異世界でお買い物!
ぜひ読んでみてください!
良ければブックマよろしくです!
皆各々で準備を整えに行ったが、田中は特に準備する物も無かったので、その場に残っていた。
「貴方は身支度をしなのですか?」
椅子に座ったままの田中を見て、マリーは不思議そうな顔で聞いてきた。
「ま、まぁ……な、鎧とか剣も持ってないし、準備する物ないんだよ」
「ーーーー!」
その事に少し驚いた様子を見せた後、マリーはムッと頬を膨らませ田中の袖を引っ張り始めた。
「な、何だよ!?急に……」
「イイですから、付いてきてください!」
マリーに袖を引っ張られながら店を出た。
「ココです!」
「武器屋さんだね……」
「そうです、さぁ、武器を買って来てください!」
僕達は店を出てしばらく歩いた場所にある、商店街の武器屋に足を運んだ。
「もしかして自腹?」
「当然です!」
まぁ……武器屋に連れて来られるのも仕方がない、これから魔人と戦うかもしれない人間が、無装備ってのもマズイか……
「仕方ない、買ってくるよ……」
「当然です!」
僕は重い足取りで武器を買いに店内に足を運んだ。
「結構、広いな……」
「そうですね〜」
田中が独り言を呟くと、背後から返事が返って来た。
「って、付いて来たのか…?」
「はい、貴方の性格を考えるに、使いこなせないクセにカッコよかったから、など不純な考えで武器を購入する恐れがありますので、監視しておきます!」
クッ……!確かに僕なら性能より見た目を取ってしまう……何で、まだ出会ったばっかのマリーにバレたんだよ…。
「監視って……そうだ、マリーのオススメ武器とかって何かないのか?」
田中がそう聞くと、マリーは店に立て掛けられている武器を見回した。
「そうですね、コレはどうでしょう?」
マリーがそう言って、立て掛けられて武器を指差した。
「ーーーーー」
指を差している方向に目をやると、そこにはプラスチックで作られた様な見た目をした短剣があった。
「ダサくない!?」
「はい、ダサいです…」
「なッ!ダサいって思ってんなら、すすめんなよ!」
田中は勧められた短剣の横に立て掛けられた、無駄に強そうな剣を手に取った。
「コレなんでどうだよ!?」
そう言って剣を手に持った瞬間、田中の口から『重ッ」!という言葉が漏れた。
「当然ですよ、この剣はとても素晴らしい物ですが、貴方が使おうと思ったら木の枝以下の武器になるでしょう!」
お、重い……マリーが言う通り、この剣は僕じゃ扱い切れないか……持ってるのもキツイ、それを振り回して戦うなんて、まず無理だ……。
田中は息を切らしながら、何とか剣を掛け直した。
「これで、貴方じゃあの大きさの剣は無理だと分かりましたか?」
「あ、あ……」
「では、先程の短剣を持ってみてください」
マリーに言われ、短剣を手に取ってみる。
「ーーーー軽ッ!」
田中はその軽さに驚いた。
「はい、プーラスチークと呼ばれる物で作られた短剣ですからね」
何だよ、プーラスチークって……プラスチックの兄弟か何か!?だとしたら、この短剣っておもちゃじゃ……
「プーラスチークとか言うので作った剣で魔獣とかって……」
「倒せますよ」
そう聞くと、田中はホッと一安心した。
「プーラスチークは剣を振るだけなら、とっても丈夫な物です!」
「振るだけなら?」
「はい、プーラスチークを使った武器は魔力を送ると折れてしまいますので!」
「ーーーーーん!?」
田中はキョトンとした表情で首をかしげた。
「って事は、魔法を喰らっても折れちゃうのか?」
「いえ、外からの魔力は問題ありません、自身が剣に魔力を送り、魔法を放つことが出来ません」
夜桜が使ってた感じの奴か……
「まぁ……僕は魔法の使い方とか知らないし、問題ないだろう」
「ーーーー魔法が使えないッ!?」
マリーは声を上げて驚いている。
「何でそんな、驚くんだよ?」
田中がそう聞くと、マリーは驚きを超えて呆れた表情でため息をついた。
「普通は魔法を使って魔獣と戦うのが当たり前なんです!魔法を使わない?!馬鹿なんですか?」
普通は魔力を使うか……転生した僕は魔力が使えないのか?でも妹や夜桜は魔法を使っていたぞ?いや、待てよ!プリケツ丸が鎧に変化してた、アレが魔法だとしたら……異世界転生者は魔力が使えない、それをカバーする為に神の祝福が与えられる……って!僕は魔法が使えなくなったんじゃ!?
「いや、なんて言うか……使えなくなっちゃったと言うか……」
「もういいです、早く買って来てください……プーラスチーク製の武器はかなり安いのでお得ですし」
「あ、あ……」
こうして、僕はプーラスチーク製の短剣を購入した。
銀貨3枚、多分だが日本円で300円くらいだろう。
連続投稿です!久々ですな…
次回もぜひ読んでくださいな!
「寒くなって来ました、わしオワタ」
では、次回!




