表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

その14

 メイは、丘を降りながらミコトに尋ねた。

「ミコトさんはこの後、若青龍を自分の体に入れて伊勢に行くつもりなの?」

「そう思ってたんだけど…やめる」

「どうして?」

「若青龍さまに納得してもらわないと意味ないのかなって。ちゃんと話を聞いて、どうすればみんなが幸せになれるか考えたいっていうか…」


「やっぱりミコトさんは翔太さんと紗由さんの孫ってことね」笑いだすメイ。

「う、うん」

「ミコトさんが言う“みんな”の中には、若青龍さまも入ってるってことよね」

「60年はうちを守ってくれてたらしいし…」


 メイは思った。

“ミコトさんなら、若青龍さまを説得できるのかも…でも…それって、翔太さんと紗由さんにも出来なかったことなのよね…長年、付き合いのあったお二人にも出来なかったこと…”


「どうした、メイ。考え込んで」

鈴露が尋ねると、メイは少しごまかしたように返事をした。

「え…あ、うん…ミコトさんが伊勢に行かないとしたら、ジェット機の人たちって…」


「俺のこと追いかけてったんだっけ…呼び戻した方がいい?」

 メイに聞くミコトを見ながら、鈴露はくすりと笑った。

「何がおかしいのよ、鈴露」

「ジェット機じゃなくて…いや、いい。大丈夫だろ。着いたら連絡あるさ」

“僕が俺になってるんだよなあ”


「怒ってるかなあ…」声が小さくなるミコト。

「駆おじさんも深潮おばさんも心配してたからなあ」

「いや。そうじゃなくて、若青龍さまだよ」

 ミコトの言葉にメイがため息をつく。


「ミコトさん。そもそも、若青龍さまを清流旅館から追い出したがってたのは、あなたじゃなくて、周りの能力者たちなのよ」

「俺が体と心を乗っ取られずにいたら、よかったっていうか…」

 ミコトの言葉に、さらにため息をつくメイ。

「だったら、いっそ、ミコトさんが若青龍さまを乗っ取って、やんちゃをやめさせればどう?」


「そっか! それがいいよ、メイさん! 俺がそう出来るようにして」

「え?」

「メイさん、顔がキレイなだけじゃなくて、頭もいいんだなあ」

「…本気で言ってるの?」

「うん。西園寺の女性はもれなく美人だよ。なあ、鈴露」

「えっと…」困り顔のメイ。


「その発想はなかったよ」笑う鈴露。

「祭だって西園寺の血を引いてるんだぞ。美人だぞ」

「だから、そっちじゃなくて、おまえが青龍さまを乗っ取るって話」

「“命”さまたちは、そういうのできないのか?」

「聞いたことないな」答える鈴露。


「でも…ミコトさんの体に入った時に、意識を乗っ取られないようにして、逆にこちらの考えを相手にインストールするとか…」

「インストールか…」

「あー、でも、相手が納得してくれてということになると、洗脳…かしら」

「俺、洗脳なんて、したことないなあ」

「普通、ないよ」

「そうだわ。祭ちゃんに泣き落としてもらえばいいんじゃない?……あー、ダメだわ。相手は筋金入りのストーカーなわけだし…」

 そうこう言っているうちに、清流旅館の玄関に到着する3人。


 玄関を上がろうとする鈴露にメイが問う。

「鈴露。今日、これからミコトさんがどういう一日を過ごすか、読んでくれない?」

「え?」足が止まる鈴露。

「清流旅館がどうとかじゃなくて、ただの占い。どう?」

「…“命”の力は、そんなことのために使うものじゃない」


「そうよね…。“命”でない人に聞けばいいんだわ」笑顔で玄関を上がるメイ。

「誰に何を聞くの?」

 ミコトの問いかけに、メイはニヤリと笑った。

「その前に、直接、四神さまたちに、3つ質問をするわ」


  *  *  *


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ