300円の愛刀に名前を付けたい!?
是非読んで見てください!
良ければ感想やブックマもお願いします。
僕はプーラスチーク製の短剣を購入して、店を後にした。
「結構、似合ってます!」
腰に短剣を掛けて歩いている田中を見て、ニヤニヤとした表情でマリーが言い放った。
「全く、嬉しくないんだけど……」
「所で、剣の名前は決めたんですか?」
「名前か……」
プリケツ丸はまず無いな、うん。でも、銀貨3枚の剣に洒落た名前を付けようとも思わないしな……。
「マリーは武器に名前を付ける時、どうやって決めてるんだ?」
「私の場合、最初から名前が授けられていたので、考えた事はありません。ですが、剣を見た時の印象やその時の出来事を関連させれば良いのでは?」
「そんな感じでいいのか……?」
「知りませんよ、貴方の剣の名前なんて、適当に付けとけば良いんですよ」
「投げやだなッ!」
最初の印象か……シャルロットやマリの様な───ッ!
「ちんちくりん!!」
「だ、だっ…!誰が、ちんちくりんですかッ!!」
マリーは真っ赤に膨れ上がり、頰を朱に染めて、ぷくり、と膨らませる。
「いや、落ち着けって、マリーに言った訳じゃないって!
「…………」
それを聞き、マリーは、不機嫌そうに目を細めた。
「剣の名前だよ!剣の!」
「なぜ、そんな名前に?」
ピリリと張り詰めた空気の中で、恐る恐る、経緯を話し始めた。
「最初に、この剣を見た時、正直ダサいと思った……けど、今改めて見た時、何となくマリーやシャルロットが頭に浮かんだんだよ!そ、それでッ!!」
「つまり、この剣は私や、あの店員の様な、ちんちくりんに見えたと?」
「そうそう!そういう事だよッ!だから、別にマリーにちんちくりんって言った訳じゃないんだ!」
田中がそう言い放った瞬間、マリーは真っ赤になって怒った。
『そ、それって!私の事を、ちんちくりんだと思ってるって事じゃないですかぁ!!』
その瞬間、その事に気付いた僕は、急降下で血の気が引いて行き、冷たい汗がこぼれ落ちる。
まぁ、幼女に怒られるなら本望だろう。
僕はそう、たかをくくった?のであった。
「き、気に食わないですが、ココで殺してしまったら、魔人討伐に支障が起きる可能性があるので、特別に水に流して上げます……!」
おっ……幼女なのに、しっかり考えてるんだな…
「今、幼女のクセにしっかり考えてるなって、思ってませんでしたか…?」
「そ、そんな事、思ってないよッ!」
人の心を読みやがって……恐ろしい幼女だ!
「そうですか、卑猥な事を考えていたんですね」
「考えてねぇーよッ!」
「時間もだいぶ経ちましたし、早く戻りましょう」
「お、おう……」
また、変な奴と出会っちまったな……
ーーこうして、僕たちはシャルシナへと戻った。
「遅いでござるぞォ!」
店に戻ると皆んなが準備を済ませて、僕達の帰りを待っていた。
もちろん、お出迎えの第一声は…メイドさんでは無く……シオンだ!
メイドを雇ってる店のクセに、扉を開けるとキモオタデブがお出迎え!なんて、不快な気持ちでしょう!
はぁ………泣きそうだ…
「こんな!幼女とデートとは拙者『プンプン』でござるぞォ!!」
「デブ、お前は取り敢えず死んどけ!」
「拙者は男に罵倒される趣味は持ち合わせて無いでござるぞォォォーーーーォォォォーーー!!!」
変な奴に絡まれたら無視!それが1番だ。
この状況の場合、もちろん!無視だ。
僕はシオンを無視して先に座った。
「おっ!戻ってきたっすね!」
「遅いわよ田中!早く出発しましょ!」
椅子に腰掛けると、フェリたん達が準備を済ませて待っていた。
「ご、ごめん…アリスも忘れ物は無いな?」
この、ポンコツ美少女の事だ……一様確認しておく。
「フッ!大丈夫よ、さっき確認したし!」
アリスは嬉しそうな表情でそう答える。
その様子を見て、僕もワクワクして来た。
「では、王国『アルドレア』へ向かいましょう!」
マリーはそう言い放ち店の扉を開けた、その後を追う様にして僕達も店を出た。
「もしかして王国まではやっぱし、歩くのか?」
「いえ、飛竜を待機させてますので、歩く必要はないですよ」
「飛竜?」
竜車的な類の移動方だろうか…?
そんな事を考えていると、マリーが大きく、キュートに息を吸った瞬間、高らかに指笛を鳴らした。
すると、僕の頭上に生暖かい物が垂れ落ちて来た。
「なぁ!何か、頭に落ちて来たぞッ!」
田中は頭を触って見ると、生暖かい液体が付いてる事に気づいた。
「きったねぇ!それに、スゲー臭いし……!」
「プププ〜汚ったな〜い!プププ〜」
それを見た、アリスはお腹を抱えて笑っていた。
そんな時、『べちゃ』と言う音が聞こえた。
「何、今の音?」
アリスがそう言って辺りをキョロキョロ見回した。
「気のせいだっ………ッ!!」
何かを言いかけて、アリスはその正体に気づいた。
今、自分のおでこに垂れて来た液体に気づいたのだ。
「ひゃあぁあぁぁぁぁぁあっ!」
最高にハイな気分だぜッ!
「な、な、な、何なのよ!コレっ!」
そう言って、上を見上げたアリスは言葉を失った。
「どうしたんだよ?」
アリスの驚いた様子を見て、田中も空を見上げた。
「ーーーーーーー!?」
そこで目にしたのは、数体のドラゴンの姿だった。
いつもより、ちゃっぱり字数多めです!
次回も是非読んでください!
「今年もあと少しじゃん……で?」
では、次回!




