悩み相談の場所(8)
え、本当に短い……。
話を区切る所失敗したかも……。
かなり遅い時間の更新の上にこの文量……本当にすいません。
「……イオリはさ、その話を聞いてそう思ったんだろうけど……今思ってるその、才能を活かすためのことをやりたい、の前の夢は?」
「前の?」
「才能を活かして……の時、今は、って付けてたから、何かあるのかなぁ、って」
前世のこと……つまりは、特別になりたいこと。
でもその前にもボクはきっと、夢を持っていたはずだ。
それを、覚えていないだけで。
でもここでそんなことを言えば、一気に今までの言葉が、さらに薄っぺらくなる。
ただでさえ他人の薄っぺらい言葉を無理やり心に響かせているだけなのに。
もしかしたら【呪い】の逆転ではどうにも出来ないことが、起きてしまうかもしれない。
少しでも引っかかったものを誇張しているに過ぎず、引っかかっているものすら無くなって落ちてしまっては、彼女には何も響かず、残らない。
「……あったけど、それに才能が無いことを分かって、もう一つの才能があったから、そっちを活かそうかな、って思ってる」
「それって、本当にイオリのやりたいこと?
やれるからそれにしようっていう、逃げじゃないの?」
「ソレは違う。
それだけは、言い切れる」
特別になれる才能なんだから、間違いない。
「……そう言い切れれば多分、私も楽だったんだろうなぁ……。
それで結局、その夢ってのは?」
「本当に、漠然としていたんだ。
何かの、特別になりかった」
「特別……」
結局、忘れていたことは明かさず、そのちょっと後のことを話した。
「ボクは、今持ってる才能を発揮させれば、きっと特別になれる。
だから今は、この才能を活かしたいと思ってるんだ」
「羨ましいなぁ……私もそういうのがあれば、不安の中も進めたのに」
「必ず見つかるさ。キミなら」
「……イオリに言われたら、何となく大丈夫な気がしてきた」
明るく、本当に安心したような笑み。
それが、自分の【呪い】によって浮かべさせられているのかと思うと、ちょっとした罪悪感が生まれる。
それでも、今のボクが出来るのは、コレだけしかないのだ。
「……うんっ。ちょっとこのまま、頑張ってみようかな」
「もしまた、不安になったら来てよ。
その時はボクだけじゃなくて、さっきいたあの人もいるだろうからさ」
リーサリスがいればきっと、ちゃんとした、ボクのようなフワフワとしたアドバイス以外を送ってくれるだろう。
その先延ばしが、ボクの間違いだったのだ。
だって翌日――ボクはカナコの死を、ルーベンス先生から聞かされたのだから。
「彼女には、【呪い】がかけられていた」
その、ボクのせいだという証の、言葉と共に。