第三話
「そうか、墓場か」
副官としてカル楽師長に提案するロイン。
「はい、いくら流れのベルダーシュともいえども必要かと」
「ロイン、君の発想力は凄い。早速墓場を作ろうではないか」
こうして楽師団は地下一階に墓場を作った。
一般のベルダーシュや非ベルダーシュは共同墓地に埋葬し、要人は個別の墓に埋葬される。
要人とは四天王、副官、楽師長のみである。
「俺、墓に俺の名前が刻まれるのか。なんか嫌だな」
「人間いずれはこうなるから」
ゾイがなだめる。
「スペースが足りなくなったら部屋は広げられそうだな」
「共同墓地の墓碑には何の神様を掘ろうか?」
「ふむ? なんの神がいいんじゃのお?」
「黄金の鷲……」
「そっか、夢に出てくるってあれだね」
「ロインの部族は黄金の鷲の夢を見たら試練の洞窟に行くんだよね」
「最初も最後も同じ神に見送られたい」
「そうだね」
「それと鎮魂歌もここでやってほしい」
「音楽とともに生きてきた人たちだしね」
「賛成」
こうしてフォークロアキャッスルの中に墓地が出来たのであった。
また一般人用の火葬場もできた。外に祭壇が置かれ、火葬される。骨壺に入れて共同墓地に埋葬される。
四天王以上の位の人間が亡くなった場合は屋上の祭壇で火葬され、骨壺に入れて個別の墓に埋葬される。また墓碑も刻まれる。