第六話
翌朝……厨房にはメイが立っていた。
「メイ、何やってるの?」
「何って、朝ご飯でしょう?」
「あ、そうだっけ?」
(そうだった。俺、結婚したんだっけ)
二人で食卓を囲む。そして食事を終えるとセヤの帰還の式があった。セヤは樹に埋め込まれていた水晶をかき集め終えていた。袋にはけっこうな数の水晶があった。
この村に顧問が居なくなるのだ。
「さみしくなるな」
「またいつでもキャッスルに寄ってくださいロイン、メイ」
「はい」
そういうとセヤは転移魔法を唱えて闇の渦とともに消えた……。
ロインはこの村のベルダーシュに戻ったのだった。
ロインはこうして幸せな日々を送っていた。
子供も生まれ幸せな日々を送った。
子供の名前はレインと名付けた。
◇◆◇◆
一年が経った。
そんなある日……。
「見たんだ、黄金の鷲を!!」
「僕がベルダーシュになれと!!」
酋長が空を見上げた。
「ついにこの時が」
「スミト、本当だな!?」
「はい」
この事を酋長はロインに伝えた。
「ロイン、どうするんだ。この村の顧問になるのか?」
ロインの答えは即答だった。
「いいえ、酋長。仮にこの子が本当のベルダーシュならば私はフォークロアキャッスルに行きます。今の僕はほかにも居場所があるし」
「そっか」
こうしてロインは試練の洞窟にスミトと一緒に入った。
巨大な蜘蛛を業火の術で焼き払う。
「すげえ!ロイン!!」
(きっとあの時のザイロもこんな気分だったのかな。俺、心が痛い……)
そして黄金の鷲はスミトを認め黄金の矢を次々スミトに放った
「おめでとう、君は今日からベルダーシュだよ」
「は…はい」
「緊張しなくていい。できうる限りの魔法を教えるからね」
「はい」
こうして二人は戻り酋長に報告した。今まで何をやってもダメなスミトがハーレム三昧になる。
「今のうちにハーレムも覚えておけよ」
「はい」
「じゃあ俺はトミムと寝るから、お前も適当にな」
ロインはあの時の夜と同じ決断をした。