愛情表現
私の名前は、霧霜望どこにでもいる高校生。でも一つだけ変わっていることがある。私は、お姉ちゃんのことが大好きだ。お姉ちゃんは口数が少ないけど、私と接してるときは優しいの。だから大好きなの。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
家へ帰ると部屋の奥から、お姉ちゃんの優しい声が聞こえてくる。私は、それに目掛けて家の廊下を行きよいよく走る。
「お姉ちゃん、愛してるよー。」
私は、部屋のドアを思いっきり開けて、お姉ちゃんにダイブする。お姉ちゃんの口からはぐはっと、空気の抜ける音がする。
「お姉ちゃん大好き大好き大好き。」
「わかったから放して。」
これが、私のお姉ちゃんの霧霜希、巨乳でいつも体のどこかを痛めている。
「あれーお姉ちゃん。また怪我したの。」
私は、お姉ちゃんに問いかける。理由は、お姉ちゃんは巨乳な上にスタイル抜群だから怪我をすると貶された気分になるのだ。だから問いかけるのだ。
「な、何もされてないし、怪我もしてないよ。」
「本当、お姉ちゃん望に嘘つくからな。でも信用するよ。でも、何かあったら私に相談してね。」
お姉ちゃんをいじめる奴は嫌いだ。例え、親友であろうと友達であろとも私はその人を許さない。だから私が守らないと。お姉ちゃんは体が弱いそんなお姉ちゃんを、死なせなんてさせない。
「お姉ちゃん。大好き。」
「わかってるわよ。」
お姉ちゃんの笑顔が、お姉ちゃんの可愛さが尊さが私に守れと命じてくる。愛って素晴らしいと思わせてくれる。
「お姉ちゃん、こんなに私が言ってるんだから、ホントに何かあったら言うんだよ。」
「わかったよ。」
はやり元気の無い返事が返ってくる。お姉ちゃんをこんな風にさせた奴を、殺さなくては。絶対に許さない。傷は女の子にとって残る物なのだから。
「お姉ちゃん、今日は何を作るの。」
「今日は、・・・」
「無いんだったら私が考えるよ。」
「それでいいよ。」
私は、お姉ちゃんの言葉を遮るような勢いで答える。
「じゃあ私カレーがいい。」
「カレーか。わかったよ。」
お姉ちゃんはカレーを作るのために、キッチンへと向かう。私達の家では、お母さんやお父さんは海外へ行っており私は、いつもお姉ちゃんと一緒だ。海外の仕事なので、家へは月に一回程度しか来られないのだ。そんな私だからこそ、お姉ちゃんがいつもいるせいで、重度のお姉ちゃん好きになってしまった。
「まだ、カレー作るのに時間かかるからテレビでも見てて。」
「わかったよ、お姉ちゃん。」
私は、お姉ちゃんが完全にキッチンへ行ったことを確認すると、こっそりお姉ちゃんのリュックからスマホを取り出し確認する。確認する内容はいじめのメールが来てないか。そいつが誰なのか。その二つだけだ。
「やっぱりきてる。」
お姉ちゃんの、スマホのパスワードを入力して現れた画面には、ラインの通知が尋常じゃないぐらいきている。それは、どれもこれもがいじめに関する内容で場所指定までされていた。私はその一つにラインを返す。
『今日駅前に来いよ。あと、時間は8時だからな。』
『わかりました。今日の8時ですね。』
『来なかったら、わかってるんだよな。』
お姉ちゃんにいつも傷がある理由は知っていたが。こんな奴らがお姉ちゃんをいじめてるんだ。でも、お姉ちゃんは死にたくても死ねない。だって、怖がりだもん。そんな可愛い私のお姉ちゃんを、いじめるなんて殺してでも止めてやる。
『本当にわかりました。』
『今日は、なんだかいいじゃないか。』
『えっと駅前でいいんですよね。』
『そうだよ。わかってんじゃねえか。』
私は、お姉ちゃんには行かせない。理由は簡単だ。お姉ちゃんが行ったら確実に殺られる。なら先手が勝利するこっちが殺ってやる。
「お姉ちゃん。ごめん、今日用事ができた。」
「分かったよ。作ってるけど食べてから行くの。」
「いや、今から行くから。お姉ちゃんくれぐれも自殺しないでね。」
私は少し強めな口調で言った。お姉ちゃんは、私がこれからする犯罪を許してくれるだろうか。まあ、こんな弱い私なのだから許してくれるはずだ。それに共犯にだってなってくれる。でも、これは私自身で片付ける。
時刻は午後7時を回っていた。周りは暗く、セミやバッタの鳴き声等はしない。私は携帯を取り出し連絡をする。
「あの、洋子、私今そっち行くからあれ用意しといて。」
『分かったよ。』
「あと、証拠を見たから今日決行で。」
『あれね。分かった、私あなたのことをかくまってあげるから。』
「頼りにしているね。」
本当は頼りになどしていない。私は、この世にお姉ちゃんさえ居てくれればそれで幸せなのだから。電話を切って歩き出す。私は彼らを殺すために、友達の洋子からあれさえ受けとれば確実に殺れるだろう。
「お姉ちゃん愛してる。」
私は世界の中心で、愛を叫んだ。それは、三白眼をキラキラとさせて夜を躍り狂うワルプルギスの夜のように。
「こんなに愛したことなんて、一度もないよ。やっぱりお姉ちゃんはすごいよ。アホな私をこんなにしてくれるなんて。」
狂気を道行く人達は目をそらす。彼女を人間のクズとでもいうように。でも、それを彼女は知っている。彼女はお姉ちゃんに取り付く妖怪だから、彼女はアホでどじだから。彼女には、いつもお姉ちゃんという光一つだったから。だから彼女は、彼女を取り繕う人間を片っ端から殺していく。だって魔女はいつも刈られる側なのだから。その前に魔女は殺らないと殺されてしまうもの。
「お姉ちゃん。やっぱり私は愛しているよ。」
彼女はお姉ちゃんの愛の再確認をする。自分の愛の形を確かめながら。彼女は立っている。美しいくらいの狂気を顔に浮かべながら。世界で、誰にも理解されない親愛を浮かべながら。
ピンポーン家のチャイムが押される。私は玄関のドアを開け放つ。
「どうも、待ってたよ望。」
「こんにちは洋子いや違ったね。こんばんは洋子。」
私は歓迎の挨拶で相手を出迎える。可愛い私は目の前の人物(望)のことを愛しているし彼女の事情も知っている。だから私は彼女に協力する。私の家族は全て殺した。だって私の邪魔をするのだもの、それなら殺さなくちゃいけないでしょ。死体は家の地下室にある。私は近っずきたくはない腐敗した肉の匂いがするから。
「望これが例のものだよ。」
私は段ボールを望へと受け渡す。その段ボールの中の物は、私が改造したモーニングスターが入っている。私は望が持ってきたモーニングスターを、殺傷能力を高めただけなのだが、一苦労だった。理由はこの武器が、重かったからだ。でも、ただ重いだけではない。ネットから仕入れた外国のモーニングスターだからだ。
「洋子、私あなたに頼んでよかったは。」
この何も知らなそうな重水で無垢な顔が、私の心を削り取るかのように突き刺さる。もっと彼女を知りたいもっと彼女をみたい。という衝動が自然と私の体から涌き出てくるのだ。
「よかった。私望に嫌われたくないから。」
「ごめんね。こんなひどいことさせて。」
私の言葉に被せるように、すぐに言葉を返す望。あぁ可愛い私が新鮮な汚れなき眼に見つめられている。彼女をもっと知りたい。
「望ちゃん、愛を貫いてね。」
私は助言のように言葉をはくが、彼女にはそれが聞こえたのだろうか。すぐに彼女は、私のことを抱き抱えるように抱く。彼女に忠告などした私なはバカなのだとすぐに気づく。彼女の目にはもう、彼女自身の愛を貫き通す決意がみなぎっているのだから。彼女の愛は私には向かない。でも彼女を愛していたいの。そのための心の準備は家族を皆殺しにしたときから決まっていた。
「私は行くわ。」
「いってらっしゃい。私はあなたを心の底から愛してるだから無事に帰ってきて。」
彼女は私を抱いた腕を、どかして後ろに振り返り前に進む。私は小さな声で呟くように吐く「私が全て背負ってあげる」。
全てを背負う。簡単な恩返しすらできないで、終わるなんてことはしたくないの。だから私は、私なりの考えで彼女を守って見せる。
「私は君に救われたのだから、霧霜望。」
私は一人だった。でもそんな時、私に光が訪れた。彼女はツインテールを伸ばした可愛らしい天使のような様子だった。私の求める思考その者だった。
依頼されていたものですがどうでしょうか。