

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