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異世界に出荷された俺は渋々仕事を始めます。  作者: 赤崎のんた
第3章 ニート脱却!異世界で初仕事
26/52

食欲に天罰をお兄ちゃん!

いつもより多く書かしていただきました!

ぜひ読んでみてください!!

「一気に畳み掛けるよっ!」


「わかった!」


夜桜が言い放った瞬間に妹は詠唱を唱え始め、夜桜は魔剣グラムを大きく振り払った。



「『魔剣よ、その力を知らしめよ』!!!」



禍々しく黒い雷光を帯びた魔剣から、凄まじい斬撃が放たれた。


床は抉られて周りの壁がどんどん割れて、天井が落ちて店は爆発して粉々に消し飛んだ。


爆風と瓦礫の中で僕達は無傷でその場に立っていた。



「この光は……?」


田中のカラダ全体を緑がかった光が覆っていた。


「守護の光よ!」



どうやらコレは妹の魔法らしい…この一瞬で魔法で自分の身だけじゃ無くて僕や夜桜、ジェフザン、それにカルダの体まで……流石としか言えないコンビネーションだ。



「アニキィーーーーーーィィィーーーー!!!!」



遠くから、シオンの声が聞こえた。



「上にいた人の事、忘れてた!!」


急に思い出した様子で妹が叫んだ。


ーー、そんな時、こちらに向かって来るシオンの背中に誰かが担がれているのが見えた。



「ふっ、コレは何事でござるか?」


「まぁ…色々な、それよりナッドは?」


「店が崩れ出したので、慌てて拙者も店に入ったらナッド殿を…店が爆発する前に一緒に投げれたでござるよ!!」



ーーそんな時、瓦礫の底から声が聞こえて来た。



「『店が無くなって、しまったでは、ありませんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』」


瓦礫の底からハンスが狂気に染まった瞳を光らせて姿を見せた。



さっきは暗くて顔が良く見えなかったけど…こうして見ると、全く料理人になんぞに見えんな……



その姿は、かなりの高身長で黒色の髪が腰まで伸び、前髪は眉と同じ位置と短く、血で染まった…まるで獣の牙の様な歯を剥き出して発狂していた。



「店は諦めましょう、店なくとも、食事は出来そうですし…ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒ……」


ハンスは不気味な笑い声と共に瓦礫の山を降りて来た。



「あやつが、ハンスでごぞるか…?」


「あぁ……あの、サイコ野郎がハンスだ…」



そんな中、ハンスは一瞬こちらに目をやった後に妹達を見た。



「貴方は、先程、食事を、邪魔した…。」


「あおい!」


ハンスが2人に狙いを定めた瞬間と同時に、夜桜の掛け声であおいは詠唱を唱え始めた。



「っこのッ…!!」


妹の詠唱を唱える中、夜桜はハンス目掛けて魔剣を振るうがハンスもその攻撃を難なく、なめらかな剣さばきで対抗し、鬩ぎ合っていた。



「ほぉぉぉぉぉ!!良い反応と剣術です、その優れた細胞は実に美味極まり無いでしょうねぇぇ…ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」


ハンスは一度、後ろに下がり、口の周りから唾を垂らしながら叫ぶ。



「魔剣よ、その雷撃で打ち砕け!」


魔剣に帯びた黒き雷光がビリビリと範囲を広げ、大きく振り下ろし、ハンス目掛けて放たれた。


周囲は雷撃によって焼き焦げ、雷撃の走った大地は粉々に粉砕されていた。



「ーーーッッッッッ……」



「ーーーーッ!!」


その先には、炎を体に纏ったハンスの姿があった。



「激しい激痛、指が動きませんね……これでは、食事が取れませんでは、ありませんかぁぁぁぁぁ!!!」


ハンスはその狂気に染まり赤く血走った瞳から、涙を流して絶叫していた途端に突如、冷静に戻ったのか笑みを浮かべた。



「手の指が動かなくとも、口が開く、つまり、食事は可能……食事の邪魔をした上私の指まで、貴方を食す事はやめます……ただ、『殺します』!!」


ハンスは口で器用に大地に突き刺さった短剣を引き抜くと、体に纏った炎が手に集まった。


そして、ハンスは加えていた短剣を炎の集まった手に置くと高温の熱により、ハンスの手の皮膚に短剣が張り付い。


「さて、ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒィ、ヒヒヒヒヒヒ……」



「マジですか……。」


夜桜はグッと魔剣グラムを握りしめて構えた。



「っはやッ…!」


「ーーーー」


「ぐうっ…がはっ!」



ハンスの攻撃速度に夜桜は反応が間に合わず、肩を切りつけられ、重い蹴りが鳩尾みぞおちに蹴り込まれ吹き飛ばされた。


「がはっ、がはっ……」


「夜桜!!!」



田中は急いで夜桜の下に駆けつけて見ると、肩は血塗れでお腹からも出血していた。


「ここから離れて…田中じゃ勝てない……」


「勝てなくたって、守るくらいは出来るっーの!」


「ーーーーッ!!」



プリケツ丸の鞘を引き抜いた瞬間、田中は鎧が欲しいと強く願うと足元から魔法陣が現れて光に包まれた。


「良し、鎧は着れたぞぉ!!」


夜桜の前に黒く輝く鎧姿の田中が立ち尽くしていた。


「何で剣が無くなっちゃうのよ……」


「まぁ…何とか持ちこたえるから、その間に!さっきから唱えてる長すぎる詠唱に期待するよぜ……」


「ん……確かに、あおいの詠唱が終了すれば私達の勝利です…けど、気をつけてください」


「…任せろっ!」



やっぱりだ……この鎧を着てると、体がスゲー身軽になってやがる!これなら…あの、糞サイコ野郎の速度について行ける


ゆっくりと、こちらに向かって来るハンスへと田中は真正面から向かって行った。



「気持ち悪ぃんだよ、この、ど腐れ野郎がぁー!!」


田中が力一杯に関心の拳をハンス目掛けて叩き込んだ。



「ぐうっ……!」


「ざまぁーーー見やがれぇぇ!!!」


「ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」



ハンスの顔に拳を叩き込んだのは良かったが、ハンスは笑い声を響かせながら鎧を掴み、田中の膝に短剣を突き立てた。


「痛っーーー!!」



何とか鎧を貫いて突き刺さった短剣を引き抜いて、何とか次の攻撃は回避できた。


マジかよ…鎧貫くとか聞いてねーぞぉ、この足じゃ彼奴の速度について行くのは無理難題だな……ここは



夜桜の元に歩くハンスを止めるべく、田中はその場で立ち止まり、一息ついて鎧越しで話し始めた。


「おい、待てよ、味音痴の間抜け野郎っ!!!」


「んっ……貴方、私が味音痴とぉ?」


「そうだよぉ!テメェは舌のは絶望的に残念なバカ舌だせぇっ!!入るんだよなぁ〜味の違い何て分からないくせにぃ、分かった様なぁ口を叩くバカがぁ!!!」


「貴方…私が、私がぁ、私がぁ、私がぁ!私がぁぁぁぁぁ味を理解していないと…あぁぁぁぁぁぁ!!!」



よし!上手く挑発に乗ってきやがった、このまま時間稼ぎさせてもらうぜぇ!!


「撤回して欲しかったら、俺様を倒して見やがれよぉ!『バカ舌野郎』がっ!!!」



田中は膝を抑えながら、出来るだけ夜桜から遠ざかる様に必死に足を引きずって移動した。



「貴方は、今夜の良き食材に、撤回も何もありません…食材は喋らない、ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」


必死に遠ざかり、逃げる田中に難なく追いつくとハンスは笑い声を上げて短剣を振りかざし鎧に斬りかかった。



「ーーーー」



「がはっ、あふぁ…あぁ、ぐふっ……あああ!!!」


ハンスは田中の手足や肩など数カ所に短剣を突き刺しては引き抜き、突き刺しては、引き抜いてと、笑いながら繰り返した。



「やはり、この鎧、かなり、硬いですね……ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」



痛ぇ…ッ、何が硬てぇだよ、貫通してんだよッ……逃げるのは出来そうにねーな…なら、最後に


ハンスは短剣に付着した血を舐め笑っている、田中は顔全体を覆う兜を自らの意思で消した。


「んっ……」


ハンスは消えていく兜を見て笑みを浮かべながら、倒れている田中に目を合わせる様にしゃがみ込んだ。


「自ら甲冑の一部を外すとは、痛の限界ですかぁぁぁぁぁ…ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒ、アヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒャ、ヒィ……」


「気持ち悪ぃっんだよッ!!バカ舌がぁ!!!」



── ペっ!!!


田中はハンスの顔に血の混ざった唾を吐きかけ、舌を出して馬鹿にした。



「貴方、私にぃぃぃ…唾を吐き掛けると、なぜ、なぜなぜなぜなぜなぜッ!貴方がァ……貴方如きがぁぁぁッ!!!ウヒャヒャヒャヒャ、ヒィ、ヒヒヒヒヒヒヒ、ヒィ、ウヒャヒャ……」


ハンスは笑いながら短剣を振り上げ、田中の首目掛けて振りかざした。



「ーーーーッ!」


「ぐはっ……!」



その瞬間、ハンスは吹き飛ばされ瓦礫の山へ叩き落ちた、一瞬の出来事に何が起きたの分からない田中は体を引きずりながら必死に辺りを見回した。


夜桜は剣を触れる様な状態じゃない…妹はまだ詠唱中だし……



「良く耐えたな、後は任せろ」


毛で覆われた大きな体、目の前に立っていたのはライアスさんの姿だった。



「ライアスさん……駆けつけるの遅いですよ」


「すまない、無駄に苦戦したな……殺さず捕虜にするのは苦手でな」


「アニキィィィーーーーィィィーーーー!!!!」



続々と竜車に乗ったライアスさんの部下、牙達の姿が見えた。

そこには、シオンの姿もあった。


「大丈夫でござるかっ?!」



シオンが慌てて、竜車から降りて駆けつけた。


「だいじょばないッーの…」


「ここは危険だ、田中を竜車へ運んでくれ」


「引き受けたでござる!!」



着ていた鎧が光に包まれて消え、体の彼方此方から出血している田中を担いでシオンは竜車へ向かった。


シオンに担がれてる中、僕はハンスが吹っ飛ばされた瓦礫の山に目をやった。



「ーーーッ!」


瓦礫の山にハンスは倒れて、その腹部にはライアスさんの大剣が突き刺さっていた。


ん……あの大剣を投げて吹っ飛ばしたのか?この人が味方でほんと良かったよ…。



「こんな事では死んでないだろ」


「ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」


ハンスは腹部に刺さった大剣を引き抜く事なく、ライアスの元へ向かってきた。


「ーーー!!!」


ライアスが腹部に刺さった大剣を掴み、体を引き裂こうとした瞬間、腹部を貫いた大剣の先を手に焼きついた短剣を当て、引き裂かれまいと後ろへ体を引っ張り、腹部から剣を引き抜いた。


「指が動かないのですよぉ、あぁぁぁぁ…実に不便ですよ……」


「無様だな」



「不味なぁぁぁ、獣人、風情がぁぁぁ…ウヒャヒャヒャヒャ、ハヒ、ヒヒヒヒヒヒ……」


ハンスは笑いながら、短剣に付着した自分の血を舐めていた。



「私の仕事は終了の様だな」



「ーーーー!!!」


妹が詠唱を終えた瞬間だった。



「はぁぁぁぁぁ…!!」


急いで妹の魔法を阻止しようと走る隙を見逃さず、ライアスはハンスの両足を斬りつけた。



「がはっ、ああ……があぁぁぁぁぁぁッ!!!!」



ハンスは地面に倒れ、逃げる事のできない状態の中ひたすらと叫んでいた。



ーーライアスがその場を離れた瞬間、妹はケリューケイオンの杖をハンスに向けて叫んだ。


心春こはるや……ニートをあんなに傷つけてッ!



「ケリューケイオンよ、晴天の光を持って、天を切り裂く晴天の鉄槌を!『ヘブン・ブレイク』!!」


すると、先程まで空を覆っていた雲が切り裂かれる様にハンスの元だけ雲が裂けた。



「がぁぁあぁぁ……神よ、私に、最後の食事を、はぁぁぁ……」


ハンスは手に焼きついた短剣を、斬られた両足から溢れて出ている血につけて舐め始めると、自分自身の腕に噛り付いた。



「あぁぁ……何と美味、身近に、こんなにも、身近に、美味な食材がぁぁぁぁぁ……アァ!!!」



雲が刈り払われた箇所から、白く眩い光の一線がハンス諸共に大地を切り裂いた。



「ーーーーーーーー!!!!」


地面は元の原型を保てず、地形が変わる程の破壊力であった。


次回はもうちょい陽気な感じにって思ったけど…まだだったわ、、、良ければ次も読んでみてね!!


「表現したい事を書くのは難しい!!」


では、次回!





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