No.5 初武器初依頼
時計が鳴り響き、僕は目を覚ました。
「はぁー……よく寝た」
時計を見ると朝の9時だった。こんな早い時間に起きて何をするかだって?武器を作るんだよ……自分で……。起き上がり、身支度を整えて鍛冶屋に向かった。
鍛冶屋に着くと鉄を打つ音が聞こえてきた。やっぱりこの辺は普通なんだ。魔法みたいに単語揃えて打つわけじゃないんだ。なんか安心した。
「すみません、ペトラさんの勧めで足を運んでみたんですが、ここで武器を作りたいのですが」
中に入るとスキンヘッドの男性がいた。おぉ、いい頭してらっしゃる。ここのオーナーかな?
「いらっしゃっい。武器を作りにきたのかい?」
「えぇ、ギルドに入ったんですけどまだ武器が無くて……」
怪しまれるかな?ギルドに入ってるのに武器がないなんておかしいよね。やっぱり買っとくべきだったかな。
「わかった。こっちに来な、作り方教えてやるよ」
あらら、見た目によらず話しが早いお方で何よりだ。
オーナーの後をついて行くと、作業場についた。なんか、暑くね?
「ここでは常に30個の釜の火をつけっぱなしにしてるんだ。一応窓は開いてあるから一酸化炭素中毒にはならないはずだ」
ならないだろうけど夏になったら熱中症起こしてしまうぞ。と心の中でツッコミを入れた。とりあえず【冷体】かけておこう。暑いの嫌いだし。
一時間かけて武器が完成した。と言っても、ごく普通の短剣だ。軽いし、オーナーが言うには動きやすいらしいから。あとは、ペトラさんに教わった強化魔法をかけておけば大丈夫かな?
「ありがとうございました。お礼と言ってはなんですけど、何か困ったことはありますか?」
お金がないから依頼をこなすことで許してもらうことにした。この人本当に見かけによらず優しいな……詐欺にあったりしないよね?
「ん〜……あ、そうだ。最近鉱山地帯で【リトルドラゴン】が暴れてるって言う噂があるんだ。それで調査してもらいたいんだが、もし本当にいた場合は討伐してくれ」
リトルドラゴン?小さな竜?何それコモドドラゴン見たいな名前。ちょっと気になるかも。
「その依頼承りました。では、依頼をこなしたら後ほど来ますので」
「あぁ、いい結果を楽しみに待ってるよ」
人に期待されるのっていつぶりだろう。なんかいい気分だな。
夏休み中に10話くらいまで書きたいと思っています。