石ころ投げたら空中で落とされました。
ぜひ読んでみてください!
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「あれが、スライムです」
そう言って、マリーは指差す。
指差す方向へ目線をやると、そこには、10メートルはあろう大きな緑緑した液体の姿があった。
何より気持ち悪いのは、人の形をした液体ってことだ…指先までしっかりある。
「ぎもぢわりぃ……」
口に出さずにはいられない程、その物体は気持ち悪い物であった。
あたりを見回すと、スライムを囲むようにワイバーンなどが飛び交い、地上には多くの兵士達の姿が見える
「今回、空中戦はRestivehorsの皆さんに任せてあるので、私たちは地上からです。おりますよ」
「お、おう!」
地上なら全体図を見ずにすむ…こんなキモい魔人を長時間見るなんて、僕には耐えられないな。
「マリーさん…確認なんだけど、僕って、この武器で戦うんだよね?」
「・・・・」
「おい!なんか言えよぉ!」
「頑張ってください」
「なんだこの状況、涙が出てきた」
そう、僕の武器は、プーラスチーク製という、軽くて丈夫(多分)な短剣を一本持ってるだけなのだ…。
僕は慌てて、昨日の夜に準備した荷物の入ったカバンの中を確認する。
石ころ×7、ペイントボール×3、タオル×1
辛すぎる……昨日、戦いに使える物はないか色々と探したけど…使えそうなのは、シオンを引き取った時に警備の人から貰ったペイントボールくらいか
「このッ!!」
田中は、カバンに入っていた石ころをスライム目掛けて投げつけた。
ボチャンという音が聞こえる。
が、変化は何もない…。
「石なんて投げてないで、降りる準備を」
マリーがそう言い放った瞬間、スライムがこちらに向かって丸い、シャボン玉の様なものを放ってきた。
「「ーーーーーーー!!!!!」」
シャボン玉とは思えない速さで、その泡はグリフォンの翼に直撃した。
「ど、どうしたんですか!」
「や、ばくねーか……コレって!!」
グリフォンの翼は、ヌルヌルとした液体が付着して翼を羽ばたかせる事が出来ていない。
「落下しますね」
平然とした様子でマリーは言い放った。
「落下ってぇ・・・」
田中は下を向いて、自分のいる場所を今一度確認した。
そして、そんな事をしている間に、グリフォンと一緒に級落下が始まっている。
『なぁぁぁぁぁーーーーーぁあぁぁーー!!!!』
田中は半ば白目で絶叫しながら落下していく。
くっ……走馬灯が……
「今、走馬灯が、と考えましたか?」
「ーーーーー!!!」
白目になっていた目から、黒い瞳が戻った。
「マ、マリぃぃ〜〜〜!!」
その目に映ったのは、自分の腕を掴んで空を飛ぶマリーの姿だった。
「お前、飛べるのか…?」
「閃光の翼、一時的にですがね」
マリーの背中から何本も枝分かれした光の翼が光を放っていた。
現状の田中には、その光はまさにお釈迦様の光にも思える輝きだった。
田中は嬉しさのあまり、鼻水を垂らしながらマリーに飛びつこうとした。
「あじぃがぁどおぉ〜!」
「気持ち悪いです!」
その瞬間、マリーは田中を振り払おうと、掴んでいた手を離してしまった。
「あっ!」
「へっ!?」
希望が絶望へ変わるってこういうことなのか・・・・
僕は完全に気絶した。
『竜巻』
気絶した田中の体が、宙へと登って行く。
「大丈夫かい?」
その呼びかけに、僕はゆっくりと目を覚ました。
「んぅ……僕は…?」
「地面に落ちる前でよかったよ」
「地面・・・・!!!!」
田中はハッと先程までのことを思い出した。
「マリーあり……ぁ」
田中は開きかけた口を慌てて閉じた。
真薙真冬、イケメンで高身長でスタイル抜群でハーフエルフでギルマスの真薙真冬……。
「助けてもらってありがとうございます…」
「気にしなくていいよ、魔人討伐経験者がこんな所で死んでもらっちゃ、こっちも困るしね」
くっそ……こんな奴に命を救われるとは
「そういえば、マリーは?」
「マリー団長なら地上で応戦中ですよ」
あの幼女……僕を見捨て行きやがったのかぁ!
手を離しておきながら…
「君も早く地上へ向かわないとね」
「ーーーふぇ!?」
『蝶の舞』
「おい、待て!地上まで送ってぇ……!!」
「悪いけど、そんな余裕は取れそうにない」
僕はその言葉を聞き、スライムへ目を向けた。
「ーーーーー!!!」
ゆっくりだが、着実にアルドレアの方角へ進んでいる。空からの攻撃を中断したら、スライムの進行速度が早まってしまう…。
「状況は分かりました…」
「それは良かった。じゃ!頑張って来てくれ」
真冬がそう言い放つと、風が田中を包むように全身を覆った。
「期待してるよ!」
真冬は爽やかな笑顔で田中に手を振った。
「えっ!何これ!?おぃ!真薙くん?ねぇ!!」
田中を覆っている風の威力がどんどん強くなり、ゆっくりと宙へと浮き上がった。
そして、風に包まれ繭上になった田中の背中から、まるで蝶が羽化したように羽が現れた。
次の瞬間、とてつもない速さで田中はスライム目掛けて飛んでいった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も読んでいただきたいので!良ければブックマーーーク!!!
「卒業とかの季節?」
では、次回!




