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4.風吹かぬ世界

「……ルファシル??ルファシル――――!!!」うっすらと人影が見える。陽炎かもしれない。しかし、今は幻も現も関係ない。

「お兄様……っ違います!!」兄は剣を構え、妹は杖を掲げる。二人は息を殺し、指一本さえも動かさない。強い風が吹く。二人は踏み出し、兄は向かってくる 何かに剣を振るった!しかし 剣は相手を斬ることができなかった。

「ルっルミネ――!!!」ルミネは光を灯した杖を振り 思うように 言葉を唱えた。

「古の剣、光るは風…絡みゆく荊ッアテネの名の下に陰を刻め!!」

強い風が吹き荒れ一瞬、光が差した。差し込む光の中には アテネがいた。 美しさを司る、女神。しかしアテネの光の拘束は雪のように 消えた。

近づいてきた、人影は手をかざし、魔法を唱えて二人の動きを止める。

「兄様………」敵の刃がルミネを貫いた。

「ルっルミ………ネ???ルミネっ…ルミネーーーーッッッ!!!!!!」

ルミネはその場に倒れ込んだ。自分の番だと思ったが 後退りさえもできなかった。恐怖のあまり敵から目をそらす。

風に乗って悲しい香りがした。敵が剣を振り下ろした。無慈悲な断罪が下った。

「僕は斬られたのか……?生きている…幻??」気が付くと そこは真っ暗な陰だけの世界になっている。寒い。ルミネの姿もないし、敵の姿もない。金色の花畑もない 本当に何もないせかい。独りだった。


こんなに、独りが寂しいなんて、こんなにも“無”が恐いなんて……

歩けるからも知れないけれど、そんな気にはなれない。このままだと どうなるのだろうか。風の吹かない世界に ライフォは恐怖した。

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