第五話
ネオ・ダークキャッスルの水道建設が始まる。
洞窟と違いここは完全に人口建造物だ。やりやすかった。
周りに林があるのも川があるのも楽だった。
浴場が出来、トイレが出来、食堂が出来、そして畑が出来ていった。
全てを終えるとロインはフォークロアキャッスルに戻った。
楽師長に報告する。
「旅が終わりました」
「本当によくやった、ロイン」
「下がって良いぞ」
「はい」
ロインが去った後もメイはなぜか残ったままだ。
「メイ、どうした?」
――楽師長……実は……。
「君は本気か?」
「はい」
「冗談ではないのだな。二度と取り消せないぞ」
「はい」
翌日、ロインは楽師長に呼ばれる。
横にはメイも居る。
「ロイン、君に重要な話がある。メイ、言いなさい」
「ロイン、私は……あなたの事が好きです。どうか一緒になってください。一生の旅のパートナーとして」
「えっ!?」
そう、本当はメイとの別れの時のはずだ。だが……。この言葉を受けてゾイを思い出した。
――お前も結婚いいぞ
「本当に俺でいいんだな?」
「はい!」
「一緒に来よう!」
転移魔法でサムル村に戻る二人。
酋長に報告し、そして……。
「ロイン、素晴らしい!!」
「皆の者よ聞くがよい。勇者ロインが戻ったぞ。そして明日、婚姻の式を開くぞ!!」
村中は大騒ぎ。帰還の喜びと結婚の喜びを二重にかみしめるロイン。ロインはこうして旅を終えた。




