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【50万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
1章 王立学園入学

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変装というよりコスプレ

ユリア王女が拉致されたとされる‥‥‥古びた遺跡付近。


「‥‥‥ここか」


 アイトたちは特殊戦闘服を着ているが、顔の変装は個性が出ていた。


 アイトはいつも通りの銀髪仮面。

 エリスは黒い布を口元に巻いて隠している。

 カンナは普段のツインテールではなく、ポニーテールで伊達眼鏡。

 ミアはいつも身につけている黒いフードを、目深に被っている。

 そして、リゼッタはなぜか眼帯。


(変装ってなんだっけ‥‥‥?)


 カンナとリゼッタは変装というよりコスプレである。銀髪仮面のアイトに、それを言う資格は無いが。


「‥‥‥エリス。あの方法を使う。ユリア王女がどこにいるか教えてくれ」


「わかりました」


 エリスは以前見せた謎のポーズを取って、遺跡を注視する。


「いました。ここからだとーーー」


 ◆◇◆◇


「ん‥‥‥え? ここは‥‥‥」


 グロッサ王国の第二王女、ユリア・グロッサは目が覚める。


「!? な、なにこれ!」


 両手には手錠をされていて、牢の中にいた。すぐに自分が捕えられている事に気がついた。


「っ、魔力がっ‥‥‥」


 すぐに魔法を使おうとするが、魔力を練ることができない。


「この手錠‥‥‥」


 ユリアは、魔力封印の手錠を掛けられていると悟る。


「ーーーやっと目が覚めたか、グロッサ王国の王女よ」


 すると、牢の外に‥‥‥覆面をつけた謎の男が現れた。明らかに普通ではない雰囲気を醸し出している。

 ユリアは恐怖で身を縮こませるが、必死に口を動かす。


「だ、誰ですか!! どうしてこんなことを!?」


「君が知る必要のないことだ。もうすぐ準備ができるから、そのまま待っていろ」


「じゅんび‥‥‥?」


 ユリアの声に反応せず、覆面人間はそのまま牢から離れていく。


「なんで、こんな事に」


 ユリアは、なぜここに連れてこられたのか思い出す。


『それでは、また明日〜!』


 夕方。

 アイトと別れた後、彼女は1人で王都を歩いていた。


『?』


 夕方にしては人が少ないと感じていた。だがあまり警戒していなかった。


『!?』


 すると、謎の覆面が目の前に現れて‥‥‥彼女はそれ以降の記憶がない。


 ユリアから見て体格や声などから、少なくとも自分を攫った犯人は女性だった。そして、さっき話した覆面人間とは別。


(共犯‥‥‥!! いや、もっといるかもしれないっ‥‥‥!!)


 そんな考えに思い至り、ユリアは息を呑んで周囲を見渡す。


「!? きゃあ!?」


 だが突然、ユリアは大声で叫んだ。


「な、なにこれっ!?」


 自分の背中に現れた‥‥‥謎の空間。とてつもない吸引力で、身を捩っても吸い込まれていくのみ。


「きゃぁぁぁぁぁッ!!!?」


 そして、ユリアはその中へと完全に吸い込まれていくのだった。


「なっ、なんだ!?」


 駆け付けた覆面の男は、全く対応できずに固まっていた。


 ◆◇◆◇


 銀髪仮面の少年が、右手をわきわきと動かして何かを確かめている。


「‥‥‥よし、人が入った感触がある。ユリア王女を【異空間】に保護できた」


 アイトは空間魔法【異空間】に、ユリアを吸い込んだのだ。エリスの魔力探知で、彼女がどこにいるかを正確に教えてもらう事で。

 つまりターナの弟であるヨファを救った時と、全く同じ事をしたということ。


「あとは発動した【異空間】の元に行って、ユリア王女を救出するだけだ」


 アイトたちの目的が定まる。

 遺跡の中に入って安全を確保し、ユリアを解放する事。


「はいレスタくん! 質問です!」


 すると、カンナが興味津々とばかりに手を挙げる。


「【異空間】って自由にどこでも物を出し入れできるよね? じゃあユリア姫をここに出すことはできないの?」


 そして、率直な疑問をアイトへ尋ねた。

 アイトは目を丸くするも、苦笑いを浮かべて話し始める。


「確かにそうなんだけど、それは重量が比較的少ないものに限られるんだ。人間の重量だと、その場に留めておくことが限界」


 なるべく簡潔に、質問への答えを提示した。


「へぇ〜そうなんだ! じゃあ早く助けないといけないんだね!」


「ああ。だから俺は最優先で【異空間】の元に向かう。エリスにも来てもらいたい」


「もちろんです。急いで向かいましょう」


 【異空間】を発動したアイトと、勇者の魔眼で場所が分かるエリス。


「じゃあ私たちの役目は、レスタくんとエリスを援護する事だね!」


 カンナが言う通り、残りは2人が目的地に辿り着くための援護。


「そういうこと。みんな、頼めるか」


「よろしくおねがいします」


 アイト、エリスは【異空間】の座標へ向かい、ユリア王女の救出。


「もっちろん! そうだよね2人とも!」


「その女は心底気に食わないけど、お兄ちゃんのお願いなら」


「もろ、ちん」


 カンナ、ミア、リゼッタは2人の援護。


「それじゃあ、みんな行くぞ!」


 明確に役割が決まったアイトたちは、さっそく移動を開始した。




「うわ、なんでこんなに魔物がいるんだ」


 アイトは眉を顰めて声を漏らす。

 遺跡の前には、まるで門番のように大量の魔物が待ち構えていた。


「さき、いって。レーくん」


 するとリゼッタが前に出て、先へ行くように促す。


「でも、リゼッタ1人だと」


「毒、あるから、へいき。レーくん、いそぎ」


 アイトは心配そうに尋ねるが、リゼッタの意思は変わらない。


「‥‥‥ありがとう。リゼッタ、任せた。空を飛んで突破する! エリス、ミアを頼む」


 アイトはお言葉に甘えて遺跡に侵入すべく、エリスへ指示を飛ばす。


「了解です!」


「きゃ!? 何すんのよ金髪女!!?」


「うぇ!? レスタくん!?」


 アイトは勢いよくカンナを抱え、風魔法の応用【飛行】を発動。エリスも同じようにミアを抱え、後に続いた。


「いってら、がんば」


 残ったのはリゼッタと、大量の魔物たち。


「とう、ばつ、はじめ」


 リゼッタは、意気込むように独り言を呟く。





 アイトたちは空を飛んで魔物をくぐり抜け、遺跡の入り口に到着。すぐにカンナを下ろす。


「びっくりした〜‥‥‥でもありがと!」


「羨ましい‥‥‥羨ましい‥‥‥羨ましい!!!!」


 エリスに降ろされたミアが、怨念の声を上げる。


「まあまあ、また機会があったらしてあげるから。今は救出が先だ」


 アイトはミアを軽く受け流す。彼女の扱いには妙に慣れている。


「レスタ様。ユリア王女は地下4階にいます」


「よし、行くぞ」


 アイトたちは気を取り直して、遺跡の中に侵入していく。


 1階。大きな広間。


「あそこに、地下へ繋がる階段があります!」


 エリスの誘導を頼りに、アイトは先頭を走って広間を駆け抜ける。


「!! お兄ちゃん!!」


 すると、アイトに向かって火の玉が飛んできていた。ミアが咄嗟に呪力を飛ばして、それをかき消す。


「ーーー我らの邪魔をする愚者ども。今ここで全員消してやる」


 そう言ったのは、新たな覆面人間。覆面には謎のハートのマークが。見てわかる通り、すっごくダサい。


「は? 黙れカス。お兄ちゃんを狙うなんて脳みそ入ってないの??」


 真っ先に怒りを露わにし、足を止めたのはミアだった。全身から瘴気を発し始める。


「あ〜あ、これだからお兄ちゃん以外の生物は‥‥‥害は全て消してやる」


 そして、明確な殺意を宿して覆面と対峙した。


「ミア‥‥‥任せた」


 アイトは彼女に任せ、階段を降りて地下へ向かう。エリス、カンナも後に続く。

 ミアが妖艶に微笑みながら舌舐めずりをし、対峙する相手を見据える。


「ふふっ、害は1人1人消していかないとね♪」


「小娘が。邪魔をするな!!!!」





 地下1階。


「反応が近い、あともう少しです!」


 アイト、エリス、カンナは階段を駆け下りる。

 そして、3人が廊下に差し掛かった時。


「!? だ、誰だ貴様ら!!!」


 廊下には、また別の覆面人間がいた。覆面には星形のマークが書かれている。


「あ。ここは私の出番だねっ!」


 カンナが走る速度を上げて先頭のアイトを追い越し、星形覆面へと迫る。


「やあっ!!」


 カンナは手首につけていたヘアゴムを外し、右手の親指でぐるぐる回す。

 するとヘアゴムの形状が変化した。その形は、まるで小さな剣。


          キィィンッ!!


 カンナの擬似剣の攻撃を、星形覆面がナイフで受け止める。


 アイトとエリスはその瞬間、壁走りで通り抜けていく。


「カンナ、頼んだ」


「先に行きますね」


 アイトたちは声を掛け、廊下を走って奥へと突き進んでいく。


「任せといてっ!! 後で追うから!」


 カンナの声を背中で聞きながら、アイトとエリスは先を急ぐ。


「こっちです!」


「近いな」


 そして更に階段を降りて‥‥‥2人は地下3階へと向かうのだった。

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