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意味、わからない?

 三途の滝、滝壺。


 辺りは静まり返っていたが、水面に小さな波が起こる。


 その直後、水面に幾つもの泡が浮かび上がった。


 「‥‥‥ぶはっ!!」


 そんな声と共に、アイトは顔を出した。左手でシロアを抱えた状態で。仮面は外れて染色魔法も効果が解け、本来の黒髪に戻っている。


 「はあ、はあ、うまくいった。なんとか生きてた‥‥‥」


 アイトは先ほどの死に直結しかけた体験を思い出していた。




 数分前、滝壺に落ちる瞬間。


 「ゔぁぁぁぁ!!!」


 アイトは【血液凝固】を右手に発動。その手を伸ばしながら滝壺の水面を叩きつけることで水面を割る。


 それで水面との衝突の勢いを減らした。案の定というべきか、衝撃を受けた右手は今でも痛みで麻痺している。


 (鍛錬しておいてよかった‥‥‥

  鍛えてなかったら、死んでた。アーシャに感謝)


 生きてることに感謝しながら近くに浮かんでいた仮面を左手で掴み、意識の無いシロアを左肩に抱えて陸に上がるのだった。




       「んうううんん!!!!!!!」




 滝壺付近に響く情けない声。


 水面から地面に上がったアイトはシロアを下ろした後、左手で必死に魔法の発動を試みる。



        「んんんんんああっ!!!」



 捻り出す感覚と共に、ボッという音と共に左手からわずかに火が出る。それは火属性の初級魔法、【ファイア】。


 (よし、簡単な魔法はなんとか発動できた)


 それを集めた木片にかざし、燃やし始める。焚き火をし始めたのだ。


 人目がないことをいいことに、アイトは上の服(特殊戦闘服)を脱ぎ、絞り、火の元でパタパタと必死に水気をとる。


 (たぶん滝の水が染み込んでるから魔法が阻害される。

  だから乾かせば、魔法が使えるようになるはず)


 「よし、これでいける」


 アイトは上着を乾かした後に他の服も乾かし、染み込んでいた水を完全に蒸発させた。


 「よし、これで魔法が使える」


 万全状態になったアイトは火と風魔法を混ぜた温風で、濡れていたシロアをすぐに乾かす。もちろん衣服はつけたまま。


 そうしている間に、隕石が自分の目で見えるほどの位置にまで落ちてきていた。


 隕石落下まで、あと数分も無い。


 「早く壊さないと!」


 仮面を付けて銀髪に変化したアイトは両手を隕石の方向に構える。


 (髪の染色魔法もかけ続けないといけないし、

  今残ってる魔力の‥‥‥8割くらい込めるか。

  髪の染色はこの件が終わったら他の方法考えよう)


 自身の体内で10個の属性魔力を融合。それでできた黒い魔力を両手に出力する。以前までの発動よりも数倍早い。アーシャとの授業の成果である。



 『それじゃあ、進化したから【終焉ver.2】だな』


 『いや普通に【終焉】でいいです』



 ふとアーシャとの会話を思い出していると各属性を混ぜ合わせた黒い魔力が音を立てて膨張した後、プラズマも発生し周囲に衝撃が走る。そして、その黒い塊を両手から放出する。



            「【終焉】」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 同時刻、マルタ森。


 (アイの魔力反応が戻った!

  それにこの魔力は、もしかしてーーー)


 エリスは魔眼の特性である【探知】で魔力反応が消えていたアイトを再び捉える。そして彼女が空を見上げた瞬間。


 とある地点から放出された黒い魔力のレーザーが隕石に衝突し、上空で大爆発を起こす。爆音と共に爆発の衝撃がマルタ森全体に届くほどであった。



        隕石が、跡形もなく消滅する。



        (さすが、私たちの代表ね)



  エリスは微笑み、魔法の発生源へと再び走り始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 マルタ森の中央付近。


 「おー、あれが前に見たレスタの魔法か。

  すごい威力。これで僕が壊す手間が省けた」


 「すごい‥‥‥やっぱりあの子、面白い」


 「あ! 使徒さん!?」


 『使徒』シャルロット・リーゼロッテは白い翼をはためかせ、空を飛んでいった。


 (まったく、伝説になる人は自己中が多いね)


 ルークはやれやれといった表情で動き始めた。まるで自分が自己中ではないような振る舞いをしながら。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 競技場。


 カイルはアクアの背中の服を引っ張りながら走っていた。身長差と体重差が激しいため引っ張られているアクアは床から足が浮いていた。


 「わ〜涼しい〜」


 「嬉しそうにしてんじゃねえよ!?

  まったく、早くミストに預けねぇと」


 カイルが自暴自棄になりそうになっていると突然、遠くの空で黒い魔力が爆ぜた。


 「おい! あの魔法はっ!! レスタじゃねえか!?」


 「あるじ〜すごい〜」


 アクアが脱力した声を出す。カイルはため息をついて走り続けていると、正面から誰かが自分の方へ走ってくるのが見えた。


 「アクア、カイル! 無事でしたか!」


 オリバーとミストがアクアたちと合流する。オリバーが安心した様子でミストを下ろすと、カイルは嬉しそうな声を出す。


 「おう。オリバーと、ミストじゃねぇか!!!

  おい大丈夫だったか!? 今動けるか!?」


 「は、はいぃぃ!! なんとかあ!!」


 明らかにカイルが嬉しそうなのは手に掴んでいる厄介事アクアを手放せるからだが、ミストはそれに気付いていない。


 カイルはニカッと笑いながら、掴んでいた厄介事アクアを離す。


 「あ、ミスト〜」


 「ひええっ!!?」


 そして案の定、アクアはミストの背中に飛びつく。あっという間に彼女の背中に寄生した。


 「やっぱりこれ〜。パシリの背中いい〜」


 「パシリじゃないぃぃぃ!!!!」


 ミストの絶叫にカイルとオリバーは思わず笑ってしまう。そしてその絶叫のせいか、またもや覆面集団が周囲に集まり始める。


 「チッ。また集まってきやがった」


 「ミストは安静にしててください。

  ここは僕とカイルで対処します」


 「オリバーが、1番やさしいぃぃぃ!!!」


 ミストは応急処置を受けたとはいえ、一度腹にナイフが刺さっていた状態であることをオリバーは心配したのだ。


 「アクアは‥‥‥起きたら手伝ってもらいましょうか」


 ほぼ諦めた口調でオリバーが呟くと同時に、覆面が遅いかかる。


            「おまた」



 すると毒の塊が覆面たちに降り注ぎ、アクアたちの前に紫髪の少女が舞い降りる。


 「! リゼッタ! 無事でしたか!」


 「待ってたぜ!!」


 「いえい」


 『黄昏トワイライト』No.8、リゼッタは無表情で親指を立てた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 マルタ森を抜けた平原。


 エリスは魔結晶を取り出す。


 「アイ、聞こえる!?」


 『ああ。さっき隕石を破壊した。

  おそらくこれで奴らの計画はほとんど潰せたはずだ』


 「さすがだったわ。まさに【終焉】ね」


 『あ、ありがとう』


 アイトは少し口籠る。終焉という名前を人に出されると恥ずかしさが込み上げてきたのだ。


 「これからどうするの? 幹部はわからないけど、

  出現した覆面集団はほとんど処理したし、

  生徒たちもそろそろ森から脱出できると思うけど」


 『そうだな‥‥‥それは俺が考えておく』


 「了解。今そっちに向かってるから。

  合流してから話を聞くわ」


 『わかった』


 アイトとの連絡を終え、エリスは移動を再開する。すると次第に、『三途の滝』が視界に入り始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 マルタ森。


 (ん? あの格好は‥‥‥)


 ルークは森を走っていると、とある3人組を発見する。そのうちの1人が、見覚えのある少女を抱えていた。


 「ーーーマリア!」


 ルークが思わず、相手に抱えられている少女の名前を叫ぶと、3人組が気付いて臨戦状態に入る。


 「チッ! サド野郎か!!」


 「あ! 王子さんだっ!! ど、どうしよっ!?」


 「集中! 絶対に油断しちゃだめだ!!」


 その3人組はエルジュの精鋭部隊『黄昏トワイライト』ターナ、カンナ、メリナ。


 メリナがアイトの姉で『ルーライト』隊員のマリア・ディスローグをお姫様抱っこしていたのだ。


 そんな彼女は、意を決してルークに話しかける。


 「ルーク・グロッサ! 私たちに交戦の意思は無い!

  この女を引き渡すから、攻撃しないと約束しろ!」


 「それはいいけど君、大丈夫かい?」


 ただルークと対峙しただけでメリナは冷や汗を流し、勝手に身体が震え始める。


 (これが王国最強、向かい合ってるだけで

  震えが止まらない‥‥‥!!

  エリスはこんなのと戦ったのか‥‥‥!)


 3対1で人質ともいえるマリアを有している。そんな有利な状況であるにも関わらず、彼女の危機感は募るばかりだった。


 「お〜い、大丈夫?」


 「女はここに置いておくっ!!」


 ルークに話しかけられたメリナは痩せ我慢でそう言い返し、マリアをその場に下ろす。ターナとカンナは警戒しながらそれを横で見ていた。


 「そうそう、あの隕石を壊したのはレスタだってね?

  僕から礼を言わせてもらおう。ありがとう」


 「うぇっ!? 王子さんに感謝されちゃった!!」


 「おい、なんで嬉しそうなんだ」


 漫才でもしているかのようなターナとカンナのやりとりを無視し、ルークは話を続ける。


 「その例と言ってはなんだが、今回は見逃そう。

  って言っても、実は君たちに構う余裕は

  ないんだよね。君たちの標的は覆面のみかな?」


 「そうだ。お前や学生、観客などに興味はない」


 「うんっ、ないっ!」


 ターナとカンナがそれぞれ返事をすると、ルークは可笑しそうに笑う。


 「だよね。じゃないとそこのマリアを狙わないことの

  理由に繋がらない。だから君たちよりも覆面優先だ。

  あれは君たちの仲間じゃないでしょ?」


 「当然だ。奴らはボクたちの敵。いっしょにするな」


 ターナが即座に言い捨てると、ルークは感心した様子を見せる。


 「それを聞いて安心したよ。

  ところでどうだろう。僕の部下とは言わないから、

  僕たち王国の部隊と手を取り合っていかないか?

  君たちほどの戦力を野放しにするのは、惜しいよ」


 「ボクたちに決定権はない。

  レスタにでも直接言ってみるんだな」


 ターナは淡白にルークの勧誘を切り捨てる。正直、敵ともいえるルークに勧誘され、嫌悪感が無かったといえば嘘になる。


 そのためターナは少し訝しげな表情を浮かべていた。それを悟ったルークは苦笑い。


 「残念だね。それじゃあまたの機会に。

  さあ、早く行って。僕の部下が来るかもしれない。

  そうなると僕も戦わざるを得ないからね。

  金髪の子も王国側を攻撃する意思が無かったから

  見逃した。だから信じてもらえるかな。

  もちろん、『勇者の魔眼』のことも誰にも言わない」


 「「「!!!」」」


 3人は声も出ないほどの衝撃を受ける。その事実はエリスが魔眼を隠さずに戦うほどの強敵という証だからだ。


 額から汗を流したターナは、喉を鳴らした後に口を開く。


 「‥‥‥1つ聞きたい。どっちが勝ったんだ」


 「一応、引き分けだったよ。ま、次の機会だね」


 「引き分け! すごいすごいっ!!」


 拍手しかねないカンナの能天気な発言を無視し、ターナはホッと息を漏らす。


 エリスは『黄昏トワイライト』の、いやエルジュ全体で最強格。それがルークに負けたとなると本人だけでなく、組織全体の精神的ショックは計り知れないからだ。


       (ま、負けるつもりはないけどね)


 そんな感情をルークは表に出さないまま、マリアを抱えて持ち上げる。


 「‥‥‥貸し借りは無しだ。じゃあな」


 「王子さん! またね〜!」


 「‥‥‥」


 3人が離れていく。ルークは自分に挨拶してきた銀髪ツインテ少女が面白かったのか、笑いだす。


 (そろそろ本気でレスタに交渉するべきかもね)


 ルークはそんなことを考えながら走り始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「クロートの様子が気になるが、避難を続行する!」


 マルタ森から抜け出した生徒たち。誘導していた『ルーライト』副隊長、ジル・ノーラスが呼びかける。


 「くそっ! レスタに逃げられた! あいつ強え!」


 「落ち着いてギル。別にレスタを仕留めるのが

  目的じゃないんだから」


 「そうです! 早く避難しましょう!」


 ギルバートたちがそんな会話を繰り広げる中。


 (アイトくん、すごかった〜!!

  さすが組織を束ねているリーダー!

  もっと続きを見たかったです〜)


 能天気活発王女ことユリア・グロッサは笑顔のまま避難誘導についていく。


 (そういえば、あそこにいるアイトくんは

  誰なんでしょう。魔力の波長も全く違いますし。

  ! もしやアイトくんの仲間で変装の達人!?)


 『賢者の魔眼』を持っているユリアは、今この場にいるアイト・ディスローグが別人だと気づいていた。


 「じ〜」


 そのアイト(別人)をガン見してしまうほどには気になっていた。


 (み、見られているのだ! もしやバレたのだ!?

  へ、変装は完璧なはず! 気のせいなのだ!!)


 ユリアからのキラキラ視線を背中に浴びた怪盗ハートゥは落ち着かなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 三途の滝付近、渓谷。


 「はあ、はあ。あともう少し」


 近くまで来たエリスは息が上がっていた。息を整えるために歩き出す。


 ルーク・グロッサとの死闘による疲労と魔力消費、それと移動に伴う体力低下。そして何より、アイトが無事だったことの安心と隕石の問題が解決したことによる達成感。


 そのせいか、エリスは珍しく油断していたのだ。



             シュッ。



 エリスの脇腹をナイフが掠める。少しだけ気配を感じ取って無意識に避けた結果だった。



 「ありゃ。無理でしたか。

  でも魔力が無いウチに気付いてませんでしたね?」


 エリスの背後でナイフを握り締めた少女が呟く。襲撃者の黒髪サイドテールが揺れていた。


          「ーーーっ!!」


 エリスは無意識に反撃に転じていた。伸びきった襲撃者の腕を掴んでそのまま膝を叩き込む。


 「いたっ!」


 少女は腕に走る痛みでナイフを落とす。エリスはそのまま一本背負いの形で投げ飛ばし、地面に背をつけた目の前の襲撃者を蹴り飛ばす。


 「なかなか、鬼畜ですね〜♪」


 エリスの追い打ちが直撃し、少女が呟きながら地面を転がる。


 (おそらくゴートゥーヘルの最高幹部。

  魔力を感じなかった。だから油断した。

  私の失態だ。でも、反省は後。

  今はすぐに、この女を仕留める!)


 エリスが走りながら剣を取り出して、倒れた襲撃者に振り下ろす。


            キィンッッ。



 金属同士の衝突音。赤い髪の大人びた少女がナイフで受け止めていた。


        「下がりなさい。邪魔よ」


   「え〜ウチのおかげで見つかったんですよ〜?」


 少女が横目を向けて忠告するが、襲撃者は食い下がった。


   「邪魔だと言ってるの。意味、わからない?」


 少女がそう呟くと、襲撃者は苦笑いを浮かべてナイフを鞘に戻した。


 「まぁ魔力ないとやっぱキツいですね〜。任せます♪」


 襲撃者ことゴートゥーヘル最高幹部『深淵アビス』第三席、クロエ・メルが立ち上がる。そして近くに座り込む。


 「でも、動けないんで見させてもらいますよぉ♪」


 「好きにしたら? 今は役に立たないんだから」


 そう言い捨てた『深淵アビス』第一席、ノエル・アヴァンスの周囲に圧がかかる。


 (! 重いっ)


 エリスはナイフを押し返すと、バックステップで距離を取る。その直後、先ほどエリスが立っていた地面に亀裂が入った。


 「いただくわ。その眼を」


 (! ‥‥‥気づかれてる!)


 エリスは一瞬動揺する。それをノエルは見逃さない。即座にナイフを納めて両手を突き出し、魔法を発動する。


 「【インフォージュン】」


 「!!」


 謎の圧力が迫ってくることを魔眼で予知したエリスは跳躍で回避。


 だがその頭上には、ノエルが先回りしていた。


 「やっぱり間違いないわ、()()()()()


 ノエルは呟きながら蹴りを繰り出す。エリスはそれを受け止めるも、蹴りの衝撃を殺せずに地面に落下する。


 (‥‥‥強い!!)


 粉塵が舞う中でエリスは立ち上がり、剣を構える。


 (でも焦る必要はない。魔眼のことを知られても

  蹂躙されないようにこれまで私はがんばってきた。

  今、目の前にいる怨敵たちを殲滅するために。

  アイ、私はここで自分の力を証明する!!)


 エリスの身体から少しずつ魔力が溢れ出す。まるで彼女の意思に応えているようだった。


 「今すぐ両眼をくり抜いて渡してくれるなら

  ノエルんは見逃すと思いますよ〜♪

  レスタさんに、会いたいんですよね〜?」


 膝を抱え込んで地面に腰を下ろしているクロエが、笑顔で話しかける。


 「ふざけるな。お前たちのような下衆どもが

  その程度で済ませるはずがない」


 「クロエ、あなたもう黙ってて?」


 エリスの殺意をさらに引き上げてしまったことで、ノエルに睨まれてしまったクロエ。


 「わ、わかりましたぁ〜」


 いつもは媚びた声を出すクロエも、今回ばかりは苦笑いも浮かべて控えめな声だった。


 エリスは腰を深く落として構えを取り、鋭い視線を対峙する相手にぶつける。


 正真正銘、怨敵の最高幹部との一騎討ちにエリスは微塵の雑念も無い。あるのは絶対に勝つという信念のみ。



   「まずはお前から叩き潰す。その後は生意気女」


     「さすが勇者の末裔。迫力()あるわね」


 そんな安い挑発にエリスは反応しない。フッと笑ったノエルがナイフを構える。その光景を近くに座ったクロエが眺めていた。


 (‥‥‥ノエルんVS勇者の末裔。お金取れそう♪)


 謎の組織『エルジュ』、犯罪組織『ゴートゥーヘル』での最強格である2人。


  絶対に負けられない決戦の火蓋が切って落とされた。

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