出会いと過ち #3
今回はいつもより、ちょっぴりだけ長く書きました!
アリスは扉を開けて家具も何もない部屋を見回すと田中を睨みつけて言い放った。
「何も無いじゃない……何よコレ!!!」
田中は慌てて説明した。
「今から作るからね……」
アリスは扉を叩き締めて、田中の方へと近づいてきた。
「次にくだらない冗談言ったら殺すわよ!」
田中は扉へ手を掛けて言った。
「みとけよ!!!」
田中は玄関と洗面所が欲しいと願いながら扉を開いた。
ーーすると、玄関が現れ奥には洗面所の扉が現れていた。
「冗談じゃないだろ!」
田中はドヤ顔でアリスをみて言った。
「まぁ、当然ね!シャワー浴びるから覗いたら殺す」
覗かねーよ……
アリスがシャワーを浴びてる間、田中は部屋で捨てられて居なかった物を探していた。
「服は捨てられてないぞぉ!!」
田中はクローゼットの中の服を取り出した。
「ジャージの上下が3着、厨二全開の時に買ったコスプレのローブ諸々が10着か……」
だが、前の世界じゃ外で着る勇気がなかったコスプレ衣装もこの世界なら普通かも!むしろ地味かも知れないな!!よし!!!
田中は早速服を脱ぎ出した。
「やべっ、パンツ………」
田中は誤ってパンツまで降ろしてしまった。
ーーそんな時、アリスはシャワーを浴び終わり田中の居る部屋の扉を開けた。
「あっ」
「ひつぅ…」
田中は全裸の状態でアリスに気づき振り向いた…
「ひつぅ…ひっ…し、しっ、死ねぇ、変態、露出狂、変態!!!!!!」
アリスは腰にある拳銃を抜こうとした瞬間、拳銃を洗面所に置いてきてしまった事に気付いた。
「ま、待て!お前が勝手に開けたのが悪いよなぁ!?すぐ着るから待てって!!俺は悪くないぞぉ!!!」
アリスは真っ赤な顔を隠すようにして田中に近づいて来た。
「待てって!やめろよ!!なぁ……平和に行こうぜ!!」
アリスは冷たい目でこちらを見て言い放った。
「歯食いしばりなさい」
俺はその言葉を聞いてやな汗と共に叫んだ。
「ア、アリスちゃんのえっちぃーーーーー!!!!」
ーー俺はその場でフルスイングビンタを何発も叩き込まれ意識が朦朧となるまでぶたれ、床に倒れた。
くっ…くそぉ……許さんぞぉ…一泡ふかしてやる………。
田中は床に倒れたまま動かなかった。
「さっさと着替えなさい!」
アリスが部屋から出ようとした瞬間、田中はアリスの足を掴み部屋へと引っ張った。
「どうしてくれよう……」
全裸の田中は立ち上がると笑いながらアリスに問いかけた。
「どうして欲しいかぁ?ウヘヘヘヘへへへへへ〜〜」
「な、なっ、何よ!あんた……何させる気よ…」
田中は服を着て超ドヤ顔で扉に手を置き言い放った。
「今日は勘弁してやるぜっ!!!」
田中は部屋を出て外へと飛び出した。
「あ、あぶねぇ……正気を失うところだったぞ…」
ーーしばらくして田中は部屋へと戻って行った。
「さっきはすまんアリス…」
部屋にはアリスが座っていた。
「まぁ…こっちも、ちょっとだけ悪かったわ……」
俺はその言葉を聞いて嬉しくなった。
「そうだ、さっき話していた適正職業の事を教えてくれよアリス!」
アリスは腕を組んで、待っていました!っと言わんばかりの顔で話し始めた。
「そうね、適正職業の話をしてあげるわ!! この近くだとさっきの森を抜けると街があるからそこであなたの適正職業を見て貰えるはずよ」
森とは反対側に割と大きな街が見えた事を思い出した。
「森とは反対側にも街が見えるけど、そこは無理なの?」
「あの街はモンスター討伐の勇者様たちが、アイテムや倒したモンスターを売りに来てるから商人達も勇者向けの金額ばっかで物を販売してるのよ!駆け出しの私たちじゃ何も買えないし…そんな街に適正職業を聞きに来る人なんてもちろん居ないし、適正職業を教えてくれる適正職業アドバイザーも当然あの街には居ないのよ!!分かったかしら?」
アリスは一通り伝え終わり、田中に聞きたい事はある?と聞きたそうな顔でこちらを見てくる。
「その、勇者って職業で勇者って仕事があるのか?」
アリスは聞いて欲しかった事を聞かれ、とても嬉しそうに言った。
「そうよ!!!凄くない?モンスターを倒して報酬をもらい、悪の根源である魔王を倒すべくひびモンスター達と戦う勇者!!!モンスターと戦えるような適正職業なら勇者になれるのよ!!!!」
アリスは目を輝かせ嬉しそうに話していた。
「私もどんな適正職業か楽しみだわ!!」
「あれ、アリスって職業ガンマンじゃないの?」
アリスは首を傾げて言い返した。
「何言ってんのよ!まだ私も見てもらってないのよ、私はあの勇者ばっかの街に送られててアドバイザーが居ないから、森の向こうの街まで向かおうとしてて…休憩に仮眠をとってて………」
その後については俺も直ぐに気づきた。
「ごめん、ごめんって!!」
アリスは頬を赤くて、わざとらしい咳をしていた。
「ん、ん、ゴボン!…私は『神の祝福』で回転式拳銃のコルト・パイソンを貰ったわよ!!銃が送られて来たって事は、私にはガンマンの素質があるって意味に決まってるじゃない!!!」
「何だよぉ!神の祝福って?」
田中が聞くとアリスは驚いた様子でいた。
「あんた……女神様に会わなかった?言ってたでしょ?」
田中はあの手紙の事を思い出した……。
「いや、俺…会ってないんだけど……。」
ーー俺はアリスに事情を全て教えた。
「ま、まぁ…仕方ないわよ、クスクス…ハズレ女神様だったのよ、クス…ドンマイ!クスクスクス…」
俺は少し涙がでてきた。
「しっかり対応してくれよ………」
「まぁ!とにかく街へ行くわよ!!」
アリスは楽しそうに田中の腕を掴んで家を出た。
「さ、出発よ!!!え〜っと〜名前聞いて無かったわね!?あんた名前は?」
そう言えば言ってなかった……名前も知らない奴の家のシャワーをよく使おうと思ったな………。
「俺の名前は田中健太です…ハイ、、、」
「改めて出発よ!!!田中ーーーーー!!!!!」
ーーそうして、俺たちは街を目指して歩き始めた。
次回も見てください!
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