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漆黒のリョウヘイ  作者: RO-Ham
本編
6/9

漆黒と紅蓮


☆廃工場



ガララララ!


「頼もーーー!」


リョーヘイは勢い良く廃工場の錆びついた扉を開け、中に誰もいない事を確認した。


「よし。誰もいないようだな」


「ここは安全だ!さあ中に入れ!」


少女は両手を前に組み、下を向きながら廃工場の中へと歩いた。


「万が一奴等が現れても、ここでなら対処できそうだな」


リョウヘイは廃工場の汚れた窓から入り込む光を浴びながら、敵の追撃に備えるのであった。


「どうしよう!私のせいでヨルヒサにまで...!」


少女はその場にしゃがみこんだ。両手で顔を覆いながら泣き崩れたのだ。


「お前はさっきから何を言っている!?」


リョウヘイは問うた。しかし少女は泣いているままだ。


リョウヘイはイライラを隠せない。


「チッ、聞いているのか!」


そしてようやく、少女は語りだしたのだ!


「……私達は匿ってもらっていたんです...」


「ならやはりこうしている暇はない!さあ、早くこの街から逃げるんだ!」


「違う。そうじゃないの...」


「何が違う!?」


「匿ってくれていたのはさっきの人達よ...」


「なんだと!?意味がわからん。それなら一体誰に追われているというんだ!」


「それは分らないわ...でも、私達は身を隠さなきゃいけないの...」


「クソッ、お前と話しているとイライラしてくる!」


「私だってどうしたらいいかわからない...!」


少女は顔を上げ、リョウヘイに弱々しい視線を向けた。その瞬間、涙に潤んだ瞳を月光が照らし、キラリーン☆


リョウヘイの頭上にエクスクラメーションマークが点灯した!


「その瞳〈め〉...!」


リョウヘイはものすごいスピードで少女にせまった。


「――!?」


少女は喫驚した。


「まるでステーキの照り......いや、ヒヨリの瞳に――」


「――ちょっと!?近い!!!」


デリカシーの欠片も無いリョウヘイは少女に突き飛ばされた。


リョウヘイはものすごいスピードで吹っ飛んでいった。


廃工場の汚れた壁に激突したリョウヘイは、何事もなかったかのようにすぐさま立ちあがった。

そして少女に駆け寄るのだった。


「おのれ!何をする!」


少女はリョウヘイの怒りの形相に脅え、涙を浮かべた。

その時だ!!!


――「シュジュウウウゥゥゥン(炎が燃え上がる音)!!!」


リョウヘイの頬に業火の熱風が伝わった。そしてそれは、少女の潤んだ瞳にオレンジ色の火を灯した。

廃工場の入り口――そこは一瞬にして巨大な、煙のような炎で覆い尽くされた。中央にはうっすらと人影が見える。


「敵か!?」


リョウヘイはものすごりスピードで体を入口へ向け、声をあげる。

そして同じく、視線を入口に向けていた少女の瞳に浮かぶ涙を、彼は見逃さなかった――


「お前が「漆黒の・リョーヘイ」か...」

「何故俺の名を!?」


真っ赤っかな赤髪の、燃えるような髪型の男――ヨルヒサだ。


「お前、何が目的でレトラを浚った...」

「何故俺の名を知っているのかと聞いているんだ!」

「フッ、どうやらやはり、お前はサンディと繋がっているようだな...」

「サンディだと?まさかお前はサンディの手下か!…いや、さては俺をこの世界に飛ばした張本人だな!」

「何のことだか分らないが...レトラを泣かせる奴は俺が許さない!覚悟しろ!」

「やはりお前か...タワーの残党を殲滅してやる!決闘だ!」


突如として勃発した争い――少女――レトラが遂に声をあげたのだ!


「待って!違うわ!この人は私を助けてくれたのよ!」

「何を言っている!早くこの場から離れるんだ!」

「そうだ!お前はここを離れていろ!ここは間もなく戦場になる!」

「二人ともやめて!」


「「――決闘!」」


彼女の叫びも虚しく、二人の決闘が始まってしまった―――!!!


あたったったった!!!

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