No.7 迷惑
リトルドラゴンも倒して集会所に行き依頼達成したことを確認した。なんかギルドカード見せると色々と特典がつくそうですので。
「初依頼達成おめでとうございます。こちらは依頼達成の報酬とドラゴン討伐の特典となります」
そう言い一枚の金色のカードを渡された。何これ売ったらお金になりそう。
「こちらのカードは鍛冶屋、アイテムショップ、武具店、錬金店などで使える無料カードです。このカードをもらった店はいつも以上の倍のお金がもらえるのと、使用者の武器の性能、能力、鋭さなどが上がる魔法が付与されています」
へぇー、そんなことできるんだ。じゃあ鍛冶屋のオーナーさんに渡しておくかな。
集会所を出て宿に帰る途中、鎧を着た人達が集まっていた。うわぁー、なんかデジャヴだな……。そう思いながら恐る恐る行ってみた。
「どうしたんですか?」
「あぁ、実はな、報酬が高い依頼があってな。それを受けたんだが内容がな……」
そう言い深刻そうな顔になった。え、何。
「内容が『パラス国王の娘の護衛』なんだ」
え?!あの風船親父娘いんの?!てことは娘も風船娘……!
「それがな、今あそこで揉めてんのがパラス国王の娘さんなんだ」
指差す方を見ると僕より4、5歳年下の女の子が怒り、それをまるで癒しのように聞いている男がいた。え?何あの人。
「あの男はグラス王国の王子なんだ。結婚相手にパラス王国の娘を選んだんだが本人は大反対してるんだ」
まぁ、たしかにあの男は無理だよね。僕が女だったら絶対に選びたくない人ランキングベスト5には入ってるよ。
「で、なんでみんなは止めないんですか?」
「グラス王国の王子は頭が悪くてな。なんかすると父親に頼んで最悪の場合全国指名手配なんてこともあるんだ」
うわ、めんどくさ!たしかにみんな近づきたくないよな……でもあの子がかわいそうだし……
「あ、じゃあ僕がなんとかしますよ」
「は?!何いってるんだ!そんなことしたら君が……!」
「大丈夫ですよ。帰ってもらうだけですから」
そう言い馬鹿王子と風船親父の娘さんのところに行った。
「やめてください!私は貴方とは結婚いたしませんわ!」
「デュフフフフ、そんなこと言わずにさぁ、僕と結婚しようよぉ」
この人近くで見るとあれだな。言っちゃ悪いけど顔汚いな。鼻水垂れてるし。デブだし。
「あの、すみません」
「ん?なんだお前」
「嫌がっているのでやめてあげた方がいいんじゃないんですか?」
周りの人たちがざわつき始めた。まぁ、自分が馬鹿なことしてるとはわかってるけどさ。
「なんだと?!僕はグラス王国国王、グラス・ランドロスの息子だ!その僕に逆らうと言うのか!」
あぁ〜面倒くさい。もういいや、強制送還してもらおう。そう思い手を馬鹿王子に当てて頭の中で『転移』の魔法をイメージして魔力を流した。すると、馬鹿王子が消えていった。うん、多分成功だな。どこいったか知らんけど。
「大丈夫ですか?」
「え、えぇ、助かったわ」
戸惑いながら御礼を言われたがなんか警戒されてない?まぁ、いいけどさ。
「とりあえずペトラさんのところに行きますので手を出してください」
「?これでいいかしら」
差し出した手を握り、もう一度転移を使った。さてと、城に着いたらすぐさま逃げよう。