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ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第二部 ロイン達の後日談  スローライフ
93/117

第一話

 副官と言えどもロインは巨大な楽団に入ったのである。


 当然ロインは楽師として楽器を学ぶことになる。ロインは笛、ハープ、リュート……様々なものを試した。


 しかしロインが出した音は……。


 「なんだこれは!?」


 「呪いの音楽だ!?」


 「さすがロイン様。音にも攻撃魔法を込められる!」


 「これは精神攻撃系魔術だ!」


 あまりの酷さにロインは苦笑いするしかなかった。


 ロインは魔力がありすぎるのか指先にも繊細な魔力が込められるようになっていた。ゆえに魔力に反応しておどろおどろしい音しか出せないのだ。


 それを聞いたカル楽師長は最初無言で……。

 

 「ぷっ……」


 「ぶはっ!」


 「ぶはははははは!」


 と玉座で大爆笑してしまった。


 「では太鼓はどうなんだ?」


 カル楽師長の提案によって今度ロインは太鼓を叩いてみた。


 「なんだ、この音は!?」


 「呪いの音だ!?」


 「だめだ! 耳を塞いでも聞こえるぞ!」


 「波状攻撃だ!!」


 ロインは傷ついた。


 妻のメイに思わず話してみた。


 「俺、音楽は絶望的にセンス無い」


 「ねえ? 風魔法を当てる楽器ってないのかしら?」


 「例えば」


 ――チーン!


 「この鐘の音のように」


 「鐘か」


 ロインはそっと鐘を超弱小の風の刃で当ててみた。


 ――チーン!


 「同じ音が出た!!」


 「これよ! ロインの楽器はチャイムだわ!」


 こうしてロインの命令によって小さな鐘から大きな鐘までそろえたチャイムを作った。


 演奏の日がやって来た。もう周りの楽師団と四天王は信用できないのか全員耳栓を用意していた。


 しかし。


 ロインが鳴らすチャイムの音色は素晴らしい物であった。


 一人、一人耳栓を外す。


 「さすが副官様だ!!」


 「まるで天国のような音色だ!」


 こうしてロインは楽師団に入って初めて自分の楽器を手に入れた。


 ロインが使うチャイムは地下一階に保管された。


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