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漆黒のリョウヘイ  作者: RO-Ham
本編
5/9

追撃者

☆チャヤアリマスヨ町の路地裏



月明かりを遮る入り組んだ路地裏を二つの影が急ぎ走る。


何者かに追われているようだ。


「まって!放して!」


リョウヘイは少女の手を引っ張りながら走っていた。


「何を言っている!お前は追われているんだぞ!」


「痛いっ!」


リョーヘイは走るのを止め、手を離した。


「お前は奴等に捕まりたいのか!」


「そうじゃない...。でも、ここを離れるわけにもいかないの!」


「クソッ、意味がわからん!」


その時だ!入り組んだ路地裏に何者かの足音が響いた!

ダッダッダッダ!


「キャッ!?」


リョウヘイはすぐさま少女を抱え樽の陰に身を隠した。


「静かにしろ!敵だ!」


リョウヘイは足音のする辺りを睨みながら怒鳴った。


ダッダッダッダ!


「この辺りから声が聞こえたぞ!」


「何を言っている?誰もいないぞ!」


「クソッ!お前はそっちを探せ!俺はあっちを探す!」


ダッダッダッダ!


走り去った敵を睨み確認すると、リョウヘイは少女に問うた。


「お前はどうしたいんだ!」


少女は一瞬リョウヘイに視線を向けて何か喋りかけたが、しかしすぐに話すのをやめ、黙り込んでしまった。


リョウヘイは舌打ちした。そして辺りを見渡すと、何かをみつけたようだ。


「あそこだ!付いて来い!」


リョーヘイは指をさした。どうやらもう使われていない廃工場のようだ。


リョウヘイは廃工場めがけて走り出した。勢いにつられた少女は、嫌々ながらリョウヘイの後を追うのであった――



宿屋


ヨルヒサはリョウヘイを探すために宿屋を目指していた。


((ん!?何故ステーキ屋の連中がここに!?))


ヨルヒサは宿屋近くの路地裏からステーキ屋の下っ端が出てきたのを目撃した。


「どうする!?こっちにも来ていないようだが」


「どうするったって...店主からの報告はまだなのか!?もうすぐここに奴が来ちまう。その前に女を奪い返さなねぇと」


「――!?」


ヨルヒサは下っ端の一人に殴りかかった。音も無く忍びより、音速でパンチしたのだ。


「お、お前はヨルヒサじゃねか!」


「――!?」


次の瞬間、もう一人の下っ端も音速でパンチしたのだ。


そして先に倒れ込んでいた下っ端の胸倉をを掴むと、問いだした。


「お前達はレトラの監視を任されていたはずだ。何故ここにいる...?」


「なっ、なんでって、グフッ、そりゃ...」


「ハッキリと答えろ!」


再びの音速が下っ端の腹に突き刺さる!


「グハッ!......わかった...話すよ...。話すからもう殴らないでくれ...それ以上音速でパンチされたら死んぢまう...」


「……俺達は第2倉庫でレトラの監視を任されていた...」


「第2倉庫だと?倉庫になんの用がある?」


「もしお前がリョウヘイに負けるような事があった場合、万が一の時だ、その時はお前のもとにレトラを連れていけと、その為にレトラを第2倉庫で待機させていたんだ」


「そういうことか...クズの考えそうなことだ」


「俺達は言われた通り、その時に備えてレトラを監視していた。すると、奴が現れたんだ...!」


「奴だと!?」


「『漆黒の・リョウヘイ』――お前のターゲットだ」


「レトラはリョウヘイに浚われたんだ!」


「……もういい」


ヨルヒサは普通のパンチをあびせ、すると下っ端は眠るように気絶したのだった。


「第2倉庫の裏口は路地裏に繋がっていたはず...奴が裏口から抜けたとして......奴の居場所は廃工場か...!」


ヨルヒサは早々にリョウヘイの居場所を断定した。


((――リョウヘイ...何故奴がレトラを...?まさか...





リョウヘイに忍び寄る不穏な陰...

二人の運命が再び交差する――!                    つづく

あたっあたたっあたたたた!!!

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