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【50万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
10章前編 交易都市ベルシュテット

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波乱の観光旅

 アイトがソードディアス家に訪問した翌日。


(交易都市ベルシュテット‥‥‥聞いたことあるけど、まさかこんな形で行く事になるなんて)


 アイトは窓の外を眺める。スカーレットと共に王都から蒸気機関車に乗って、交易都市ベルシュテットに向かっていた。


「あ、アイトくん! お腹空いてるっ!? 私、お菓子作ってきたんだけど、どうかな!?」


「あむっ、おいしー。爆破女のくせにやるじゃない」


「あっ!? ちょっと剣バカ女!! 勝手に食べるなっ! しかも最初に食べるなんてーーー」


「うん、美味い。さすが令嬢育ちのクジョウだな」


「ヴァルダンくんまで!? もうっ、最初に食べて欲しかったのはぁぁっ‥‥‥!!」


 そして‥‥‥同級生のご友人たちも一緒に。アイトの隣にはジェイク、その向かいにアヤメとシスティア、そしてスカーレット。


 6人が座れそうなスペースを2、3人に分けて座っている。


「こんな気ままな子だが、仲良くしてやってくれ」


 1年の会話を聞いていたスカーレットがそう言って笑い、ジェイクとアヤメを一瞥する。


「‥‥‥まあ、同じクラスなんで当然です」


「‥‥‥ぜ、善処します‥‥‥」


 ジェイクとアヤメはそれぞれ言葉を漏らした。片方はやけに振り絞った声だった(どちらかは言うまでもない)。


「はあ〜? 別に友達じゃないし。こいつらはただのクラスメイトとその他! ていうか姉貴にだけは言われたくないっての!!」


「私にはマリアという親友がいる。なあ、後輩くん?」


 顔を真っ赤にするシスティアに言い返したスカーレット。彼女は確かめるように視線を、一言も話さないアイトへと向ける。


「あ、そですね」


 顔を合わせて空返事したアイトは、この後もわいわい話す同行者たちを見つめる。


(楽しそうで何より‥‥‥)


 その後、アイトはまた窓から外を眺め始めた‥‥‥というより現実逃避していた。


(なんか、すごいことになってない‥‥‥?)


 ◆◇◆◇


 約1時間前、王都にある王国内最大の駅広場。

 そこでアイトとスカーレットは待ち合わせをして、交易都市へ向かおうと計画した‥‥‥のだが。


「おはよう。今回は悪いな後輩くん。本当に悪い」


「昨夜、姉貴から話を聞いたわ。面倒ごとに巻き込まれてご愁傷様」


 なぜか、彼女の妹であるシスティアもついてきていた。


「え、なんでここに」


 予想外の事態に、アイトはそんな声を漏らすことしかできない。だが、まだこれは序の口だった。


「ーーーあの剣バカ女、旅行の荷物まとめてここに来いって何なのよ。しかもお菓子を持ってこいってどういう‥‥‥」


 悪態をつきながらやって来たのはアヤメ・クジョウ。なぜか彼女は集合してる3人を見て足を止め唖然としている。


「おいソードディアス。こんな準備をさせて、用とはなん、だ‥‥‥」


 そしてアヤメを加えた4人を見て、別方向から走ってきたジェイク・ヴァルダンが足を止める。


「?????」


 アイトは既に思考が停止している。元々来るはずのなかったシスティアに加え、今回の話に全く関係ないアヤメとジェイクの登場。


「あーちょうどよかったー。今から私たち、交易都市に行くんだけどー。1年の代表選手のよしみで誘ったのー」


 するとシスティアが棒読みでとぼけ始める。


「まだ同盟国交流戦まで時間はあるけど魔道具とか用意できたらなってー。急で悪いけど、よかったら2人とも来ないー?」


 予め用意されていたような状況に対し、スカーレットは眉を顰めた。


「謀ったな妹? お前が他人を誘うだと? どういう風の吹き回しだ。まさか私に1年生の引率でもしろと?」


「はあ? 1番自由行動しそうな姉貴がそれ言うの?」


 姉妹同士で火花を散らす。早速嫌な空気が流れる中、それをぶち壊したのはーーー。


「い、行きますっ!! どこへでも行きますっ!!」


 意気揚々と了承する、アヤメ・クジョウだった。



 その後ジェイクも『確かに、1年の代表生たちで親交を深めるべきだな』とシスティアの口車にまんまと乗せられる。


「い、いこアイトくんっ!!!」


「へっ、あ、うん」


 そしてアイトは意気揚々としたアヤメに手を引かれ、蒸気機関車の中へ乗車することになる。



 アイトとスカーレットで行くはずだった旅に、ジェイク、アヤメ、システィアが急遽同行。あまりにも謎すぎる5人による、波乱の観光旅が幕を開けたのだ。


(どどどどうしよっ!? 手ェ触っちゃった♡ ‥‥‥さすがに、ずっと洗わないのは無理かなっ!?)


 そして狂気的なことを考えるアヤメは、席に座るのが遅れるのだった。

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