表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/118

NA☆N☆KI☆N☆MU☆SI 【トコジラミ】


ここんとこトコジラミと呼ばれることが多くなった南京虫。俺はてっきり「トコジラミ」と「南京虫」は、別の生きものだと思っていた。


 *


へぇー ( ゜д゜ ) って感じだけど、調べたところ、南京虫はシラミには遠く、カメムシだという。


ってことは、南京虫とは吸血カメムシだった! こいつ、名前変えた方がよくない?


 これもすべて自公のせいだ!!!!


 お前らが売国し、インバウンドやらビザ緩和で日本を穢しているせいだ!!!!


 俺は許さない。どこの売国政党も。



 俺が許さなくとも世の中への影響は皆無だけど・・・(・д・)チッ


 けど、俺は生きてる限りお前らには絶対に投票しないからなッッッ!



 *



 俺んちに南京虫、いわゆるトコジラミが出た!!


 まさかのまさかの出来事だった。それは昨年の秋のことだった。



 *



 オヤジは最初は寝てる間に、ダニに刺されたと思っていたらしい。


 強烈な痒みで病院に行って、それは南京虫だと発覚したらしい。


 しかもその事を家族には数日隠していたのだった。


 怒られると思ったのだろう。当たり前に怒るに決まってるだろッ!!


 行動が妙だったので発覚したのだ。


 そんなこと隠してて、もしも家中に広まってしまったらどうする気だったと言うのか???


 ったく、クソ親父だ。



 家に持ち込まれた経緯は、その前にオヤジが出張で数日の間泊まったホテルからと思われる。



 もう、みんな宿泊先では気をつけなきゃダメよ。


 俺は日本がそこまで汚染されてるとは知らんかった。


 自分は特に旅先でもその様な虫の存在を気にしたことさえ無かったんだけど、それも薄氷渡りで今まで無事だっただけなのだろう。



 ホテルの部屋で、荷物を床にすぐ置いちゃダメなんだって? 畳の部屋も危険。着いたらまず荷物は、風呂場みたいなツルツルの場所に置かないといけないらしい。あと明るい場所に。そして南京虫の痕跡がないか、部屋チェック。


 帰りは靴の裏の溝も危険らしいね。


 韓国ではコロナ後に国内に広まってやっと収束したらしいけど、今度は日本国内に広まって来てて、自宅に持ち込んでしまうのも、もはや運もじゃねーか? 


 海外からの通販の段ボールに隠れていることがあり危ないとか、ネカフェがヤバいとか、電車のシートも危ないとか、今思えば一時話題になってたことあったよな・・・


 *


 暗い所に潜み、夜出て来て活動するこの虫。


 明るい時間は、部屋のどこかの隙間などに隠れている。暗くなると、二酸化炭素や体温を感知し、夜な夜な血を求めて出て来るという。


 南京虫は自力ではそうそう広範囲には動かないので、部屋を越えてはいない模様だったが、煙を焚くと逃げるので、かえって拡散の危険もあるそうだ。ちなみにうちでやった時は全く駆除の効果は無かった。俺は燻煙はお勧めしない。


 布団に潜んでいるのではと俺は言ったが、頑なに布団にはいないとオヤジは言い張った。いや、布団にだっている可能性はあるだろう?


 とにかくオヤジの部屋で捨てられるものはなるべく捨て、布団も買い替え、スプレー式の殺虫剤や、煙を焚く殺虫など施したが、オヤジは寝ている間に地味に刺され続けた。



 懸命の殺虫剤塗布の結果、オヤジが刺される頻度は減り、次第にほぼなくなって冬を迎えたのだった。が、これは冬のお陰かも知れなかった。


 南京虫は、冬はあんま活動はしない。


 そして今年春になり、3月に1回刺され、4月に1回刺されたという。以来、今んとこ刺されてはいない。


 今もオヤジは毎日部屋に殺虫剤塗布して、時折熱い蒸気出るお掃除グッズで部屋の木の隙間など、日々消毒を続けている。


 駆除には、餓死させるためにとにかく刺されないことが肝心だそうだ。


 刺されてんのは家ではお前だけだけど? なら刺されんなよ。



 活動期に3ヶ月間血を吸えなかったら南京虫はほぼ餓死するとオヤジは医者に言われたそうだが、けれどもそれで本当にいなくなったとは言い切れないとも言われたそうだ。エサなしで1年生き延びる個体はいるらしい。油断大敵。



 家でちょっと原因不明の痒みがあると、俺だってまさかまさかで恐怖の日々だ。刺されたら長期に渡り強烈な痒みなので判別出来るそうだが、初めて刺される人は痒くないという。



 取り敢えず、うちは今月末までオヤジが刺されなかったら何とか一区切りだ。


 が、油断はならない。


 たとえ刺されなくても今年中はずっと殺虫剤、蒸気消毒は続けなくてはならない。いなくなったことを証明することは出来ないのだから。最後に刺されてから無事で1年以上経たないと安心は出来ない。


 マジ恐ろしき小さな悪魔、南京虫。


 業者に駆除頼むと面積にもよるけど、何十万もかかるという。


 ((((;゜Д゜))) 高っ!


 もしも家に持ち込んでしまったらやばい損失だよ。


 けどインバウンドが続く限り、南京虫は国内に次々入り続けるよな。



 幸いは、南京虫被害は無茶苦茶痒いだけで、蚊やマダニのように病気は媒介しないという。


 *


 俺はハエトリグモを家の中で見つける度に、オヤジの部屋に放り込んでいるけど、殺虫剤撒いてるから嫌みたいで、気づけば廊下に出てしまっている。だよね、ごめん。


 もうね、こんな世界にされてしまったら、部屋に出るハエトリグモさんは宝だよ。だって、知らない間に害虫駆除してくれる存在だもん。


 世間では蜘蛛はだいぶ嫌われてるけど、殺さないで、放り出さないで、そのまま家で飼っとけよと俺は言いたい。いらんなら俺んちにくれ。


 アシダカグモいる家はいいよなぁ。俺んちにも出張して来て欲しいわ。蜘蛛さん歓大迎。


誰であれ、無意識下で紙一重で避けられてる可能性あり。宿泊施設では警戒が必要です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ