表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある神様のお話し  作者: 雷狼龍
1/1

とある神様の過去

とある神様人間なった少年のお話し


“痛い”と泣き叫んだ事があった。



“嫌だ”と訴えた事もあった。



“やめて”と助けを求めた事も…。





されど、それが聞き届けられる事は無く少年は更なる苦痛をその身にただただひたすらに受け続けた。




愛の変わりに与えられたのは暴力で




温もりの変わりに与えられたのは罵声。




一体誰が予想しただろう。




極普通の暖かい一般家庭に産まれながら、少年がただの一度も愛されないと言う事実を。

平和で穏やかな日本に居ながら少年だけが誰からも排され続けると言う現実を。

少年に落ち度は無くとても優しい子だと言うのに。





故に。

その理不尽に曇る心故に誰も深く考えず気付かなかった事がある。

誰からも排され奪われてばかりの少年が知らぬ筈の知識と教養を身に付けていると言う神秘を。

そして、少年の心が悲しみに暮れはすれど憎しみには染まらぬと言うその奇跡を。





少年はまさに“聖人”と呼ぶに相応しかった。




けれど、それでも人が人で有ることに変わりはなくーー。






齢十八にして少年は世を去った。




その体は病と生傷でボロボロだったと言うーー。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ