表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第五話 廃鉱の罠

 カズミとトムソンは、保安官の事務所の前に移動していた。用心棒がシルバー・ボンを名乗っているのは、表の顔を隠すためだった。

「保安官が、用心棒の表の顔だったとはね」

「ああ、この町はギャングに支配されつつある。町長がなんとか頑張っているが、時間の問題だろう」

 この町の命運なんていう大きなものとは、カズミは関わりあうつもりは無かった。しかし、偽者を倒す為にはギャング達とは一戦交える必要はあった。

 トムソンが望遠鏡を持っていたので、今度の見張りは距離がとれて安全だった。

「何か、動きがあったぞ」

 トムソンから渡された望遠鏡で、カズミも事務所を覗いてみた。

 チンピラ風の男達が、縛られた少女を抱えて事務所に駆けて来た。少女の方は、さるぐつわのせいで声が出せないでいる。

「誘拐?」

 しかし、少女の服は何日も洗っていないようにみすぼらしく、あまり誘拐するメリットが無いように見える。

「ここのギャングは地上げが主で、営利誘拐なんてしてないはずだ。人身売買だとしても、用心棒のとこに運ぶのがおかしいな」

 事情を探ろうとしばらく様子を見ると、少女を連れて用心棒達が事務所から出てきた。

 二三人はアジトの方に向かったが、殆どは用心棒に同行していた。

「あっちの方は、閉鎖した鉱山があるだけだぞ。ますます判んないな」

 トムソンが首をかしげていると、既にカズミは走り出していた。

「おい、何をするつもりだ」

 アジトへ向かっているチンピラを、カズミが追っていた。あいつらから力ずくで聞き出すつもりだと判って、トムソンも慌ててカズミを追いかけた。


 町の西側の鉱山は、早い段階で水晶が枯渇して閉山されていた。

 岩しかない荒地の真ん中に、マヤは来ていた。

「あのガキ達なんて赤の他人なのに、どうしてこんな所に来てるのよ」

 ぶつぶつと文句を言いながらも、マヤはちゃんとビルからの伝言通りの事をしていた。

「そこにいるのは、判ってる! 出てきなさいっ!」

 露天掘りで出来たくぼ地の中央まで来ると、くぼ地の上にある岩の陰から用心棒達がミリを抱えて現れた。その上馬まで一頭いた。用心棒の馬なのだろう。

「約束どおり、丸腰で来たようだな」

 細身で長身の、荒野のサボテンみたいなシルエットの男が一歩前に進み出た。

 後ろにいるチンピラの一人が、ミリを小脇に抱えていた。

「うー、うー!」

 ミリが何か言いたそうだったが、さるぐつわのせいで言葉にならなかった。

「あんたが、偽者のシルバー・ボンね!」

 マヤが、用心棒に向かって、指を突き立てた。

「そうさ、確かに俺はシルバー・ボンではない」

 あっさりと用心棒は偽者である事を認めた。

「どうしてシルバー・ボンを名乗ってるのよ?」

「別に誰の名前でも良かったから、大した問題ではない」

 用心棒達は、どうでもいい質問をされている事に気付いていなかった。全ては時間を稼ぐ為のマヤの作戦だったのだ。

「そのシルバー・ボンを名乗ったのが、あんたの一番の失敗ね」

「何? 失敗だと?」

「本物のシルバー・ボンは、偽者の存在を絶対に見逃さないんだから!」

 本物のシルバー・ボンと聞いて、チンピラ達がにわかにざわめいた。

「黙れ黙れ! そんなもん、すぐに改名すればいいだけだろうが!」

 用心棒が、チンピラ達に振り返って落ち着くように言った。

「戯言は終わりだ。とっとと片付けるぞ」

 ようやく用心棒達は、本題に戻った。

「あら、できるかしら。言っとくけど、わたしは丸腰でも強いからね」

「そんな減らず口が、いつまで続くかな」

 用心棒達は、全員ライフルを取り出した。

「ガキどもの味方になった事を後悔しながら、死ねっ!」

 用心棒達が、一斉にライフルを構えた。

 バン! ババン!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ