中学(一部)~滋賀長浜旅行編
プロローグ
それは、私が山県から引っ越した時から決まっていたのかも知れない。
山県優菜。
本編― 中学編
「私は、山県優菜です。鉄研部と古い町並研究部の部長を務める中学二年です。私は、山県市出身で、この辺りには、まだ、来たばっかりです。」
「お互いの部員、鉄道も古い町並もどっちも好きなので、毎日、合同部活になっています。」
「アイデアを出し合い、低予算で、鉄道模型のジオラマを作ったり、時に町を観察したり、時には、鉄道に乗り、写真を撮って来ることもあります。」
「部活の紹介は以上です。」と優菜は、言う。
引き続いて、優菜は、しゃべりだす。
「私のなかのいい友達についても紹介します。」と言い。
たまたま、歩いてきた、廊下の二人を見るなり。
「あら、ちょうどタイミングがいいわ。」優菜は言った。
優菜は、紹介する 。
「彼女が、郡上知美。彼女たちは、私と同じような境遇だから、仲がいいわ。」
「そして、彼女が八木沢みおだわ…。」
八木沢みおは、喋りだす。
「私の父は、長野県上田市出身。母は、美濃加茂市出身で美濃太田駅の電報略号から、「みお」になりました。ずっと長野県育ちなので、岐阜のことは、まだまだわかりま・・・・・。」
「うわっ、びっくりした。」と優菜が言う。
その後ろには一年の笠松ヘラがいた。
ヘラは、言う「へへ、驚いた?」
で、優菜は言う「こっちは、入学予定者説明会の最中なんだけど・・・。」
みおは言う。「ヘラちゃんは、相変わらず、気配を消して、“背後霊”になるのが、うまいですわ。」
ヘラは言う。「やった☆、先輩にほめられたー!。」
知美は、「今のは、ほめ言葉か?」首をかしげて、言う。
ヘラは、笑いながら、廊下を走って行く。
すかさず優菜は、「廊下は走らない!!」と言い、独り言のように、「まったく最近の若い子は・・・。」とため息をつきながら、言った。
そして、優菜は案内を続けた。
その時、新入学予定者から、質問が出た。
「郡上知美先輩とさっきの先輩はどこ出身ですか?」
優菜は、答える。「笠松ヘラは、たしか、春日町の方の笠松町出身。郡上知美は、郡上市出身だわ。」
もう一つ、質問が出た。
「なぜ、生徒会ではなく、鉄研部と古町研部が学校案内をしているんですか?」
優菜は答える「一年ごとに、案内する部活は、変わりますよ、あと、かつては、生徒会の役割が、多すぎた時期があったためで、ある程度の学校紹介さえすれば、あとの紹介は自由です。」と答えた。
入学予定者たちは、ざわついて、「絶対ハーフやんなー。」と何人かが言う。
すると、優菜は「ハーフだからって、からかったら、あなた達“タダ”じゃおかないから・・・・なーーんてね!」と言った。
入学予定者達が、ヒヤッと、同時にホッとした瞬間だった。
それから時はたち、笠松ヘラもいよいよ高校二年になる直前の春の時だった。
長野の高校の通っている、八木沢みおも誘う事にし、長浜鉄道博物館や、黒壁ガラス館に行き、その後、山県の高富線の痕跡を探し、そして、郡上八幡に行き古い町並を散策、そして、二股隧道で肝試しと言う、スケジュールだ。
電話で、約束して、2014年、三月十七日(月)に出発することにした。
あの、笠松ヘラでさえ、わくわくして、宿題を終業式後に始めて、前日の日曜日には、終わらせていた。
そして、出発の日の2014年三月十七日が来た。
長浜駅で、落ち合う事にしていた。
笠松ヘラは、一時間前から、岐阜駅6番ホームで名古屋八時八分発の快速、米原行を待っていた。
約十五分前に優菜と知美は来た。
ふたりは、同時に「えっ!?。ヘラが私たちより、早いなんて、風邪でも引いた?。大丈夫?」と言う。
笠松ヘラは、言う「しっ、失礼な、声まで、ハモって、異口同音に言わなくても、」と。
知美は、「ヘラちゃん、異口同音って、知ってて使ったの?それとも、偶然?」
ヘラは、言う。「知ってるよ?」
山県優菜は言う。「珍しい・・・。」
ヘラは、反撃する。「テストは、赤点とらないし、成績、点数も学年通して、トップだけど?」と言い、通知表と、写メを見せた。
「マジか・・・・・。」
知美と優菜は、開いた口が、ふさがらなった。
すると、快速、米原行が優菜たちのいる、岐阜駅に到着した。
それに、乗ると、八木沢みおが、居た。
一同は、思った「着物かよ・・・・。」
察したみおが、「いつも、なんです。高校も、普段は服装が自由なので、着物ですよ。」
知美は、言う「すげーな。」
そうこう、会話をしているうちに、大垣駅に着いた。
「大丈夫ですか切り離し。」みおが言う。
「大丈夫だよ。前2輛が米原行で、今、先頭に乗ってますから。」
一同は、米原で、敦賀行きに、乗り換えた。
時刻表よく見ると、姫路発、敦賀行き、新快速で、米原から、普通だった。
笠松ヘラは言う。「姫路と言えば、さおりさん?」
山県優菜は言う。「ナニソレ?」
八木沢みおは言う。「知っています。厄神さんですよね?」
郡上知美は言う。「同時期に原型ができた、幡生ペデスタルのほかの作品を出すで、ない。」
そして、敦賀行きは、発車した。
本編―長浜編。
まもなく、長浜。長浜です。
ようやく、長浜に着いた。
駅の改札から出て、しばらくして、みおは、言う「やーーーっと、着きましたね!」と。
優菜は言う。「みおちゃんは、長野からずーっと列車に乗ってましたからね。」
みおは言った。「フラフラしますわ@。」
みおは、バランスを崩した。
すると、後ろから「フギャニャ。」とネコが踏まれた時の断末魔のような声が聞こえてきて、ヘラが「痛いじゃんかー八木沢さん。」
みおは、「そーいえば、背後霊がいましたね。」と言って倒れる。みおはすぐ目を開けたが、まだ、ふらふらする様子だ。
そこで、優菜はすかさず、「こういう時のためのステキな、登山ステッキ!」
一同「・・・・。」
「ちょちょちょちょシラケないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(泣)。」
と優菜の悲痛な叫び声が辺りに響いた。
近くにある、長浜鉄道博物館はすでに開館時間を迎えていた。
山県優菜や八木沢みお、そして郡上知美もD51‐793号機やED70のトップナンバーとやらを撮っていた。
笠松ヘラもしばらくは撮影していたが、全部撮り終えて飽きてしまった。
笠松ヘラは言う。「私の写真撮ってよね?みお先輩?」
八木沢みおは「いいよ。ヘラちゃん。撮ってあげるわ。」と言い、ED70‐1の運転台に笠松ヘラを座らせて、パシャパシャと写真を撮りだした。
すると、近くにいた男性が八木沢みおに「良かったらこれを」と鉄道の制服の帽子を渡して来た。
八木沢みおは男性に「ありがとうございます。」といい、ヘラに帽子をかぶせて撮影を続ける。
八木沢みおは言う。「いいわね~ヘラさんかわいい・・・・。」
八木沢みおは、どうやらモードに入ってしまったらしい・・・・。
しばらくして、八木沢みおは冷静になり、男性帽子を返し、お礼をあらためて言う。「本当にありがとうござました。おかげでヘラちゃんかわいく撮れましたわ。」
男性は言う。「いやいや、なんか本当にお似合いですね。」
山県優菜はみおとヘラを呼ぶ「みおー。ヘラーそろそろ行くよー。今から歩いたらちょうど、着いたころには昼だから~。」
そんな感じで長浜鉄道博物館を後にした。
三人は長浜の中心を目指し歩いていた。
笠松ヘラが言う。「あれ?郡上先輩は?」
山県優菜の顔が一気に青ざめた。
八木沢みおは言う「優菜さん?どうしました?」
「トイレに入っていた知美を置いてきたーーーーーー!!!!!!!」と山県優菜は叫ぶ。
笠松ヘラはバスを指さして言う。「郡上先輩バス乗ってるーずるーい。」
みおと優菜はバスを見るなり驚く。郡上知美は地元民と同じ雰囲気を醸し出して、湖○バスに乗っていたのだ。
優菜とみおとヘラは慌てて次のバス停まで向かった。
真っ先にバス停に着いたヘラは言う。「イッチバーン!!!」
しばらくして湖国バスはバス停に停まった。
郡上知美は運賃を支払い降りてきて、三人に言う。「私を置いてきて、タダで済むとでも?」
山県優菜はバス停前で土下座をして言う。「今回は本当に面目ない。」
郡上知美は「そう言うのが欲しいんじゃなくて・・・・・・・」と言いメガネを上げる。
笠松ヘラは言う。「知美先輩このメガネどこで買ったの?似合ってるよ?私も欲しい~。」
郡上知美は照れながら言う。「あっ、ありがとう・・・・・」
笠松ヘラの一言で一気にその場が和んだのは言うまでもない。
昼食は長浜の中心部にある、まち家横丁の二階にある、カフェ・カ○ンで近江牛黒カレーを食べることにした。
八木沢みおは言う。「ここのカレー、すごくお肉が柔らかいですわ。いつ来ても、おいしい~。」
郡上知美は言う。「みおさんが、“このお店ぜひみんなに”と言った理由がわかりますわ。」
山県優菜は言う。「みおって、あんまりおいしいとか言わないよね?」
郡上知美も言う。「おすすめも店もあまり教えてくくれませんし。そう言えばおすすめのコーヒーの飲める喫茶店教えて。」
八木沢みおは言う。「岐阜のウェザーリ○ートのコーヒーはブラックでも程よく甘い香りが楽しめるから、個人的に好きですわ。」
笠松ヘラは食べるのを少しやめて言う。「あれ?あの喫茶店は私の家からそう遠くないよ?」
八木沢みおは言う。「そう、あそこですわ。」
今回は郡上知美を忘れて置いて行った罰として、山県優菜が全員分の食事代を支払った。
一同はカフェ・カノンを後にし、黒壁ガラス館に向かった。
黒壁ガラス館は、いろとりどりのきれいな、かわいいガラスたちで、いっぱいであった。
「これいいなー彼氏へのお土産買ってかーえ―ろっと。」と言うと、一同に衝撃が走る。
(私たち彼氏とデートはおろか、付き合ったことすら、なかった。)と、一同が考え込んでいる間に、ヘラは、お会計を済ませて、一同のもとに、戻る。
一同は、冷えたガラスの様に固まっていた。
ヘラは、指先で突っついた。「どーしたの?」と言いながら。
すると、みおが「あら、ヘラちゃん戻っていたの。」
一同のまわりのガラスが消えた様に、動き出した。
優菜は言う。「長浜駅での撮影に、レッツゴー!。」
一同は合わせて、「ゴーー!!」と言った。
長浜駅に着いた頃、時間は十八時を回っていた。
長浜駅は、ちょうど時間的に、帰宅ラッシュだった。
カメラを構えて、二本目で、なんと、原色の、臨時、新快速117系が、突然来た。
八木沢みおは言う。「117系は撮れましたし、混んでますので、撮影はもう今日のところは、終わりにしましょうか。」
優菜は言う。「そうだね。」
知美も言う。「それな。」
ヘラも言う。「わかった。」
そして、次の旅に備えて、宿を探すことにした。
予約はしてなかったが、宿はすんなり見つかり、山県優菜と郡上知美、八木沢みおと、笠松ヘラの部屋割りで泊まることになった。
ホテルの部屋で、山県優菜は言う。「今日は楽しかったね。」
郡上知美も言う。「ほんとに、楽しかったわ。」
一方、八木沢みおはホテルの部屋で疲れて制服のまま寝てしまった、笠松ヘラを見て、「今日は慣れないことしてヘラちゃん疲れたね。おやすみ。」と言いヘラに布団をかぶせて、自分は寝間着に着替えて、布団に入り寝たのだった。
三学期のかくしごと(後編)に続く。