第四話
「くそっ!!」
「こうなったらロインの故郷の村人を殺してやる!!」
「どうせ俺たちは死ぬんだ。ヒャッハー!」
ネオ・ダークキャッスルを攻撃したロインの攻撃から逃れた者の一部がロインの故郷を攻撃しにいった。
(ふむ)
「また警告音か。どれどれ。また狩人じゃろ」
しかしセヤが水晶を通して見えた者は闇のベルダーシュであった。
「いかん!」
セヤは急いで外に出ると幻惑の術を唱えた。セヤは急いで狸の仮面を被る。
「なあ……もうサムル村に着いてもいいころだよな」
「ずっと同じ林の中を歩いていないか?」
セヤは呪文を唱えた。すると樹に埋め込まれていた緑色の水晶から光線が出た。
(何だ? あの光は……?)
「ぐぎゃああ!」
なんと手が切断された。光線の本数が増えていく。脚を切断されるもの、胴体を切断されるもの、林は阿鼻叫喚となった。
「逃げるんだ!!」
しかし、幻惑の術にかかった範囲内で逃げるのは無駄な行為だった。無限回廊となるからだ。
セヤはさらに呪文を唱えた。すると光線の本数が四本になった。
最後まで生き残った闇のベルダーシュは肉片になった。呪文を終えると幻惑の術を解除する。村の近所の村で三十人ほどの闇のベルダーシュの死体が出てしまった。
(ロイン並みの凄腕が来なくてよかったわい。あの術、バリアで跳ね返されたらわしに向かってくるんじゃ)
セヤは業火の術で死体を燃やした。
◆◇◆◇
翌日、サムル村の村人は驚いた。
「酋長、我々を殺そうとしたものを逆に撃破しました」
村人は改めてベルダーシュの恐ろしさを知った。
そして闇のベルダーシュを火葬した。そんな時水晶から声がする。楽師長だ。
――セヤ、驚くなよ。ロインがネオ・ダークキャッスルを撃破したぞ
「楽師長様、そのネオ・ダークキャッスルから来た闇のベルダーシュの残党を撃破しました」
――それはすごい! 幻惑の術で撃破したのか
「はい」
――これでコミギ村を再建したら、ロインの旅も終わりだな。お前も元に戻る準備をせよ
「はっ」
水晶から応答が無くなった。
「幻惑の術のセヤ」の二つ名が復活した瞬間であった。