No.4 初魔法
パラス国王によって僕はギルドメンバーの一人になった。とは言ったものの、メンバーは僕だけだ。マジで泣いちゃうよ。異世界に来て仲間がいないなんてぼっちじゃないか。本当に自分で自分が可哀想に思えてきたよ。くよくよしているとペトラさんに頭を叩かれた。
「何をしているのです?貴方は大量の魔力と魔法耐性を持っていながらも魔法を覚えていないなんて、一体学校で何を教わってきたのですか」
何って、二次関数と古典と英単語ですよ。だって、高校生なんですから。
「いいですか。まず魔法を使うには頭の中にどんな魔法を使うかを意識してその魔法の単語を並べるんです。例えば【煉獄】【炎】と言う単語を並べると【煉獄炎】という魔法が使えます」
そのまんまじゃん。なんか【ファイアボール】とかそう言うの期待してたんだけど。
「では、実際にやってみてください」
そう言うとペトラさんは「まっ、無理だろうけどな」という顔で僕のことを見てきた。なんか腹立つな。まぁいいや、適当な単語揃えよう。そう思い【炎】【水】【竜巻】と本当に適当な単語を揃えた。すると、すごい勢いで熱湯の渦ができ、そのまま消えていった。え、何、今の。
「貴方……一体どうやってそんな魔法を……私でも見たことないわ……」
そんなに?ねぇ、適当な単語揃えただけだよ?そんなに驚くもんなの?
「興味深いわ……もっと他の魔法を見せてちょうだい!貴方の魔力が枯れるまで!」
えー、この人めんどくさいひとだな……断ったらもっとめんどくさいし……やるか。そう思い嫌々魔法を使いまくった。
ようやくペトラさんの気が済み解放された。マジできつかったんだけど。足痛い時に外周10周させられた気分だわ。
「あぁ!疲れた!」
帰る前にペトラさんが宿の場所と泊まるお金を出してくれたのが不幸中の幸だったな。あぁ、疲れた。明日は武器工作か……明日も頑張るぞい。