ニートの上司は幼女に限る!?
いつもの字数より多く書きました。楽しく読んで貰えれば嬉しいですううう!
俺たちは目の前に映る街を見て心を躍らせながら坂道を下っていた。
「お、入口が見えてきたぞ!アリス!!」
スキップを踏みながら歩く田中は楽しそうにアリスに話しかけた。
「そうね!そんなに浮かれてるけど、この街に来た目的を忘れてないでしょうね?」
「もちろんだ!適正職業を見てもらうんだろ?任せろって!!」
アリスは少々田中のテンションの高さに引いていた。
ーー2人は街の入り口に到着した。
「近くで見ると本当に大きな入り口だな〜なになに〜『カラナルの街』って言うのか〜!」
田中は入り口の門に大きく掘られた街の名前を読み上げた。
「おい、アリス!この世界の文字はあっちと同じで変わんないぞ!!」
田中は驚いた様子でアリスに言った。
「あんたね……ラフィーナさんもさっき日本語話してたでしょ!?ならこの世界の言語がないって事は文字も無いって、だいたい予想できるでしょ?バカ?」
(こいつ…実はちょっぴり頭が良いのか?…)
「ま、そんな事は予想してたけどな!」
田中は見え見えの知ってた感が出ていたがアリスはそれ以上便乗してこなかった。
「それより、早く向かうわよ」
「は、はい」
(何だよ、反応に困るだろうが……)
ーーー2人は街行く人に適正職業アドバイザーの店を聞きながら何とかたどり着いた。
「やっと着いた〜!」
田中はヘトヘトだった。
「中に入るわよ!」
アリスは全く疲れてない様子で店の扉を開けた。
『いらっしゃいませ〜♪ご主人様♡』
田中はブヒった。(歓喜した)
「ご褒美タイムキタアァーーーーーーー!!!!!」
目の前にはメイド姿の桃色の髪をした美少女がお出迎えしてくれた。
「こちらのカウンター席へどうぞ〜♡」
目の前に立っている美少女は前髪を上げて、後ろ髪は腰まで伸びた桃色の髪をなびかせて笑顔で出迎えている。
その姿に田中は口を開けて見惚れていた。
(か、可愛い……)
「マジ最高!桃色の髪の毛が地毛とか女神!いや、オタク達を従える神様か何か?!!!フォーーーーーーー!!!!!」
田中は拳を上げてグルグル回していた。
「あ〜そういうのいいんで」
メイドさんは完全に田中を無視した。
(何か冷たくね?………メイド服の子に冷たくされるのは辛いな……)
「こちらへどうぞ〜!」
田中とアリスはメイドさんに案内されカウンター席に座った。
「2人来ました〜!」
メイドさんはカウンターの奥の扉に向かって叫んだ。
すると、扉から1人の小さな女の子が出て来た。
「眠いなぁ〜……」
田中は胸がキュンっとなった。
(まさかのメイドに続いて幼女登場とかヤバすぎだろ!最高かよ!ラノベ主人公かよ!あ、ロリコンじゃないんだからね、本当だよ」
「あ〜フィギュアで死んだ子と〜きもだめしの子か〜」
その言葉に田中とアリスは即座に反応した。
「おい、待てよ!幼女!!!何で知ってんだよ!それを!!」
「ちょっと!何でそれを……」
田中は焦って小さな女の子に問い詰めた。
そんな中、アリスは顔を真っ赤にさせてたじたじだった……。
「何でって〜2人を採用したの私だし。死因しってて当たり前じゃ〜ん?てか、幼女言うなし!」
田中は白目で立ち尽くしていた。
「え……待て!幼女に俺は雇われて、女神様にも会えずに、いきなり雇い主が幼女だと……」
「やだな〜女神にはもう会ってるわよ!」
その言葉に田中は驚いた。
「ど、どこだよ?!!!」
小さな女の子はムッとした表情で言い放った。
「私よ、わ、た、し!!!!」
田中はため息をついてボソッと呟いた。
「いやいや、女神様じゃなくて幼女様じゃね〜かよ…まぁ別に嫌じゃないよ、うん」
「だから!幼女言うなし!!」
そんな会話をしている間にアリスがやっと冷静になった。
「私も、あんたに雇われたって事で良いのかしら?」
済ました態度でアリスは話していたが全く決まってなかった。
「いや〜私じゃないな〜あなたの担当は」
ーーそう言いかけた瞬間、お店の入口が開いた。
「すみません、遅れました」
そこにはアリスと同じ金色の髪をした女性が立っていた。
(同じなのは髪の色だけか…体型はアリスの3倍ってとこか…)
「遅いし!」
「ごめんなさい、私が採用したの子は〜」
アリスの顔を見て優しく笑った。
「貴方がアリスさんね!」
アリスは少し顔を赤くして頷いた。
(コミュ障かよ……)
「え〜っと、話にもどるから〜」
4人はカウンター越しに向かいあって話し始めた。
「俺とアリスは適正職業を見てもらうためにこの店にやって来たのに何で、その…雇い主がここにいるんだよ?」
田中が問い詰めた。
その質問に全く聞く耳を持たず、小さな女の子は自己紹介を始めた。
「私はシャルロット・アズナス・フレーザー!シャルで良いよー」
シャルロットに続いて金髪の女性も自己紹介を始めた。
「わたくしはシーナ・メイフォード・フェルナントです。呼び方は何でも構いませんよ」
(こいつら、俺の話し聞く気ないだろ…てか、ワザとだろ!)
シーナさんが優しい笑顔で名前を名乗る姿を見てアリスは緊張が解けたのか調子に乗り始めた。
「そう!じゃ〜巨乳で!!」
「それはちょっと……」
シーナさんは苦笑いで言った。
「んぅ……私の名前は柊・ルイムド・アリスよ!!!貴方が私の雇い主のおっぱいね!宜しく頼むは!!」
「その名前もやめて欲しいな……」
アリスは舌打ちをした。
(こいつ妬んでるな…同情するぜ!)
「あ〜この店に雇い主の私らがいんのは、普通にアリスちゃんに地図渡したのシーナだし、ここくんの待ってたって訳さー!」
確かにここまではアリスの地図を見ながら行き着いた。 俺の地図は小学生が書いた宝物探しの地図レベルの物だし…全く持って無意味だった。
「おい、待て!聞き捨てならないぞ!普通に渡した?俺のはきったねぇ〜地図が封筒に入ってただけだったぞ!!」
「めんご、めんご〜それ、私が書いたからね〜急に死なれても準備がね〜いや〜アリスに出会って良かったじゃん!出会って無かったらこの世界でもニートになるとこだったね〜☆」
「良かったじゃん!じゃねーよ!!!」
「で、アリスさんとえっと………ニート?」
「田中健太です…」
(おい、ちゃっかりdisりやがったろ…)
「すみません、アリスさんと田中さんはどうやって出会ったんですか?」
その質問は最悪だった………アリスは頰を赤らめて涙目で叫んだ。
「こ、こいつが、こいつが…こいつが……見知らぬ私の顔にオシッコを掛けて、喜び、自分の偏った欲望を満たすために私に…………オシッコを…。」
その言葉に店内はとんでもない空気になっていた。
「いや、違うんだ、違わないけど、、、その…えっとぉ……その………」
俺は助けを求むように辺りを見回した。
奥で机を拭いていたメイドさんも聞こえたらしく、俺に笑顔で中指を立てていた。
「そ、そうだ!ア、アリスだって俺の全裸を除いたじゃねーかよ!!!」
その言葉にアリスは慌てて反論した。
「ち、違うわよ!ア、アレは田中が……」
言い訳をする前に田中が即座に追い打ちをかけた。
「俺の家でシャワーも浴びて!名前も知らない仲だったのに人の家のシャワーを使うなんて!!この、ビッチ!!!」
「だ、誰がビッチよぉ!!糞尿が趣味の変態のくせに!!!」
「そんな趣味ねーよ!ビッチ!!」
「女の子を連れ込んでシャワーを浴びさせた変態!」
「森の中で服脱いでただろ!露出狂!!」
「ちょ、あんた!ずっと私の着替えを見てブヒってた訳?変態、最低、変態、スケベ!!!」
「見てねーよ!アリスの体なんか見ても何とも思わないぜ!!」
「な、何ですって!!!」
2人は言い争いを始めた。
「2人はどんな関係なんでしょうね^ ^ 」
シーナさんは満面の笑みでシャルとその光景を楽しんでいた。
「ま〜2人の仲の良さは分かったから〜適正職業の話を良いかなー?」
シャルの言葉を聞いて、田中とアリスは言い争いを辞めた。
「じゃ〜適正職業を調べますか!!!」
「「オォーーーーーーーーーー!!!!!!!」」
2人は目を輝かせながら叫んだ。
良ければ〜次回もぜひ読んでください!
「口内炎きつい…」
では、次回!




