第七話
「ビューティーコンテスト?」
「そうベルダーシュにとって美は基本だから」
「副官の俺も出るの?」
「全員参加だよ。もっとも10歳未満は除外だけどね」
「ひえええ」
こうしてロインもビューティーコンテストに参加した。
ロインは二十歳を超えても美青年とも美人ともとれる美しさを保っていた。ロインは二二歳になっていた。
結いあげたあでやかな髪、切れ長の瞳。ロインは様々な人を魅入らせる魔力を持っていた。化粧をしたロインはさらに怪しさが増している。
ロインは予選を軽々突破し、本選に出る。
残ったのは三人。無名の新人ベルダーシュにロインにムエンだった。
特にまだ第二次成長期を経てない新人のセスモはロインに負けないほどの美少年と美少女の2つの美を持っていた。
票は真っ二つに割れた。
楽師長は困った。
「う~ん」
「そうだ。今回は特別に料理コンテストもしよう!」
「女性の心も持つもの、料理でも勝負するべし」
「二人で後日、料理で勝負する」
「味見はロイン以外の四天王だ!」
「毒味のまちがいですかな?」
セヤの意見に対しゾイの拳が真上から振ってきた。
◇◆◇◆
翌日食堂を使って2人は料理勝負する。
そして出来たものは2人とも野菜炒めだった。だが……。ロインの野菜炒めは……。
「なんだこれは!?」
「毒じゃ!」
「なにをどうすればこんな味になるの!?」
「奥さんがなってないからよ!」
ハルがメイに思わず暴言を吐く。
「何よ!!」
「おまえらやめんが!」
「うえっ!」
楽師長が吐く。
次に運ばれてきたのはセスモの料理だった。
「うまい!!」
「なんて絶妙なハーブの使い方!!」
「汁もございます」
セスモがお椀に持ってきたのは鶏ガラのスープだった。
「すごい!」
「そういえば俺たちただの煮込みスープしか飲んでなかった」
「スープってこんなにおいしいんだね」
そして優勝はセスモに決まった。
そしてロインの魅惑とともにロインの料理伝説が追加された。