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【50万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
序章 誕生と組織結成までの軌跡

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異名

 グロッサ王国、周辺の平原。


「ふう‥‥‥」


 アイトが周囲の魔物を全て斬り伏せると、『黄昏トワイライト』の全員が戦闘を終えていた。逃げていく魔物を深追いはしない。


 近辺の村を守ること。そしてグロッサ王立学園を封鎖させないことがアイトの目的だからだ。


「みんな、よくやってくれた」


 アイトは自分の前に集まった10人を称賛する。


「いえ、当然のことです」

「貴様に褒められても嬉しくない」

「ありがと! でも私1匹しか倒してない!」

「はーめんどくさかったー」

「はっ! 余裕だったぜ!」

「がんばったミアに撫で撫でしてお兄ちゃん♡」

「ありがとうございます」

「レーくん、ありがとす」

「あ、ありがとうございますぅぅぅ!!」

「大変だったよ、代表」


 エリスたち『黄昏』10人がそれぞれ、アイトの称賛に反応した。

 その後、真っ先に言葉を発したのはミアだった。


「ところで銀髪女、魔物1匹しか倒してないの? あ〜あ、これだからお兄ちゃん以外の生物は」


「ミア、口が過ぎるよ。カンナに謝って」


 すかさずメリナが注意する。だがカンナは全く気にしてない様子だった。


「まあまあっ! 事実だし仕方ないよ〜!」


 それどころか憂いのない笑顔を浮かべている。


「だからミア、ごめんね。レスタくんの【打ち上げ花火】したら、みんな驚いて逃げちゃったの」


「‥‥‥チッッ」


 嫌味が全く通用しないことを悟ったミアは、不機嫌そうに舌打ちをした。


「こら、ミア。舌打ちしない」


「メリナ、ミアの、ほごしゃ?」


 口下手なリゼッタが、珍しく意見を口にする。


(なんか俺の魔法に似てると思ったら‥‥‥)


 カンナたちの会話を聞きながら、アイトは【打ち上げ花火】だったのかと納得していた。


(あれ、攻撃手段じゃないんだけどなぁ‥‥‥)


 模倣コピーされるほどの代物でもないと思いながら。


「‥‥‥よし、みんな急いで戻ろう。これ以上の長居は無用だ」


 アイトは気を取り直して皆に話した途端。


「お、おのれぇぇ‥‥‥」


 魔物の死骸の山から、生き残っていた1匹が飛び立っていくのが見えた。


「あれっ? もしかして魔族じゃない!?」


 カンナがそう言うと数人の目の色が変わる。飛び去っていく魔物へ向けられている。


「面白え!! それじゃあ俺が!」


「レスタ様、私がやります。みなさん下がっていてください」


「金髪女、なんか疲れてるみたいだけど大丈夫〜〜? ミアがやってあげようか〜? ちゃんと見ててねお兄ちゃん♡」


「レーくん、私に、まかせ」


 カイル、エリス、ミア、リゼッタの4人が自分が戦うと言いだす。先ほど討伐した魔物たちと違い、魔族は生態系でかなりの上位に入る。


(手強いのに、なんでそんな意気込んでるの!?)


 魔族には下級と上級に分類され、下級は一匹で一つの村を上級は一匹で一国が滅ぼされると言われている危険生物だった。


(っしゃ、ぶっ倒してやる)

(アイト様に良いところを)

(お兄ちゃんに褒められたい〜♡)

「レーくん、褒めて」


 つまり魔族を討伐すれば、代表であるアイトに自慢できる。そして、褒められるかもしれない。

 戦うと言い出した者は、そう考えているのだ。


「ーーー俺がやる。みんなは下がっててくれ」


 すると突然、アイトは1人で戦うと言い出した。


 これまでのアイトの性格を知っていれば、この発言は病気を疑われるレベル。

 もちろん、アイトがそう言ったのには理由があった。


(実力が原因で代表を辞める事になったらっ、その後が怖いっ‥‥‥絶対消される‥‥‥!!)


 それは、あまりにもしょうもない理由で。


(だから今みんなにアピールしておかないと!)


 そして、情けない理由で‥‥‥珍しく自分から戦うと言い出したのだ。


「‥‥‥分かりました」


 代表であるアイトの意見に、エリスたちは異論を唱えない。彼女たちは少し距離を空けて後ろに控える。



「人間ごときがっ‥‥‥調子に乗るなぁぁぁッ!!!」


 魔族の凄まじい雄叫びが周囲に響いた直後、彼は上空で翼をはためかせて、急降下しながら迫っていく。


(そろそろかな)


 アイトは両足に【血液凝固】を施す。


「ーーーそれっ!!」


 バチンと音が鳴った直後に跳躍し、下から魔族の腹に聖銀の剣を突き立てた。


「グァァッ!!?」


 響き渡る魔族の悲鳴と青い鮮血。

 アイトは間髪入れずに剣を差し込む。


「よいしょ」


 やがて剣を抜いたアイトは、魔族の足を掴む。そして、そのまま一緒に落下していく。


「これでよし」


 アイトは魔族の足から頭へ掴み直し、地面へと急降下していく。


「!? ま、待てっ!!」


「待たない」


 魔族の悲痛な叫びに即答したアイトは、落下の重力を乗せて魔族の頭を地面に叩きつけるーーー。



「【床ドン】」


 魔族の頭と地面が陥没し、周辺に凄まじい土煙がひろがった。


(高さもあったから一撃で終わったな)


 今や【床ドン】は、今ではアイトの必殺技の1つになっていた。必殺技と思っているのは本人だけだが。


「ふう、終わった」


 魔族はすでに生き絶えていた。初めて魔族を討伐アイトだったが、この時に考えていたのはただ1つ。


(これで少しは実力を見せつけられたかな!)


 アイトが満足した様子で佇んでいると、エリスたち『黄昏トワイライト』が近づいてくる。


「さすがレスタ様。私の主です」


 エリスがアイトに近づいてそう言った。


「まあ、代表だから。せめてこれくらいはな」


「私、ずっとあなたの背中を追い続けます」


「はは、追い抜かされないように俺もがんばるよ」


 アイトは内心ホッとしていた。エリスに変わらず慕ってもらえて安堵している。もちろん、アイトはそれを口に出さなかったが。


「仮にもボクの上に立ってるからには、このくらいは最低限やってもらわないとな」


 ターナが微妙に上から目線の発言をすると、当然それに黙っていられない者がいる。


「何言ってんの黒髪チビ。お兄ちゃんにそんな口聞くなんて1000000000000(1兆)年早いから」


 そう、ミアである。ターナの発言から1秒にも満たない間に言い返していた。


「すぐに突っかかってくる貴様はやっぱりまだ子どものようだな」


「ミアより年上のくせに、子ども体型の女に言われてもね〜。こんな性悪女は無視無視。お兄ちゃんすっごくカッコ良かった♡」


「‥‥‥(イラっ)」


 冷静沈着なターナが、珍しく冷静じゃなくなる。それを察知したのか、カンナが両手を振りながら話を変えた。


「まあまあっ! これで一件落着だねっ!! すごいねあの技! 模倣コピーできるかなっ?」


「にんむ、終わり、ばんざい。いぇい」


「これくらいやってもらわねえと俺の好敵手ライバルとは呼べねえわな!」


「早く帰っていい? 寝たいー」


「さすがエリスさんの尊敬する人です。一連の佇まい、感服しました」


「そ、それくらい、ボスにもできますよっ!!」


「よし。そろそろあの魔結晶回収してくるね」


 一人一人が実力者である彼らは個性が強く、一斉に話しかけられると、もはやアイトの手に負えない。


 (俺、こんな凄い人たちをまとめていけるのっ?)


 ◆◇◆◇


「‥‥‥何だったのでしょう、あの人たち。助けてくれたのでしょうか‥‥‥?」


 第二王女ユリア・グロッサは、彼らの活躍を一部始終見ていた。


「あんなの、見た事ない‥‥‥」


 魔物たちが吹き飛んだと思うと、どんどん数が減っていく光景。途中で空に凄まじい破裂音と火花が飛んだ後、大柄の魔物が一瞬で倒された。


「話を伺いたかったのに‥‥‥」


 そして、彼らは颯爽と去っていった。その数、およそ10人。つまり、10人で大量の魔物を殲滅した事になる。


「と、とにかく報告してきます!」


 1人の兵士がそう言って移動していく。その声にハッと思い立ったユリアは、すぐに皆へ話しかける。


「もう、窮地は脱しました! 被害がなくて本当に良かったです!」


 ユリアの言葉を聞き、兵士たちが歓声を上げる。こうして、グロッサ王国近辺の村は全て守られた。


(本当に‥‥‥何者だったのでしょうか)


 だがユリアは、謎の少数集団の存在が頭から離れないのだった。


 ◆◇◆◇


 『エルジュ』本拠地。


 大きな板に写されているのは、代表レスタを始めとする精鋭11人の勇姿。


「これはっ‥‥‥」


「すごいっ」


「凄すぎる!!」


 ラルドを含めた全ての人が‥‥‥レスタと【黄昏トワイライト】の戦闘に魅了されていた。


「レスタさま万歳っ、『黄昏トワイライト』万歳っ、エルジュ万歳ッ!!!」


 この戦いは、新組織エルジュの中でずっと語り継がれることになる。

 そしてレスタと『黄昏トワイライト』に、訓練生たちが異名をつけるほど盛り上がった。



          エルジュ代表


      Noナンバー.0 『天帝』 レスタ




     エルジュの精鋭部隊『黄昏トワイライト


      No.1 『覇王』  エリス


      No.2 『死神』  ターナ


      No.3 『自由人』 カンナ


      No.4 『水禍』  アクア


      No.5 『脳筋』  カイル


      No.6 『黒薔薇』 ミア


      No.7 『瞬殺』  オリバー


      No.8 『腐乱』  リゼッタ


      No.9 『破魔矢』 ミスト


      No.10 『軍師』  メリナ




 レスタと黄昏トワイライトは神格化され、黄昏に所属したいと他の構成員は、前よりも鍛錬に精を燃やすようになる。


(何が『天帝』だよ!?)


(何が『死神』だっ!?)


 その後、アイトとターナは死ぬほど恥ずかしくなったのは言うまでもない。


(とりあえず、上手く立ち回らないと‥‥‥!!!)


 こうして、アイトと仲間たちの物語が幕を開ける。

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